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天空の城ラピュタを彷彿とさせるパロネラパーク
パロネラパークはオーストラリアのクイーンズランド州北東部、ケアンズの240km程南にあるテーマパークです。一面緑に覆われた風景は宮崎駿の映画、天空の城ラピュタを彷彿とさせる一面森に囲まれた空間。ケアンズを訪れたらぜひ足をのばしたい観光地です。魅惑のパロネラパークについて、行き方やツアー等たっぷりご紹介します。
パロネラパークってどんなとこ?
ラピュタの世界を彷彿とさせるパロネラパークは石の城、苔に覆われた階段、深い緑。自然と一体化したようなこの景色は実は観光を目的として人工的に作られたテーマパークではありません。かつて本当にここに人が暮らし、日々生活が営まれていた場所なのです。
パロネラパークは日本のテーマパークのように派手なアトラクションがあるわけではなく、お土産屋さんやレストランがあるわけでもなく、ただただ単純に純粋に過去、一人の男が作り上げた夢の楽園の遺産なのです。
パロネラパークを作ったある男
ラピュタを思わせるパロネラパークを作ったのはスペインの移民であるホゼ・パロネラ。彼は小さい頃から自分の城を持ちたいと思っていたそうです。パロネラパークとは彼の名前そのもの。
幼いころからサトウキビ畑で働いていたホゼは青年実業家になりスペインに一旦帰国します。しかし、子供の頃からの夢をかなえるべくオーストラリアに戻り土地を購入。手始めに行ったのは資材運搬用の通路として47段の大階段を作ることでした。
その後自分たちが暮らす石造りの家を建て、7000本以上の木々を植え、庭園や城を次々と作り上げました。そして6年後の1935年、パロネラパークが完成し、そこは次第に第一次世界大戦で傷ついた人たちが癒しを求めて集う場となっていきました。
夜ごとに開かれるパーティーは盛況で、多くの人がこのパロネラパークに集ったといいます。しかし1946年大型のサイクロンが直撃してパークは全壊。一度は再建を果たしますが完全復活の前にホゼは胃がんになりこの世を去ります。
ある男の死後よみがえったパロネラパーク
ホゼの死後、妻のマルガリータと子供達はパロネラパークを守り続けますが相次ぐ洪水などの天災によって何度も被害を受け、結局1977年には一帯の土地を売却してしまい、その2年後には大火災によってパロネラ城のほとんどが消失してしまいます。1986年にはハリケーンがパークを襲い、結局夢のパロネラパークは廃墟となってしまうのです。
その数年後の1993年、廃墟となったパークを訪れたオールトラリア人夫婦、エヴァンス夫婦がパークを買い取り、修復工事をいくつか施して再建ではなく、パークの原型を保存したままで一般公開しました。
観光スポットとして復活を遂げたパロネラパークは2004年にはクイーンズランド州の観光国の優秀観光アトラクション賞を受賞し、その後もクイーンズランド州からのビジネス奨励賞等数々の賞を受賞しています。
パロネラパークの見どころ1「ザ・キャッスル」
ラピュタの世界を思わせるパロネラパークの中にあるホぜという一人の男が夢見た自分の城。小さめのこじんまりとした城ですがしっかりした石造りの城で当時から一般の人にも開放されていたといいます。城の中にはボールルームがあり、映画を観ることもできたそう。映写機を使って白黒のチャップリン映画を楽しんでいたのだそうです。
ホゼが好んでいたという城の最上階は、彼が遊びに来た人たちが楽しんでいる様子を眺めるためのお気に入りの場所だったといいます。
ピクニックエリアといわれる場所が一望できるこの場所は客人が自分の庭で楽しむ様子を見て満足するには十分の場所だったといえます。現在は城内部に入ることはできませんが側で眺めるだけでもその存在感は圧巻です。
パロネラパークの見どころ2「大階段」
ラピュタの世界を堪能できる観光スポット、パロネラパークのピクニックエリアといわれる散歩コースとザ・キャッスルを結ぶ大階段は城を作るにあたってホゼが一番最初に建設した階段といわれています。
47段もの階段は上段に行くにしたがって幅が狭くなるデザインで作られていて下から見上げる階段をより美しく見せるための彼のこだわりだったようです。
大階段は木々に囲まれ日の光が差し込む時間帯などはとてもエキゾチック。階段で記念撮影する人たちも多い有名な場所です。城への道としては雰囲気抜群。階段の途中には過去の大洪水の際に水に浸かったことを示す目印があります。目印のプレートは全部で3か所あり、それぞれに大洪水が起こった年号も記されています。
