「スペースマウンテンの中にお札」は本当？都市伝説が広まった理由や事故も紹介

開園以来、たくさんのお客さんでいつもにぎわっている東京ディズニーランドで、開園以来ずっと人気なのが「スペースマウンテン」です。このスペースマウンテンには、不思議な都市伝説があるのですが、ご存知でしょうか。

スペースマウンテンは東京ディズニーランド開園からあるアトラクションですが、2024年から休止され、2027年にリニューアルオープンする予定になっています。

東京ディズニーランドが開園したのは1983年です。これだけ長い期間運転され、なおかつリニューアルされるということからも、いかにスペースマウンテンが人気のアトラクションであるかがわかります。

このスペースマウンテンの天井にたくさんのお札が貼られているという都市伝説があるのです。なぜこのような都市伝説が生まれたのでしょうか。その理由や、スペースマウンテンにまつわる話題について紹介します。

「スペースマウンテンの天井にお札が貼られている」ことを都市伝説と述べましたが、そもそもそれは本当のことなのでしょうか。

本当のことであれば「都市伝説」ではなく「事実」ですし、これだけ多くの方が乗っているわけですから、それが事実なのかどうなのか確認したことがある方もきっといるはずです。

そこでまずは、スペースマウンテンの天井のお札の話はそもそも事実なのか、また確認できていることなのかということから紹介していきましょう。

まず、結論から言うと、2023年現在、スペースマウンテンの天井にお札が貼られているという事実は確認できません。そもそもスペースマウンテンはご存知の通り、真っ暗な中を運転しますから、見えないということもあります。

スペースマウンテンは開業当初からあるアトラクションですが、2006年から2007年にかけてリニューアルが行われています。お札が貼られた理由とされる事故はそれ以前ですから、かりにあったとしてもこの時にはがしてしまっているでしょう。

真っ暗な中を進むスペースマウンテンの内部の写真や動画はあまりありませんが、それらを見た範囲でも、お札のようなものが貼られているということは確認できていません。

スペースマウンテンにお札が貼られているという都市伝説が生まれたのには理由があります。開業当時から事故があったため、不吉ということで出口の天井一面にお札が貼られたというものです。

また2010年ごろにスペースマウンテンで不具合が起き、緊急停止されたことがありました。その時安全のため、内部がライトアップされたところ、お札が見えたということで、そのことがネットを通じ、広まったというものもあります。

スペースマウンテンはいわゆる絶叫系のアトラクションであり、少なからず、怖いと感じることがあります。さらに緊急停止で恐怖を感じ、その話が大きく広まったという面もあるのでしょう。

実はスペースマウンテンでは、開業当初に2件ほどですが、死亡事故が起きています。事故というとスペースマウンテンそのものの不具合かと考えてしまうのですが、そうではなく、本人の体調不良によるものでした。

しかし、大きな話題となったディズニーランドで、開業してから比較的早い時期に起こった事故は、さまざまな都市伝説が生まれる理由としては十分でした。

事故が起こったから、お祓いが必要である、だからお札を貼っているというような流れで、「スペースマウンテンにはお札が貼られている」という都市伝説ができてきたと考えられます。

スペースマウンテンの事故は、1984年と1987年に起きています。いずれも乗ったゲストが体調不良を訴え、脳内出血、心不全を起こしたという、悲しい事故でした。

このうちの片方の事故は、女性芸能人が同窓生と初デートを楽しんでいる際に起きました。二人でスペースマウンテンに乗っていたところ、急降下の際に相手が体調不良を訴え、アトラクションがゴールに到着した時には亡くなっていたのです。

人気の女性芸能人がディズニーランドで遭遇した事故だったということから、その詳細なども知られるようになりました。このこともスペースマウンテンのお札の噂の信ぴょう性を増すことになったのでしょう。

このように、スペースマウンテンのお札の噂は、少なくとも2023年現在では確認できておらず、都市伝説のようなものとなっています。しかし、スペースマウンテンに関してはこのほかにもいくつか、噂のようなものが知られています。

言うまでもなく、スペースマウンテンのようなアトラクションは安全に運転するために体重制限などのさまざまな基準があるものです。それにまつわる噂について次にいくつか紹介します。

スペースマウンテンには体重制限があるというと、疑問を感じる方もいるかもしれません。スペースマウンテンの利用制限のリストには、体重制限が出てこないからです。

スペースマウンテンの場合、体重制限という形での制限はありませんが、身長と、安全バーがきちんとセットできることという制限はあります。この2つにより、ある程度の体重制限はあるとは言えるかもしれません。

