フランスに行ったら食べたい有名な食べ物をご紹介
フランス料理は世界三大料理の一つで、洗練された調理法と複雑な調味料を使うのが特徴です。完成された西洋料理として、各国の晩餐会の正式なメニューとして使われることも多くあります。
そんなフランス料理は高級でおしゃれなイメージがありますが、フランスで日常的に食べられている料理は、必ずしも高級なものではなく、手軽に味わえるものがたくさんあります。
フランスを訪れたら、まずは気軽にフランス料理が楽しめるビストロやカフェに行ってみてはいかがでしょうか。ビストロやカフェではドレスコードやマナーが厳格に求められることはなく、値段もリーズナブルです。
本記事では、スープやサラダなどの気軽に楽しめる定番料理やスイーツなど、フランスの有名な食べ物をご紹介しましょう。フランスで本場の味を堪能してください。
フランスの有名な食べ物:定番料理13選
ここからはフランスの有名な食べ物をご紹介していきます。最初にご紹介するのは、フランスの定番料理13選です。日本でもよく知られているポトフやエスカルゴの他、ムール貝ポテトなどフランスならではの有名な食べ物をご紹介します。
ポトフ
ポトフはフランスの定番家庭料理の一つで、塊のままの牛肉やソーセージ、大きくカットしたニンジン、玉ねぎ、ジャガイモ、キャベツなどを鍋に入れ、コトコトと煮込んで作ります。
味付けはシンプルで、ハーブなどの香辛料、塩、黒胡椒などが基本です。フランスではスープと具材は別にサーブするのが一般的です。ポトフのお肉は切り分け、マスタードを付けて食べます。
エスカルゴ・ブルギニョオン
エスカルゴ・ブルギニョオンは、食用カタツムリのエスカルゴ(Escargot)を使ったブルゴーニュ地方の定番料理です。
エスカルゴをハーブやワインなどを入れたスープで煮込み、殻にハーブやエシャロットなどで作る「エスカルゴバター」を詰めてオーブンで焼いて作ります。残ったソースは、バケットにしみ込ませて食べるといいでしょう。
パテ
パテ(pate)もフランスの定番料理の一つで、肉や魚を細かく刻んでペースト状にし、ハーブやお酒と合わせ、パイ生地で包んでオーブンで焼いて作ります。
フランス料理ではパテは前菜の一種で、ワインと一緒に楽しみます。最近では、パテをパイ生地に包まず、ペースト状にしたものをクラッカーやバケットに付けて食べるのが一般的です。
ガレット
日本でも人気の高いガレット(galette)は、フランスのブルターニュ地方の郷土料理です。小麦粉ではなくそば粉を使うのが定番で、そば粉の風味ともちもちとした食感があります。
ガレットは片面だけを焼き、具材を乗せた後は正方形に包みます。中でも卵やハム、チーズを乗せた「ガレット・コンプレ」は、定番ガレットとして人気があります。
キッシュ
キッシュ(quiche)はフランスのアルザス・ロレーヌ地方発祥の家庭料理で、「キッシュロレーヌ」とも呼ばれます。サクサクとしたパイ生地に濃厚な卵液のフィリングを詰めた料理で、カフェでもよく見られる人気メニューです。
カフェによってはナッツやほうれん草などを入れるなど、バリエーションが豊富です。簡単に作れるため、家庭料理としても人気があります。
ラクレット
ラクレット(raclette)はスイスおよびフランスのサヴォア地方の郷土料理です。土地の言葉で「削る」という意味の「ラクレ」に由来すると言われています。
ラクレットはチーズの切り口を熱で温め、とろりとしたら削って茹でたじゃがいもにかけて食べるシンプルな料理です。ラクレットチーズは弾力性があり、ナッツのような独特の風味があります。
アリゴ
アリゴ(aligot)はフランス中南部オーブラック地方の郷土料理の一つです。マッシュポテトをベースにチーズやニンニクなどの食材を合わせ練り上げて作る料理で、お餅のようによく伸びるのが特徴です。
フランスでは肉料理の付け合わせとして提供される定番料理で、肉や野菜にたっぷりと付けて食べます。おかわり自由というレストランも多くあります。
ラタトゥイユ
ラタトゥイユ(ratatouille)はフランス南部プロヴァンス地方の郷土料理の一つで、ズッキーニやナス、ピーマンなどの野菜をオリーブオイルで炒め、トマトやハーブと一緒に煮込んで作ります。
フランスでは肉料理や魚料理の付け合せによく使われます。そのまま食べる他、パンに付けたりパスタのソースにしたりして食べるのもおすすめです。
ブッフ・ブルギィニョン
