吉野山の桜の見頃情報！千本桜へのアクセス・周辺ランチもご紹介

吉野山は奈良県の中央部、吉野町にある大峯連山の南北に約8km続く尾根一帯です。古くから修験道の霊場としても知られ、総本山は「金剛峰寺」、桜は「ご神木」なのです。見頃の時期には山の稜線に沿って山桜が覆う様子はまさに「千本桜」の名にふさわしい光景です。その吉野山の桜の見頃や開花の様子、アクセスなどをご紹介していきます。

2004年に奈良県の吉野山全体を含む「紀伊山地の霊場と参詣道」が、ユネスコの世界遺産に認定されています。つまり奈良県吉野山にアクセスすると、尾根から尾根へと続く可憐な山桜だけでなく吉野水分神社・金峰神社・金峯山寺・吉水神社など世界遺産の建造物を周ることができることも魅力です。

奈良県吉野山の桜は下・中・上・奥と呼ばれるの4箇所のエリアに密集していることから、各エリアを下千本（しもせんぼん）、中千本（なかせんぼん）、上千本（かみせんぼん）、奥千本（おくせんぼん）と呼んでいます。高低差があることから桜の見頃が異なるため注意が必要です。

毎年4月初旬から下旬にかけて、下→中→上→奥という順番で、山下から山上へ順に開花していきます。そのため長く見頃が楽しめるのが吉野山です。毎年、開花予想も４ヶ所のエリア毎に発表されています。見頃が異なるだけではなく、エリア毎の異なる見どころも楽しみです。特に最も名所と言われているのが中千本エリアの吉水神社から観る「一目千本」です。

奈良県吉野山へのアクセスは、ぜひ公共交通機関で行きましょう。大阪からは近鉄特急にて約1時間15分です。近鉄吉野線の吉野駅（終点）下車後、吉野山駅で下車すると駅周辺が下千本です。上千本、奥千本へはケーブルバスを利用できます。名所や展望所、寺院などでは必ず停留所がありますし、桜シーズンの増便も便利です。

優雅で上質な花見旅にしたい方におすすめのアクセス方法が近鉄特急「青の交響曲(シンフォニー)」。大阪阿倍野橋駅～吉野駅間を1日2往復する特別な観光特急です。紺色のボディにゴールドのライン、吉野山の木々や草花を象徴するデザインで吉野山に到着する前から気分が盛り上がります。素敵な旅時間が約束されますね。

「青の交響曲(シンフォニー)」の楽しみは奈良の名店や酒蔵、ワイナリーの品々や軽食にスイーツ、もちろんアルコールなどもある30種類を超えるメニューを揃えていること。例えば2017年春季限定では｢伊勢志摩サミット｣でデザートを担当した｢赤崎 哲朗氏｣考案のオリジナルケーキセット等が提供されました。

車では吉野山の下千本まで行く事が出来ますが、周辺に駐車場が少ないことから、桜シーズンは交通規制がかかり非常に混雑しますので、アクセスは公共交通機関がおすすめです。吉野山観光駐車場（約400台駐車可）がありますが、そこから中千本公園までのシャトルバスがあります。

近鉄吉野駅降りてから吉野山の入口付近から下千本で標高約230ｍ～350ｍです。参考までに、2017年の開花状況は開花日が4月 6日、満開日が4月12日です。見どころは「下千本展望所」や「お野立ち跡」から見る桜風景です。

吉野山のシンボルとも言われる世界遺産、金峯山寺（きんぷせんじ）蔵王堂にもぜひ訪れましょう。木造古建築では東大寺大仏殿に次ぐ大きさとなり、堂内の自然木を使った68本の柱の様子が壮観です。高さ7mもの巨像が本尊の蔵王権現が厨子に納められています。

下千本に続く標高約350ｍ～370ｍ付近が中千本エリアです。参考までに、2017年の開花状況は開花日が4月 7日、満開日が4月14日です。このエリアの見どころは吉水神社からの桜景色で「一目千本桜」と呼ばれ、吉野山を代表する桜スポットです。他には東南院のシダレザクラや如意輪寺周辺の桜もおすすめです。

標高約370ｍ～600ｍ付近が上千本エリアで眺めは大パノラマ。吉野の桜風景が想う存分満喫できるエリアです。参考までに、2017年の開花状況は開花日が4月10日、満開日が4月16日です。見どころは標高600ｍ付近の花矢倉展望台で、遠く大阪も見え桜吹雪も美しい絶景スポットです。他には龍王神社や滝桜もおすすめです。

