この記事の目次
京都・十輪寺へ行こう!御朱印やアクセス方法もご紹介
京都市・西京区の郊外に位置している「十輪寺」(じゅうりんじ)は、別名「なりひら寺」と言われています。在原業平にゆかりがあるためです。
十輪寺は、景色も良く、見どころの多いお寺です。アクセスが少々不便なので、観光客が少なめの、穴場の観光スポットと言われています。そこで、十輪寺の御朱印やアクセス、見どころや歴史なども合わせてご紹介します。
京都・十輪寺の歴史
十輪寺は、850年(嘉祥3年)に創建されました。文徳天皇の女御が染殿皇后が安産祈願のために創建されたのが始まりと言われています。ここから、十輪寺の歴史が始まるのです。
勅願所として栄えていたのですが、1467年に起こった応仁の乱で焼失してしまいます。寛文年間に藤原定好が再び興すこととなりました。藤原常雅により、堂宇が整備されています。
本堂は、1750年(寛延2年)に再建されて、屋根が鳳輦(ほうれん)の形をしているのが特徴です。とても珍しい造りをしている事でも有名です。歴史のある本堂は、京都府指定文化財となっています。
十輪寺は、在原業平が晩年を過ごしたとのことで、のちに「業平寺」(なりひらでら)と呼ばれるようになり、歴史に名を刻んでいるのです。
京都・十輪寺は在原業平のゆかりの地
在原業平は、平安時代を代表する歌人で、恋が多かった方としても知られている歴史上の人物です。恋焦がれた女性に、素敵な歌を贈っていたと言われています。
晩年は、十輪寺に身を置き、過ごしていました。当時、貴族の間で流行っていた焼き塩を行ったとされる「塩竈旧跡」もあります。この塩釜は、元恋人に紫色の煙を上げて、変わらぬ想いを伝えたとされています。
京都・十輪寺の御本尊
十輪寺の御本尊は、最澄作・等身大の木製で、座像の御本尊「延命地蔵菩薩」です。御本尊のお腹に巻かれた腹帯を使い、染殿皇后が安産をされたと伝えられています。
そのため、「腹帯地蔵尊」とも呼ばれています。延命地蔵菩薩様は、秘仏となっており、普段はお目にかかることができません。年に1度だけ、8月23日のみ御開帳されます。
京都・十輪寺の御利益
十輪寺で授かることができるご利益は、子授けと安産です。それは、安産祈願のための建てられたことが根底にあるからでしょうか。
染殿皇后が、安産祈願に訪れ、のちの清和天皇をお産みになりました。十輪寺の御本尊様が、延命地蔵菩薩であり、腹帯地蔵尊とも呼ばれています。安産のご利益を授かることができるお寺としては、歴史が長いと言えます。
授かることができるご利益は、子授けや安産の他にもまだあります。毎年行われている歴史のある行事「塩竈清祭」で、煙に当たることで、良縁成就・芸事上達・ぼけ封じのご利益を授かることができるようです。
平安のプレイボーイとして、名が広まっている業平です。当時のモテる要素を兼ね備え、男前だったと言われている業平にあやかりたいと十輪寺を訪れています。素敵な恋人が隣にいてくれたらと願う女性も訪れています。
京都・十輪寺のなりひら信仰
業平の恋愛術などが、広まっていきました。「なりひら信仰」と呼ばれているものです。業平が持っていた恋愛術を授かれたらと、女性が訪れるようです。
業平のような恋愛術のお話は、ご住職から恋愛についての講話を聴くことができます。歴史上の人物の恋愛術に興味のある方、十輪寺に足を運んではいかがでしょうか。
京都・十輪寺は自然が多い癒しスポット
十輪寺は、多くの自然に囲まれた場所にあり、四季の移り変わりを感じられる、癒しスポットとしても有名です。春には桜、夏は濃緑や水連、秋は紅葉、冬には雪景色を楽しめます。
四季が感じられる素敵な場所でありながら、静かに境内を歩くことができる観光の穴場と言える十輪寺です。都会の喧騒から離れて、癒しを求めて来られる方も少なくないです。
四季がはっきりとしているので、一年中、四季を感じとる観光としても楽しめる十輪寺です。見どころも多くあるため、季節が変わるたびに、違う十輪寺の景色を眺めに訪れる方も少なくないです。
パワースポットや大きな寺社は、観光地化になってしまっていることも多いですが、こちらで静かに自分と向き合うのも良さそうです。観光として来るには、少々アクセスが悪いのですが、観光客が少ないので、静かに過ごせるのが魅力です。
京都・十輪寺のなりひら桜
