犬鳴峠は恐ろしい心霊スポット！旧犬鳴トンネルは現在通行止め？

福岡県に有名な心霊スポットがあります。その名も犬鳴峠。心霊マニアの間では有名な場所で「心霊写真が撮れる」、「日本国憲法が通じない村」、「交通事故に遭う」と様々な噂があります。閉鎖された旧トンネルに加え、過去に凄惨な事件が起こっていることもあり、怖いもの見たさの肝試し目的で訪れる若者が今も絶えない、犬鳴峠についてご紹介します。

テレビ番組の心霊特集にも取り上げられるほど、様々な不穏な噂がある犬鳴峠とは、一体どんな場所なのでしょうか。あまりにも有名になり、一時は観光地の如く、昼夜問わず怖いもの見たさで犬鳴峠を訪れる若者が多くいました。訪れた人々が語る不可思議な恐怖体験談は後を絶たず、「本当に怖いのでおすすめしない」という意見もあります。

心霊スポットと呼ばれる場所には、理由となるいわくつきの場所や体験談、それらから派生したまことしやかな噂があるものです。犬鳴峠に関しては、特に多くの恐怖体験談が寄せられ、そこで起こる不可思議な現象の噂は地元福岡だけでなく、全国的にも有名となっていて、今では犬鳴峠は、日本を代表する心霊スポットとなっています。

単なる噂だけならここまで有名にならなかったかもしれません。犬鳴峠が有名になった背景には、その噂を裏付けるような恐怖体験談が多いことや、不可解なものが写り込んだ写真、発生する事故、過去に起こった凄惨な事件があります。

犬鳴峠では噂から派生した話や、ネット上の作り話ではなく、実際にいくつか事件が起こっています。旧道を進んだ先にあり、人目につきにくいという理由から、身勝手な犯行の場に使われてしまいました。その事実が、余計に犬鳴峠の怖い噂に拍車をかけることとなりました。

事故に関して言えば、1992年6月28日に北九州で少年10人が乗った自動車が電柱に激突、2001年2月10日には国道202号線で男性5人が乗った軽自動車と2tトラックが正面衝突するという事故が起こりました。どちらも犬鳴峠に行った帰りに事故に遭っています。

本物の心霊現象によって引き起こされた事故なのかどうかは分かりませんが、怖いもの見たさで犬鳴峠を訪れた人々が、犬鳴峠からの帰りに度々事故を起こしています。

犬鳴峠にはトンネルがありますが、現在通行可能なトンネルは新犬鳴トンネルで、元々使われていた旧犬鳴トンネルはブロックで塞がれ、通行不可能の状態です。

旧犬鳴トンネルは、地面を掘る際に周囲の土の崩壊を防ぐ工事を行わず、そのまま掘り進めた「素掘りトンネル」の為、崩落の危険を考えて入口を塞ぎ、通行止めが行われています。

旧犬鳴トンネルへ続く旧道はフェンスで通行止めされていますが、登山者の為、犬鳴ダム側のフェンスからは徒歩での通行は可能の状態となっています。トンネル反対側の出入り口は完全に通行止めされていて、赤外線カメラで監視されている為、侵入はできません。

通行止めがされているにもかかわらず、過去には心霊現象を確かめようと、怖いもの見たさで旧犬鳴トンネル内に侵入した若者たちもいましたが、現在はブロックで完全に塞がれていて、立ち入ることはできません。

犬鳴峠の噂や写真はネット上に溢れています。それを見て、犬鳴峠に興味を持ち、実際に行ってみたいと思う人もいるかもしれません。通行止めになっている旧犬鳴トンネルに立ち入ることはできませんが、犬鳴峠自体は今も地元民が利用する道である為、犬鳴峠に行くことは可能です。

犬鳴峠は福岡県若宮市と福岡県粕屋郡久山町との境を跨いでいる峠です。若宮市の西端部、久山町の東端部に当たり、峠の北側に犬鳴山があることから、犬鳴峠という名になりました。

北九州市や直方市から福岡市への近道として利用されることや、若宮市にトヨタ自動車の宮田工場があることから、交通量は非常に多く、深夜でも大型トラックやダンプカーの通行も多く、新犬鳴トンネルの両端出口には路線バスの停留所もあります。

元々はヘアピンカーブが連続し、狭いトンネルをくぐる交通の難所とされていましたが、1975年に新犬鳴トンネルが開通された後は道幅も広がりました。周辺は山間部とあって、悪天候の影響で通行止めになることもあります。

犬鳴峠や新犬鳴トンネル、そして旧犬鳴トンネルへの行き方についてご紹介します。犬鳴峠は福岡市と直方市を結ぶ福岡県道21号福岡直方線が通っているので、福岡県道21号福岡直方線を走れば犬鳴峠へ及び新犬鳴トンネルを通ることができます。

旧犬鳴トンネルは新犬鳴トンネルの脇にある旧道を進んだ先にありますが、車1台進むのがやっとの細い道で、陥没している部分もある為、車が通れないようフェンスで通行止めされています。新犬鳴トンネル付近に駐車できる場所がない為、旧犬鳴トンネルへ行く場合は、同じく福岡県道21号福岡直方線を走り、まず「犬鳴ダム」を目指して下さい。