パロネラパークの見どころ3「噴水」
ラピュタの世界が広がる観光スポット、パロネラパークの軽食堂といわれる建物の前には楕円形型の噴水があります。手すり部分はしっかり苔で覆われていてまるで周辺の緑の中にすっぽりと溶け込んでしまっているようなエリアで、噴水から吹き上げられる水と池の蓮の葉が見事なコラボレーションです。
ジブリ好きの観光客も多いパロネラパーク。天空の城ラピュタの世界観を共有したい人たちの絶好の撮影スポットにもなっています。夜になるとライトアップされ妖艶な雰囲気が漂う空間でもあり、おすすめです。噴水周辺一帯はパロネロパークを代表する空間で、パンフレットなどでもよく使われています。
パロネラパークの見どころ4「軽食堂」
軽食堂はかつて客人が集って軽く食事をしたり、音楽を楽しんだりしていたのではないかと考えられる場所。造りは城に似ていますが、パロネラパークの中では城よりも低い位置にあるちょっとした広場的存在です。ここも現在は立ち入ることはできず策がかかっていますが苔がびっしりとついた石造りの建物は側に立つだけで幻想的な雰囲気を感じます。
ラピュタの世界感じる軽食堂一帯は時間帯によって光の差し込み方が違っているので訪れるその時々で雰囲気が違うのも魅力的です。まるで木々が建物を守っているかのような一体感は古代へタイムスリップしたかのよう。植物の持つパワーやホゼのエネルギー、その他色々なものからパワーをもらえそうなスポットです。
パロネラパークの見どころ5「ミーナの滝」
ホゼがこの場所を自分の夢の実現の場所に選んだ理由のひとつにミーナの滝の存在があります。3本の美しい滝はパロネラパークの絶景ポイントのひとつです。ホゼのこの滝に気に入り方は相当だったらしく、パロネロパークでは至る所からミーナの滝が見えるようになっていて夜のツアーでも人気のスポットです。
ミーナの滝の脇にはホゼが作った水力発電所があり、これはクイーンズランド州で初の水力発電所といわれています。パロネラパークで使われる電力は今もこの滝の水力で賄っているのだそうです。廃墟で作られたテーマパークの中で今も現役で動く水力発電には生きることに夢を重ねたホゼの逞しさを感じます。
娘にプレゼントした「テレサの滝」
ミーナの滝が大好きだったホゼは自分の娘のためにミーナの滝に似せて作った滝をプレゼントしています。8歳の誕生日にプレゼントしたといわれるテレサの滝はミーナの滝そっくりです。こじんまりとした滝ですがミーナの滝のミニチュア版としてぜひ立ち寄ってほしいおすすめのスポットです。
パロネラパークの見どころ6「願掛けの泉」
2段構造になっている泉は願掛けの泉と言われています。この泉に背中を向けて願い事を思い浮かべながらお賽銭を投げて上の段の小さな泉に入ると願い事がかなうといわれています。残念ながら1段目に入ってしまった時は、足りない分は努力で補えば良いのだとか。ここもまたジブリの世界が漂います。
パロネラパークの見どころ7「カウリアベニュー」
カウリアベニューはカウリというニュージーランドやオーストラリア固有の針葉樹が作り出している道。最大で高さが60m、幹の周囲が16mにもなるという植物です。通常は4~500年、長いものでは樹齢2000年を超えるものもあるといわれるカウリですが、パロネラパークのカウリの樹齢はおそらく80年ほどだといわれています。行き方は園内マップで。
カウリアベニューを抜けたところでもミーナの滝が眺められるようになっていて、巨木の道を夢見ながら植えたホゼの姿に思いをはせずにはいられないスポットです。樹冠から差し込む光が美しい静かな散歩道ですが、人通りは比較的多いので、少ない時を見計らって素敵な一枚を撮影してみてはいかがでしょう。
パロネラパークの見どころ8「竹林」
かぐや姫でも出てきそうな竹林エリア。パロネラパークの中にまるで日本の風景のような竹林エリアが広がっています。うっそうと生い茂る竹たちの間には階段や散歩道がついていて、静かな時間が流れています。柔らかい光が差し込む竹林はどこか心落ち着く日本の原風景のよう。
パロネラパークの見どころ9「つり橋」
ミーナの滝の上にかかっているつり橋への行き方ははパロネラパークから一度出て専用の入り口から入ります。揺れをしっかりと感じることができるスリリングなつり橋でぜひおすすめです。つり橋の上からはパロネラパークのピクニックエリアが一望でき、ザ・キャッスルの姿も見えます。