十輪寺の境内には、樹齢200年を超える、立派な大樹が経っています。それは、大きな桜の樹で、別名「なりひら桜」と呼ばれています。なりひら桜は大きなしだれ桜で、毎年、美しい桜の花を咲かせています。
なりひら桜は、「そうだ、京都に行こう」(2014年)のキャンペーンに起用されていました。なりひら桜は、3月下旬から4月上旬に見頃を迎え、訪れた方の目を楽しませてくれます。なりひら桜は、十輪寺の見どころのひとつです。
なりひら桜を見ていると、次から次と花を咲かせるような感覚を覚えます。ずっと眺めていたくなるような立派な桜は、「天蓋の桜」とも呼ばれています。
4月も中旬を過ぎると、ピンク色の桜が終わりをつげ、葉桜となります。葉桜になっても、存在感は抜群です。葉が風に揺れる音を静かに楽しむのも良いでしょう。なりひら桜は、十輪寺の見どころのひとつです。
京都・十輪寺の独特の花見スタイル
なりひら桜が咲く場所は、「三方普感の庭」(さんぽうふかんのにわ)と呼ばれている場所です。ここで桜を見るには、いくつかの楽しみ方があります。
「立って見る」・「座って見る」・「寝てみる」と、3通りの見方ができるのです。それぞれの見方で桜を眺めると、桜の感じ方が変わって見えます。
天蓋の桜とも呼ばれているなりひら桜を眺めるためには、「寝て見る」が一番良さそうです。お行儀は一番悪いのですが、桜が空を覆うような、不思議な感覚を味わうことができるのです。
この地で長い歴史を歩んできたなりひら桜は、毎年、勢いを感じさせる桜を見せてきたのですが、時には、その勢いが落ち着いていたこともあったようです。なりひら桜は、人の生きる歩みを感じさせるような桜ではないでしょうか。
京都・十輪寺のなりひら紅葉
十輪寺は、なりひら寺と言われるだけあって、なりひらにゆかりのある物がいくつもあります。なりひら桜だけではなく、「なりひら紅葉」(なりひらもみじ)と言う、立派な紅葉の樹があります。
なりひら桜と同様に、十輪寺の見どころのひとつであります。夏が終わり、秋が深まる時期には、少しずつ葉の色がオレンジや深紅に染まっていきます。
なりひら紅葉は、大きな樹で、青々とした葉が茂っています。この紅葉の葉は、11月23日に行われる塩竈祭で天ぷらに姿を変えて、振る舞われるとのことです。
大きな紅葉の樹を眺めつつ、なりひらに想いを馳せ、歴史の長い紅葉の葉を食すのです。一般的なお寺では経験することができないので、塩竈祭に予定を合わせて、大樹を眺めるのも良いものです。
京都・十輪寺の御朱印
十輪寺では、御朱印を頂くことができます。御朱印を頂ける場所は、「拝観受付」となっております。拝観受付の場所は、入口の門をくぐったすぐ先にあるので、分かりやすいです。
拝観受付が開いている時間は、9時から17時までとなっています。十輪寺の御朱印は、限定のかかった御朱印やコラボ御朱印など、特徴のある御朱印が多く、人気を集めています。
限定やコラボしている御朱印を頂くのであれば、オフィシャルブログをチェックして、確認をするのも良いでしょう。御朱印に関するお知らせが掲載されています。
十輪寺の御朱印の初穂料は、300円となっています。1年間にいくつもの御朱印を取り扱い、枚数が限定されているものも多くあります。素敵な御朱印を頂くことができるので、目が離せないです。
京都・十輪寺の限定御朱印
十輪寺の御朱印は、毎月、違う御朱印が用意されており、特に女性の注目を集めています。見開きになったものや、他のお寺とのコラボレーションなど、特別な御朱印が多くあります。
季節に合わせてご授与頂ける、季節の御朱印もあります。毎月、拝観に足を運びたくなります。書いて頂ける方によって、味のある御朱印を楽しめるのが魅力です。
十輪寺で頂ける特別御朱印の中には、「大文字・パノラマ御朱印」があります。こちらは、お盆に向けた送り火御朱印で、五山が3枚の御朱印に散りばめられたものです。
かなりインパクトのある御朱印です。パノラマになっている御朱印ですが、1枚からでもご授与頂けます。お好みに合わせて、御朱印をご授与頂いてはいかがでしょうか。
季節の移り変わりを感じることができる御朱印も人気があります。オフィシャルブログを見ると、ご授与頂くことができる御朱印が案内されるので、十輪寺にお出かけになる前にご覧になってはいかがでしょうか。
ちなみに、ホタルの御朱印は、あじさいの季節に合わせて用意しているようです。日本の季節を感じさせるような、時期に合わせた御朱印をご授与頂きたい方は、お早めに!