犬鳴ダムの駐車場に車を停め、そこから徒歩で新犬鳴トンネルへ向かいます。旧犬鳴トンネルへ続く旧道はフェンスで通行止めされていますが、徒歩での通行は可能ですので、徒歩で旧犬鳴トンネルへ向かいます。ダムの駐車場から徒歩で約15分程です。

犬鳴峠が心霊スポットと紹介してきましたが、犬鳴峠自体は路線バスも通る、ごく普通の道です。本当に怖いとされる心霊スポットは、旧犬鳴トンネルです。旧犬鳴トンネルは正式名称を「犬鳴隧道」（いぬなきずいどう）と言い、旧道を進むと開通記念の石碑があり、その右側に旧犬鳴トンネルがあります。

又、旧犬鳴トンネルの付近にあったとされる「犬鳴村」に関する不気味な噂もたくさんあり、犬鳴峠の怖いとされる噂の中には、犬鳴村に関する噂も混同しているようです。

犬鳴峠に関する噂にはどのようなものがあるのか、有名な噂をいくつかご紹介します。前項でも触れましたが、犬鳴峠の噂の中には、旧犬鳴トンネル付近にあったとされる犬鳴村の噂も混ざっています。

「旧犬鳴トンネル近くに法治が及ばない恐ろしい集落があり、そこに立ち入った者は生きては戻れない」という都市伝説があり、その集落こそが犬鳴村であるとされています。

犬鳴峠を調べていると、必ず目にするのが「犬鳴村」の名前です。噂では旧犬鳴トンネルの近くにあったとされますが、現在発行されている日本地図に「犬鳴村」は記載されていません。

又、犬鳴村は行政記録にも残っていません。犬鳴ダムがある場所に、かつて「犬鳴谷村」という集落が実在し、周辺の村との合併を経た後、ダム建設により集落の中心部は湖底に沈んだことから、犬鳴谷村を犬鳴村と勘違いしている人もいますが、全く関係はありません。

そうなると犬鳴村は存在しない架空の村と考えるのが筋ですが、犬鳴村の存在を肯定するようなまことしやかな噂は多く、犬鳴村は「過去に存在したが全ての記録が抹消された隠れ村」と思っている人も多くいます。

犬鳴峠にある犬鳴村は日本国憲法が通じない場所であるとされています。集落の入口に「この先日本国憲法は通じません」という看板があり、警察も介入できない、入ったら二度と出ることができないという噂があります。

犬鳴村で法治が及ばない理由に関しては諸説あり、江戸時代から被差別地域で迫害の為に外部との接触を断ち、自給自足していた「被差別地域説」、ハンセン氏病や他の感染病患者の隔離場所が集落化し、伝染を恐れ怪談を作り、近寄らないようにしたとされる「伝染病患者隔離村説」、警察や国家権力が介入できない「避け地説」等があります。

他にも、犬鳴村の広場の先にある小屋には頭蓋骨が積まれている、村人は異常に足が速く、村に立ち入ると斧を持って駆けつけてくるといった信じられない噂もあります。

真夜中、真っ暗な旧道を進んだ先にある旧犬鳴トンネルを前に携帯電話が圏外表示されたら、誰もが怖いと思うはずです。

犬鳴峠では、全てのメーカーの携帯電話が圏外表示され、使用できなくなると言います。峠のトンネルという場所とあって、この噂に関しては納得できます。

携帯電話が圏外になる件に関連した噂では、犬鳴峠にある電話ボックスに幽霊がいて心霊写真が撮れる、近くのコンビニの公衆電話からは警察に通じない等があります。

犬鳴峠に怖いもの見たさで訪れた人たちが実際に体験した不可思議な心霊現象をご紹介します。犬鳴峠では都市伝説のような噂だけでなく、本当に心霊現象が起こっているという声が多く、過去には霊能力者の冝保愛子さんがテレビ番組の収録で犬鳴峠を訪れた際、「ここは本当に怖いからやめた方がいい」と言い、収録が中止されたこともありました。

又、怪談ツアーまで行っている稲川淳二さんも、犬鳴峠には二度と行きたくないと語っています。

行けば必ず何かが起こる、必ず心霊写真が撮れるとも言われている犬鳴峠には、一体何があるというのでしょうか。

犬鳴峠では、若い女性の霊の目撃談が多数あります。最も多いのが、真夜中の電話ボックスに若い女性がいるというものです。この電話ボックスは心霊写真が撮れる場所としても有名で、若い女性の霊が写っている写真も撮られたことがあるようです。

その他にも、真夜中に車で犬鳴峠を走ると後部座席に若い女性の霊が乗り込んできた、通行止めされているはずの旧犬鳴トンネルの中から若い女性の声が聞こえたといった体験談もあります。