パロネラパークの夜のライトアップ
パロネラパークは夜になると水力発電の電気を使ってライトアップされます。昼間とは全く違った様相を見せるパロネラパークのミーナの滝はとても幻想的で美しく、決して廃墟になった夢の跡とは思えない輝きを放ち、ぜひおすすめです。昼も夜もどちらも楽しんでみるのもおすすめ。夜はツアーを利用して回ると安心です。
ライトアップはミーナの滝だけではありません。軽食堂といわれる場所やザ・キャッスルもしっかりライトパップ。道すがらは懐中電灯を持って目当てのスポットまで行くことになります。深い森の中に浮かび上がる石造りの建物たちの美しさは格別。昼とは違った魅力をたっぷり堪能できます。こちらもやはり夜のツアーがおすすめです。
パロネロパークの営業時間と詳細
パロネラパークの営業時間は毎日9時半から19時半までです。定休日はありませんがクリスマスの日だけは営業していないようです。入場料は大人がオーストラリアドルで45ドル、学生が40ドル、5~15歳の子供が24ドルで、現在日本円にすると大人は3685円、子供は1965円です。
パロネラパークへの行き方
ラピュタの世界を彷彿とさせるパロネラパークへの行き方はとりあえずケアンズまで行きます。ケアンズまでの行き方は成田空港と関西空港から飛行機で7時間45分ほどの所要時間です。
そこからの行き方はレンタカーでアクセスするか、現地のツアーに参加するという方法しかありません。レンタカーの場合はケアンズから南に約100kmほどで、所要時間にすると90分程かかります。
パロネロパークの周辺の観光スポット
パロネラパーク周辺にはいくつか観光スポットといわれる場所があります。現地のツアーではそれらのスポットも一緒にガイドしてくれるものもあり、ケアンズ周辺をたっぷりと堪能することが可能です。朝早くからたっぷり1日かけて観光を楽しみたい時にはぜひおすすめです!行き方など調べるのが面倒な人はぜひツアーがおすすめです。
熱帯雨林に囲まれた「ミラミラの滝」
夜のライトアップもきれいなパロネラパーク近くのミラミラノ滝までの行き方は車で50分ほど。アサートン高原にあるミラミラの滝は熱帯雨林のジャングルに囲まれた落差18m程の滝壺です。駐車場からはとても近いのでお年寄りや子供でもアクセスは簡単です。豊富な水が迫力いっぱいで流れる様を近くで観ることができます。
樹の根のカーテン「カーテンフィグツリー」
夜も見ごたえのあるパロネラパークからは車で1時間ほどのところ、ケアンズとパークとの中間点に位置するカーテンフィグツリーは樹の根がまるでカーテンのように地面に垂れ下がっている樹齢500年以上のイチジクの木。別名絞め殺しのイチジクともいわれる熱帯雨林ならではの光景です。
カーテンフィグツリーが一体どうしてこのような形になったのかはカーテンフィグツリー近くにわかりやすく絵で説明した看板があります。宿主であるもともともの樹の樹皮の割れ目に落ちた種がのばした根が地面につくと木製化して幹となり太くなって力を強め次第に元の樹を絞め殺していく様子がよくわかります。
パロネラパークのツアー
パロネラパークはツアーでガイドをつけて楽しむ方法がおすすめです。JTBの提案するパロネロパークの夜のライトアップを堪能するツアーはケアンズもしくはパームコーブのホテルからケアンズ市内までをガイドしてくれるおすすめのツアーです。慣れない土地の夜は不安という方や行き方がわからないという方はぜひツアーがおすすめです。
地元でも人気のレストランでイタリアンバイキングのディナーを楽しみ、熱帯雨林に眠る幻想的な庭園と重要文化財に登録されているラピュタの世界を感じる城周辺を専門的なガイドで案内してくれます。ツアー料金は大人で約13000円ほど。天気の良い夜は星空の下でロマンティックな雰囲気に浸れると人気です。
他にも現地にはケアンズ周辺の観光も兼ねたツアーなどが沢山ありますので、気になる方はチェックしてみてください。
ケアンズでパロネラパークを満喫
いかがでしたでしょうか。ケアンズのパロネラパークはラピュタの世界観が広がる夢のようなテーマパーク。ジブリ好きにはたまらないスポットです。ケアンズからの行き方も難しくなく、ツアーなどもあるのでぜひ出かけてみてください。ケアンズ観光の一つのスポットとしておすすめです!一人の男の夢の形を存分に味わってみてはいかがでしょう。
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