京都・十輪寺の御朱印は桜の移り変わり
十輪寺には「ピンクの御朱印」と言われている御朱印があります。こちらは、3月の限定御朱印で、桜の御朱印です。台紙がピンクで、春の訪れを感じさせる御朱印となっています。
桜の季節を感じさせる「初桜」、咲き乱れる桜を表すような「なりひら桜」、桜の終わりを告げるような「散桜」の3枚の御朱印です。思わず、3枚とも揃えてしまいたくなります。
桜の御朱印は、毎年、デザインが変わっています。次の年になると、桜のデザインが変わり、再び春の訪れを感じることができる御朱印に出会えます。
こちらは、昨年(平成29年)の御朱印で、今年のデザインと違うことが分かります。御朱印の枚数が限定されているため、手中に収めることができなかった時は、来春まで待つしかないのです。
京都・十輪寺の行事
毎年、5月28日に執り行われるのが、「業平忌」(なりひらき)で、業平の命日に法要をするのです。十輪寺の伝統である、三弦による声明法式で法要を営みます。他にも、一弦琴や邦舞、朗詠、献花などが行われます。
業平は、歌人だったため、多くの俳人や歌人が足を運びます。業平と切っても切れないカキツバタを使った活花供養も行われます。カキツバタと言う文字を使って、各区の頭に文字を置いて、歌を詠んだと言われています。業平忌は、歴史の長さを感じさせる法要です。
もうひとつ、大きな行事があります。それは、「塩竈清祭」で、毎年、11月23日に行われています。業平が大原野神社に参拝した藤原高子へ、変わらぬ想いを紫煙を使って伝えたと言われている故事があることに因んでいる行事です。
塩竈の前で三弦に合わせて読経が行われたのち、塩釜にはお清めの火が入れられます。塩竈清祭は、業平を偲んで行われる行事です。業平の大切にしていた想いを馳せるのも良いでしょう。
京都・十輪寺の見どころはいくつも
十輪寺は、大きなお寺ではありませんが、業平にゆかりのある場所や物が多くあります。平安のプレイボーイと言われた業平の恋のご利益にあやかりたいと、女性が多く訪れています。
十輪寺の見どころとして、行っておきたい場所をピックアップしました。業平にゆかりのある場所を見ながら、時の流れを感じるのも良いのではないでしょうか。
十輪寺の見どころ1:大樟樹
十輪寺は自然が多い場所なので、見どころはいくつもあります。本堂前の近くには、大樟樹と言う、樹齢800年の立派な大樹があります。この大樹には、言い伝えがあります。
地蔵菩薩の神通力で、一夜で大樹になったと言われています。十輪寺の御本尊は、樟(くすのき)で出来ていることもあり、御本尊の分身と言われています。願掛け樟と呼ばれ、御神木とされています。
十輪寺の見どころ2:不迷鐘
樟のすぐそばには、業平紅楓の木があるので、秋は、美しい紅葉を楽しむことができます。他の見どころは、本堂の側にある鐘です。不迷鐘(まよわずのかね)と呼ばれています。
この不迷鐘は、何か迷っている時や決められないことがある時に鳴らすと、良いと言われています。決心か着くきっかけになるのではないでしょうか。
十輪寺の見どころ3:塩がまの旧跡
十輪寺の裏側にある山には、「塩がまの旧跡」(復元されたもの)があります。業平の恋仲にあった藤原高子に、気持ちを伝えるために、使ったとされる塩竈跡があります。塩竈で塩を焼くことで煙を出して、煙に変わらぬ想いを託したと言われています。
大原野神社に参拝した藤原高子に伝わったのでしょうか。塩竈で塩を焼いて紫の煙を楽しむのは、平安時代の楽しみのひとつと言われています。塩竈の旧跡への移動中に業平のお墓があります。
京都・十輪寺には業平のお墓がある
十輪寺の裏手にある、塩釜旧跡へ向かう途中に、「在原業平卿の墓」があります。本堂を右手にして参道を上がっていくと、上を見上げるほどの竹の子があります。その後ろにある、「宝篋院塔」が業平のお墓です。
こぢんまりとした大きさなので、見逃してしまいそうです。歴史に名を残した人物が静かに眠るこの場所は、恋愛成就のご利益があるとされており、多くの女性が足を運んでいます。
京都・十輪寺の基本情報など
十輪寺の基本情報です。十輪寺の拝観時間は、9時から17時までとなっております。定休日など決まった休みはありませんが、法要の行事のある日など、臨時で休業する場合もあります。拝観料は400円となっています。
特別の説明や法話をお聞きになりたい方は、予約をすることで三弦説法を聞くことができます。外国語対応は、英語の説明があります。