ブッフ・ブルギィニョン(boeuf bourguignon)は牛肉を赤ワインで煮込んだ料理です。もとはフランス・ブルゴーニュ地方の家庭料理でしたが、現在では高級レストランでも提供される定番メニューとなっています。
フランスのレストランではマッシュポテトと一緒に提供されるのが一般的で、スープをマッシュポテトやバケットに付けながら食べます。
ブイヤベース
ブイヤベース(bouillabaisse)は魚介類をトマトや香味野菜で煮込んだ料理です。フランス南部の漁師たちが売れない雑魚を鍋で煮込んでいたのが始まりで、現在では高級店の定番料理にもなっています。
フランスでは魚介は別皿に取り分けて食べるのが一般的です。まずスープを味わい、スープを飲み終わった後に魚介をメイン料理としていだだきます。
ムニエル
ムニエル(meunier)はフランスの定番料理の一つで、魚に塩・胡椒で味を付け小麦粉をまぶし、バターをフライパンで焼き上げる調理法のことです。
ムニエルは鮭やカレイ、舌平目などの切り身を使うのが一般的です。中でも「ソール・ア・ラ・ムニエール」と呼ばれる舌平目のムニエルは、高級フランス料理として人気があります。白ワインと一緒に味わうといいでしょう。
ムール貝&ポテト
「ムール・フリット(Moules-frites)」というベルギーの定番料理で、ムール貝とフライドポテトをセットにしたものです。バケツ一杯にムール貝が入っている豪快な料理で、旨味がたっぷりと含まれたスープにフライドポテトを浸して食べます。
定番は白ワイン蒸しやクリーム味ですが、ムール貝専門店ではプロヴァンス風やチーズ、チョリソーなど様々な味があります。
クロック・ムッシュ
クロック・ムッシュ(croque-monsieur)は、パリ・オペラ座の近くにあるカフェで作られていたホットサンドが発祥と言われています。パンにハムとチーズを挟んでバターを溶かしたフライパンで焼き、べジャメルソースをかけたものです。
クロック・ムッシュは男性向け、目玉焼きを乗せたクロック・マダムは女性向けと言われていましたが、現在はカフェの定番メニューとなっています。
フランスの有名な食べ物:サラダ・スープ5選
続いて紹介するフランスの有名な食べ物やサラダやスープです。フランス料理はスープやサラダが豊富に揃っています。ここではニース風サラダやリヨン風サラダ、オニオンスープなどフランスの有名な食べ物をご紹介していきます。
ビスク
ビスク(bisque)は主に蟹やエビなどの甲殻類を使ったスープのことで、白ワインや生クリームを合わせた濃厚な味わいが特徴です。オレンジ色の食欲をそそるような色合いのスープで、カフェの定番メニューとして人気があります。
ビスクの名前の由来には諸説あり、フランス語で2度焼きという意味の「bisque」に由来するという説などがあります。
オニオンスープ
オニオンスープ(Soupe a l'oignon)はフランスのカフェの定番メニューで、寒い日に飲むと体が温まると人気があります。
フランスのオニオンスープは、玉ねぎをあめ色になるまで炒め、ブイヨンを注いでコトコトと煮込んで作ります。フランスのリヨンは古くから玉ねぎの一大産地で、オニオンスープはリヨン名物として知られています。
サラダニソワーズ
サラダニソワーズ(salade nicoise)は日本語で「ニース風サラダ」という意味で、文字通り南フランスのニースが発祥とされています。フランスの定番サラダの一つで、トマトやアンチョビ、ゆで卵、オリーブなどで作ります。
季節によってはそら豆やいんげん、アーティチョーク、ジャガイモなどの野菜なども使われることがあり、色鮮やかなサラダです。
サラダリヨネーズ
サラダリヨネーズ(Salade lyonnaise)はフランス・リヨンの郷土料理で、日本語では「リヨン風サラダ」と呼ばれます。
サラダリヨネーズの伝統的レシピはクルトン、ポーチドエッグ、ラルドンソテー(豚バラ肉の塩漬け)を入れます。またドレッシングにはマスタード、ワインビネガー、オリーブオイルを合わせたものを使います。
トマト・モザレラ
モザレラとは、日本では一般的にモッツァレッラチーズと呼ばれるイタリアン産のチーズのことで、クセのないあっさりとした味わいが特徴です。
トマト・モザレラは、トマトとモッツァレラチーズを交互に並べたシンプルなサラダで、ドレッシングに塩、胡椒、オリーブオイル、バルサミコビネガーなどを使います。ワインによく合い、前菜として人気があります。