犬鳴という地名の由来にも諸説あり、中でも有名なのは、山で犬を連れて猟をしていた猟師が、犬が激しく吠えた為、猟にならないと犬を撃ち殺したところ、大蛇が姿を現し、危険を伝えようとした犬を撃ち殺してしまったことを後悔した猟師は僧になり、山に犬の慰霊塔を建てたことから犬鳴となったとされるものです。

その説と関係あるのかは分かりませんが、真夜中に犬鳴峠を車で走っていると、まるで並走しているかのような近さで犬の鳴き声や息遣いが聞こえるという体験談もあります。

麓の信号待ちをしている際に、犬が闇に溶け込む様に消えていくのを見たという目撃談もあります。

若い女性の霊が出るという犬鳴峠の電話ボックスには、2体の霊がいるとされています。高い確率で心霊写真が撮れるだけでなく、テレビ番組では電話ボックスの中でしゃがみこんでいる霊の姿が収められたビデオ映像が放送されたこともあります。

必ず心霊写真が撮れると聞き、犬鳴峠に行ってみようと思った人もいるかと思いますが、残念ながら犬鳴峠の電話ボックスは、現在は撤去されています。撤去された原因は定かではありませんが、霊がいる、心霊写真が撮れる、この電話ボックスから電話を掛けると不幸なことが起こるといった噂が多く、若者が集まり、悪戯が多かったことも原因とされています。

ここからは、心霊現象や噂ではなく、犬鳴峠で実際に起きた事件や事故についてご紹介します。過去に、犬鳴峠では凄惨な事件が起こっており、それも心霊スポットとしての信憑性を高めているとも言えます。

犬鳴峠で頻繁に起こるとされる不可思議な心霊現象も怖いですが、通行止めになっている旧犬鳴トンネルの中に入り込んで騒ぎを起こしたり、肝試しに訪れた人々を待ち伏せて襲う、たちの悪い一部の若者がいる為、人間が起こす事件の方がもっと怖いと言えます。

犬鳴峠では、過去に、本当に殺人事件が起こっています。ネット上に蔓延する犬鳴村の噂にまつわるものではなく、犬鳴村とは全く関係のない若者たちが起こした身勝手な犯行で、その内容と結末は目を覆いたくなるような凄惨なものです。気分を害してしまうかもしれませんが、過去に実際に起こった悲しい事件と理解し、続きを読んで下さい。

犬鳴峠で起こった殺人事件について、詳細をご紹介します。1988年12月7日、被害者であるAさん（当時20歳）の焼死体が発見されました。警察は田川地区の少年グループの犯行と断定し、監禁及び殺人の容疑で逮捕しました。

事件の経緯はあまりにも身勝手過ぎるものでした。ガールフレンドを送る為に車が必要と考えた少年グループたちは、たまたま信号待ちをしていたAさんに車を貸すよう要求し、断られた為、逆上し、暴行を加えた上に連行して監禁し、更に暴行を加えました。

発覚を恐れた少年たちは証拠隠滅を図ろうと、苅田港へ向かい、崖から突き落とそうとしましたが、通行人が来た為、犬鳴峠に場所を変え、旧犬鳴トンネルの付近で被害者の口に布を詰め、両手足を縛り、暴行を加えて動かなくなったところにガソリンをかけ、ライターで火をつけ殺害したというものです。

犬鳴峠では事故も度々起こっています。1992年6月末、北九州市で少年10人が乗った乗用車が電柱に激突し、乗っていた全員が重軽傷を負いました。彼らは心霊写真を撮ったり幽霊見物目的で犬鳴峠に行った帰りに事故に遭ったと言います。

2001年2月には国道202号線で若い男性5人が乗った軽自動車と2トントラックが正面衝突しました。若い男性の内4人が死亡、1人は重体。足に軽傷を負ったトラックの運転手によると、軽自動車が突然中央線を越えてきたとのことで、男性5人は「犬鳴峠に幽霊を観に行こう」と言って出掛けたそうです。

その他にも、犬鳴峠では度々交通事故が起こっています。峠という場所柄、冬場は積雪や路面凍結が多く、交通事故が起きやすいこともありますが、深夜に犬鳴峠を訪れた若者たちが早朝に事故を起こすことも多いそうです。

以上、福岡にある日本屈指の心霊スポット「犬鳴峠」についてご紹介しました。単なる噂に止まらず、テレビ等のメディアに取り上げられる他、心霊現象の体験談や心霊写真も多く、誰しもが口を揃えて「犬鳴峠は本物だ」と言います。

旧道で足場が悪いものありますが、今なお興味本位や悪戯目的で犬鳴峠に集まる人も多く、旧犬鳴トンネル付近には陰鬱な気が満ちている為、深夜に犬鳴峠を訪れるのはおすすめしません。又、通行止めされている旧犬鳴トンネルへの立ち入りは、危険ですので絶対にやめましょう。

興味本位で向かい、事故や事件に巻き込まれたとしても、自己責任となります。ご紹介した話を踏まえた上で、犬鳴峠へ行くかどうかは、ご自身でよく考えてから決めて下さい。