標高約600ｍ～750ｍ付近が奥千本エリアで、実は桜はそれほど多くはありません。ひっそりとした佇まいの山桜がわびさびといった風情です。参考までに、2017年の開花状況は開花日が4月16日、満開日が4月21日です。見どころは世界遺産の金峯神社がある付近や高城山展望台からの眺めが絶景です。

吉野山の桜が満開に咲いているのを見たい場合は、各エリアの開花が重なる４月中旬あたりを狙いましょう。もちろん、毎年出る開花予報を参考に計画をたてて訪れましょう。タイミングがあえば荘厳で華麗で、そして、幻想的な桜景色を堪能できます。また、吉野山では「夜桜」のライトアップも行われており、あたりは昼間とはまた違った雰囲気に包まれます。

奈良名物の「柿の葉寿司」を吉野山散策のお供にするのは、奈良ならではの楽しみですね。柿の葉寿司は、鯖や鮭などの魚を塩でしめた後、酢めしの上にのせ押した、押し寿司です。葉に包まれいるので、持ちやすく食べやすいですし、お土産にもぴったりです。

吉野山駅周辺や参道沿い、中千本エリアには屋台やお食事処、お土産屋さんなどが並びます。散策しながらの「焼きたけのこ」や味の浸みた「玉こんにゃく」も美味しいです。小腹を満たして元気をつけて、また散策開始ですね。

下千本エリアにある創業200余年の老舗「旅館 歌藤(かとう)」は和菓子屋さんも兼ねて店先で「葛餅」やお団子を販売しています。吉野名物の吉野葛の葛餅がカップに入っていて食べやすい。ついつい買ってしまいます。

吉野山ではソフトクリームを販売しているお店も多いです。吉野山の観光ソフトクリームですね。さくらソフトによもぎソフトにミックスも。吉野駅近くの「近藤商店」ではさくらソフトの他に山桜ようかんも人気です。吉野ならではの美味しいスイーツをぜひお土産にしてはいかがでしょうか。

魚歌家（さかなかや）は吉野駅からロープウェイに乗り換え徒歩約15分のところ、急な坂道の途中にあるカフェ兼食事処。天然鹿肉のロースカツなどのジビエメニューやスイーツメニューも豊富でほっこりできる場所です。ランチだけでなく、吉野山散策途中に立ち寄り吉野名物、吉野葛の葛もちを黒蜜をかけて頂いても疲れを癒しても良いですね。

吉野山散策途中でのランチは中千本のエリアがおすすめで「静亭」もその中の一店。葛うどんと柿の葉寿司が一緒になった定食が人気です。店内はテーブル席と座敷席があり、大きな窓から吉野山と見頃の桜を眺めながらのランチは疲れがふきとびます。静亭はゲストハウスも営んでいます。

和風モダンな雰囲気の店内で、出来たての豆腐を使ったメニューを頂けるのが中千本エリアにある「豆腐茶屋 林」です。豆腐ハンバーグ御前もボリュームたっぷり。デザートに豆乳ソフトクリームも頂けます。

ケーブル吉野山駅から徒歩10分の所にあるお食事処が「うぐいす」です。テーブル席と小上がり席があり、眺望も良く落ち着く雰囲気の店内です。食事メニューの柿の葉寿司を頂きます。柿の葉寿司は販売もしていて、席が空いていれば購入した柿の葉寿司を店内で頂けます。

吉野山に絶品と評判の塩ラーメンを提供するラーメン屋さんが、「ラーメン河」。鶏ベースのあっさりとした塩ラーメンとマグロ丼のセットがおすすめです。ぶ厚い煮豚が二切れと鶏胸肉のそぎ切り入りでボリュームにも満足です。スープは全部飲み干す人も多いそう。店舗は分かりづらく、69号線で吉野川を渡り、「宮滝大橋南詰」交差点を南へ、黄色いラーメンののぼりが見える角を右折で川沿いを400mほど進みます。

奈良県吉野山の上千本や奥千本では手作りの花見弁当を持ってきて思い思いに楽しむ方も多いようです。吉野駅周辺や中千本のお店で名産品を購入して広げても頂くのも良いですね。リピーターならではの楽しみ方です。

かつては豊臣秀吉が花見に来たという吉野山は、桜の時期だけでなくアジサイ、紅葉、雪景色など四季それぞれの景色も美しい場所です。桜は今も毎年植樹され、増え続けている吉野山の桜。儚げで可憐な山桜の様子と、世界遺産に登録された神社、仏閣を巡る花見をぜひ一度体験してみてはいかがでしょうか。