スペースマウンテンの体重制限というのは、1人1人ではなく、乗り物全体での体重制限です。動きが激しい乗り物ですから、もちろん体重のバランスも問題で、そのあたりも考えながら座席を決めているようです。

しかし、体重制限がないということは、一人ずつ体重を測り、オーバーしているか調べているわけではないので、運転を始めてから体重制限を超える可能性もあります。

実はそのような場合、スペースマウンテンには別ルートがあります。ふだんは右に行くところを左に行くと、そこで停止して、キャストの案内で搭乗口に戻り、乗り直しをするようになっているのです。

いわば「幻のルート」であり、こちらに入ることはめったにありません。噂によると今まで1回しかないそうです。

また、スペースマウンテンにまつわる噂として、「地下に救急車が入るスペースがある」というものがあります。実はこれは事実のようです。

救急車が入るなどと言うと、先ほどの死亡事故が理由かと考えがちです。もちろんそれも理由としてゼロではないかもしれませんが、ディズニーランドで突然具合が悪くなることもあるでしょう。そのための対応と考える方が自然ではないでしょうか。

もう一つ、都市伝説的に言われているのが「スペースマウンテンにはたくさんの暗視カメラがある」というものです。これも事実です。

カメラが付けられている理由は「ゲストの安全確保のため」です。スペースマウンテンは真っ暗な中運転しますから、体調不良だけでなく、よからぬ行動をする不届き者が出ないとは限りません。そのような行為を防止するためなのです。

真っ暗だからなにをしてもわからないだろう、ということは絶対にありません。純粋にアトラクションを楽しむようにしてください。

このように、スペースマウンテンはゲストが安全にアトラクションを楽しめるように、さまざまな配慮がなされています。特に2007年のリニューアルでは、さらに安全性を高める方向での改良がなされました。

しかし、スペースマウンテンは絶叫系アトラクションですから、楽しむためにはゲスト側も配慮が必要です。そこでスペースマウンテンを安心して楽しむため心がけたいポイントを紹介します。

スペースマウンテンの利用制限の中には「健康状態が良くない者」は利用できないと明記されています。心臓病や高血圧と言った持病がある方も利用できません。

しかし生身の人間ですから、特に持病がない方でも体調が今一つということはあるものです。そのような時に乗ると、ふだんはなんでもなくても、酔ってしまったり、気分が悪くなったりするかもしれません。

ですから、体調が今一つな時にはスペースマウンテンに乗るのはおすすめしません。絶対に無理をしないようにしましょう。

体調不良は自分ではコントロールできないものが多いですが、もちろん自分で注意できるものもあります。その一つが「睡眠」です。スペースマウンテンの利用制限の「体調が良くない」というのには「睡眠不足」も含まれます。

ディズニーリゾートに遊びに行く、好きなアトラクションに乗ると考えると気持ちが浮き立ち、寝られなくなってしまうというのはあり得ないことではありません。しかししっかりディズニーを楽しむためにも、事前にしっかり寝ることをおすすめします。

スペースマウンテンは絶叫系アトラクションで動きが激しいです。中には乗り物に酔いやすく、友達と行くことになったがどうしようという方もいるのではないでしょうか。

乗り物に弱い方がスペースマウンテンに乗る場合、おすすめなのが右側の席です。スペースマウンテンは右方向への旋回が多めになっていることから、右方向に乗ることで遠心力が軽減され、振られにくくなるからです。

また、ジェットコースター系が苦手な方は怖いと目をつぶりがちですが、逆に目を開けて、レールや前の動きを見ていたほうが酔いにくいです。ぜひ試してみてください。

もし自分は乗り物に酔いやすいという自覚があるのであれば、乗る前にキャストさんに相談することをおすすめします。キャストの方はスペースマウンテンの動きを把握しているので、楽に乗れる場所にしてもらえる可能性があるからです。

また、一般的な乗り物と同様に、事前に体調を整えておく、服などを注意するなどの乗り物酔いを防ぐ方法は、スペースマウンテンの場合でも同様です。アトラクションを十分楽しむためにも、ぜひチェックしておきましょう。

ディズニーランドが日本に作られてから現在に至るまで多くの方に楽しまれてきたスペースマウンテンは、厳しい安全基準に沿って運転されています。リニューアルまであと少し、ぜひスペースマウンテンを楽しんでください。