フランスの有名な食べ物:スイーツ8選
ここからはフランスの有名な食べ物の中でも人気の高いスイーツをご紹介します。フランスのスイーツといえばカヌレやマカロンがよく知られていますが、その他にも様々なスイーツがあります。フランスの有名な食べ物としてぜひチェックしてみてください。
カヌレ
カヌレはフランスの伝統的なスイーツで、16世紀頃からボルドー地方の修道院で作られていました。カヌレはフランス語で「溝が付いた」という意味で、正式にはカヌレ・ド・ボルドー(Cannelé de Bordeaux)といいます。
フランスのカヌレはラム酒を効かせていて、芳醇な香りと濃厚なバターの味がわいが楽しめます。お土産にもおすすめです。
マカロン
マカロン(macaron)は日本でも人気のスイーツで、アーモンドプードル、砂糖、卵白などを混ぜて作ります。フランス発祥のスイーツと思われていますが、実はイタリアが発祥で、16世紀頃パリに持ち込まれて進化しました。
パリにはマカロンのショップがたくさんあり、定番フレーバーの他にも季節限定や珍しい素材をサンドしたものなどがあります。
マドレーヌ
マドレーヌ(madeleine)はフランス発祥のスイーツで、最初にマドレーヌを作った女の人の名前に由来します。貝殻型の焼き型を使って作るのが一般的で、材料には無塩バターや卵、砂糖、小麦粉などを使います。
豊かなバターの風味が感じられる優しい味わいのスイーツで、子供から年配の方まで幅広い年齢層で人気があります。
タルトタタン
タルトタタン(Tarte Tatin)は、19世紀後半にフランスで生まれたリンゴのスイーツです。バターと砂糖で煮詰めたリンゴを敷き詰め、タルト生地をかぶせて焼きます。焼き上がったらひっくり返し、生地部分を下にします。
昔、ソローニュ地方でホテルを営んでいたタタン姉妹が考えたスイーツと言われていて、現在もそのホテルで元祖タルトタタンを味わうことができます。
フィナンシェ
フィナンシェ(financier)とはフランス語で「金融家」という意味で、パリの金融街にあるパティスリーが発祥です。金融街で働く人が手を汚さずに食べられるスイーツとして考案され、金融街にちなんで金塊型になっています。
マドレーヌと似ていますが、フィナンシェは全卵ではなく卵白を使用し、アーモンドプードルを加えているのが特徴です。
フォンダン・オ・ショコラ
フォンダン・オ・ショコラ(fondant au chocolat)はフランスのチョコレートスイーツで、フォンダンとはフランス語で「溶ける」という意味です。約30年前にフランス人パティシエが考案しました。
ケーキの中にチョコレートソースを入れて焼いたもので、ナイフを入れると中から温かいチョコレートがとろりと溶け出します。冷たいアイスと一緒に食べるのがおすすめです。
クレームブリュレ
クレームブリュレ(creme brulee)とはフランス語で「焦がしたクリーム」という意味で、カスタードプディングの表面をバーナーなどでキャラメリゼしたスイーツです。
カスタードプディングには生クリームを使うためコクがあります。砂糖のバリバリとした食感とカスタードの甘く滑らかな食感の両方が楽しめる人気スイーツです。
モンブラン
モンブラン(Mont-blanc)はフランス語で「白い山」という意味で、アルプス山脈にあるモンブラン山をイメージしたスイーツです。
フランスのサヴォア地方の特産である栗をピューレ状にし、ホイップクリームを添えたものがルーツと言われています。パリにはモンブランの有名店が多くあり、お店によって異なった味わいのモンブランが楽しめます。
フランスの有名な食べ物:ワインに合う食べ物5選
ここからはフランスの有名な食べ物の中で、ワインによく合う料理をご紹介していきます。フランスはワイン王国とも呼ばれ、様々なタイプのワインが揃っています。有名な食べ物を味わいながら、フランスの美味しいワインを楽しんでください。
フォアグラ
フォアグラ(Foie Gras)は世界三大珍味の一つで、ガチョウやアヒルの肝臓を調理したものです。滑らかで舌の上でとろけるような食感があり、レバーのような濃厚な味が楽しめます。
フォアグラはフランスでも高級食材で、家庭ではなかなか手に入れることができません。赤ワインによく合い、パテやステーキなど様々な食べ方ができます。
コンフィ