お話をお聞きになりたい方は、電話でお問い合わせをしてはいかがでしょうか。人生相談も受けて頂けるようなので、お話をされたい方は、一度、お問い合わせをおすすめします。
十輪寺の入り口は、石段がありますので、バリアフリーの状態ではありません。そのため、車椅子を利用されている方だと、拝観が難しい状況です。お手洗いもバリアフリー化がされていないようです。
住所 | 京都府京都市西京区大原野小塩町481 |
電話番号 | 075-331-0154 |
京都・十輪寺へのアクセス
十輪寺へのアクセスです。十輪寺は、自然に囲まれた場所にあるので、少々交通に不便を感じることがありますので、車でアクセスされる方が多いです。
しかし、桜が咲くピークの花見の決まった期間だけ、公共機関を使った方が良い場合があります。駐車場が使えませんので、車でのアクセス方法と公共機関を使ったアクセス方法をご紹介します。
車を使ったアクセス
京都駅からのアクセスです。烏丸通りを通り、九条烏丸通へ出て右折します。右折したのち、直進します。国道1号線から171号線へ葛野大路九条を左折します。
のちに、石原を右折し、久世橋東詰めを直進し、久世橋西詰へ出ます。そのまま直進し、境谷大橋東詰めを左折し、直進、その先の交差点を右折、竹の里公園手前を左折し、ヤマト運輸を通り過ぎ、宇ノ山交差点を右折します。
京都大原野灰郵便局を通り過ぎた後、交差点を左折、直進したのちに出るT字路を左折し、直進します。喫茶花SATOを通り過ぎ、T字路を右折して直進していくと、右側に十輪寺が見えてきます。
京都駅からのアクセスの場合は、移動時間40分前後、移動距離は13kmほど移動します。この距離を、タクシーを使ってアクセスすると、料金は4500円前後になりますが、道路状況により変動があります。
公共機関を使ったアクセス
公共機関を利用するには、バスでのアクセスになります。バスでのアクセスでは2回乗り換えをします。京阪京都交通2・京都駅前から亀岡駅前行きに乗車します。
国道沓掛(こくどう・くつかけ)で下車し、京阪京都交通13・長峰-桂駅東口・長峰駅(京都府)行きに乗車し、入方で下車します。その後、阪急バス66善峯寺行きに乗り換え、小塩で下車します。
短い移動時間で済むのは、阪急東向日駅からのアクセスで、阪急バス66系統で、移動すること20分ほど、小塩十輪寺前で下車します。その後、徒歩で1分ほど移動します。
曜日や時間帯によっては、1時間に1本、あるいは、数時間に1本のダイヤがあります。そのため、時間帯によっては、移動に時間が必要になる場合もあります。ダイヤを見ながら移動することになるので、事前にバスのルート検索をおすすめします。
京都・十輪寺の駐車場情報
十輪寺の駐車場は、バスが1台と自家用車15台の駐車スペースがあります。こちらの駐車場は無料で利用することができます。
十輪寺の駐車場は、いつでも利用することができます。時々、駐車場の利用ができない時もあります。お花見のピークになる頃です。
寺院の前の道路での車の乗降もできなくなるので、お気を付け下さい。花見のピークになる頃なので、お出かけになる前に十輪寺へ確認をおすすめします。
十輪寺の周辺には、有料駐車場がありません。有料駐車場があっても、2km以上先にあり、小さなお子さんを連れている方や足腰の悪い方では厳しい状況です。
京都・十輪寺の周辺の観光
十輪寺を訪れた際に周辺の観光されるのも良さそうです。十輪寺の周辺は、寺社が多くあります。寺社や歴史などがお好みの方におすすめの観光スポットです。十輪寺から1kmほど離れた場所には、藤原高子が参拝された大原野神社があります。
十輪寺の周辺は、大原野森林公園や西山キャンプ場など、自然を楽しむことができる場所が多くあります。自然や京都観光を楽しみつつ、寺社巡りもよいものです。寺社巡りや観光をするには、アクセスが難しい場所もあるので、車で移動がおすすめです。
京都・十輪寺は見どころが多い素敵なお寺
京都・十輪寺をご紹介しました。多くの自然に囲まれた十輪寺は、四季の移り変わりを楽しめる、素敵な観光スポットです。在原業平が晩年を過ごした場所としてよく知られ、恋人に想いを伝えたとされる塩釜旧跡もあります。
御朱印がいくつもあり、限定御朱印が注目されています。観光するのも良いですが、自然を感じながら、十輪寺の歴史や業平に想いを馳せるのもいいものです。見どころがいくつもある十輪寺へ、一度、足を運んではいかがでしょうか。
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