コンフィ(confit)とは、食材を低温の油でじっくりと煮て作った料理のことです。コンフィはフランス語で「保存する」という意味のコンフィル(confire)に由来し、保存食としても使われます。
コンフィは牡蠣やサンマ、レバー、そら豆、じゃがいもなど様々な食材で作ることができます。ワインによく合い、おつまみとしてもおすすめです。
マリネ
マリネ(mariner)はフランス料理の調理法の一つで、材料を調理液に漬け込む料理のことです。肉や魚などを漬け込むことで臭みがなくなり、柔らかく仕上がります。
マリネにはサーモンやニシンなどの魚、肉、タコやエビなどの魚介、トマトやレタスなどの野菜など様々な食材が使われます。ワインによく合う料理としておすすめです。
ジビエ
ジビエ(gibier)とは狩猟で得た野生動物の食肉を意味するフランス語で、野ウサギ、シカ、タヌキ、鴨、ハトなどがあります。
ヨーロッパでは、ジビエは貴族の伝統料理として発展し、現在でもフランスでは高級食材として人気があります。ジビエはワインによく合う料理で、ワインとのマリアージュが楽しめます。
フレンチチーズ
フランスではチーズのことをフローマージュと呼び、フランス料理には欠かせない存在となっています。食前やメインの後の口直しの他、フランスではデザートとしてチーズが出されます。
またチーズに欠かせないのがワインで、赤ワインと一緒に楽しみます。フランスでは400種類以上のチーズが作られていて、自分の好きなチーズを探すのもおすすめです。
《番外編》日本ではマイナーなフランスの有名な食べ物6選
ここからは番外編として、フランスでは有名な食べ物でも日本ではあまり知られていない料理をご紹介します。スイーツやスープ、肉料理などがありますので、旅行中に見かけたらぜひビールやワインと一緒に味わってみてください。
クラフティ
クラフティ(clafoutis)は、フランスのリムーザン地方で作られる伝統スイーツです。タルト生地にフルーツを並べ、卵や生クリームなどで作るアパレイユという液体を流して焼き上げてます。
伝統的にはブラックチェリーを作るのですが、イチゴやブルーベリー、さくらんぼ、リンゴなど様々なフルーツで作ることができます。
タルティフレット
タルティフレット(tartiflette)はフランス・サヴォワ地方の郷土料理で、ジャガイモに炒めた玉ねぎやベーコン、チーズなどを乗せ、オーブンで焼き上げます。
フランスではルブロションというチーズで作るのが基本で、とろけたチーズが材料によく絡みます。冬寒い時期の定番家庭料理で、ワインにもよく合います。
タラのブランダード
タラのブランダードは南フランスの郷土料理です。ブランダードとはフランス語で「混ぜる」という意味で、タラをペースト状にしてじゃがいもと合わせ、牛乳で煮込んで作ります。
前菜としてバケットに付けて食べるのが一般的で、ワインにもよく合う料理として人気があります。オーブンで表面を焼けば、グラタン風の料理にもなります。
ガルビュール
ガルビュールは、フランスとスペインの国境沿いにあるベアルヌ地方の郷土料理です。キャベツをメインにベーコンやいんげん豆などを入れてじっくりと煮込んだ野菜たっぷりのスープです。
スープには野菜の旨味がたっぷりと含まれていて、体が温まります。このスープはパン・ド・カンパーニュと一緒にいただくのがおすすめです。
シュークルート
シュークルートはドイツではザワークラフトと呼ばれる料理で、塩漬けキャベツを乳酸発酵させて作ります。
シュークルートはドイツとの国境に近いフランス・アルザス地方の郷土料理で、ドイツの影響を受けた家庭料理が多く作られています。シュークルートと肉を煮込んだ料理も美味しいと人気があります。ビールやワインによく合います。
クラミック
クラミック(cramique)とはフランスのフランドル地方とベルギーで作られる伝統的なパンです。ブリオッシュ生地の菓子パンで、中に干しブドウや砂糖のかたまりなどが入っています。
日本ではまだあまり知られていませんが、フランスで見かけたらぜひ味わってみてください。おやつや朝食におすすめです。
フランスの有名な食べ物はどれも魅力的!
定番料理やスープ、スイーツなどフランスの有名な食べ物をご紹介しましたがいかがでしたか。日本でよく知られた料理やあまり馴染みのない料理など、有名な食べ物をたくさんご紹介しましたので、ぜひフランスで味わってみてください。
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