とびしま海道サイクリングは初心者にもおすすめ！観光をしつつ海の景色を満喫！

とびしま海道は、広島県呉市と愛媛県今治市岡村島を7つの橋で結ぶ海道の愛称です。「とびしま海道」は2008年の公募によって決定した愛称ですが、しまなみ海道の隣に位置することから「裏しまなみ海道」と呼ばれることもあります。正式には安芸灘諸島連絡架橋と呼ばれます。愛称の由縁は、瀬戸内に浮かぶ島々が、あたかも庭園に並べられた飛石のようであることからきています。

お隣のしまなみ海道は、世界中からサイクリングの愛好家が集まる聖地となりつつありますが、とびしま海道もまた多くのサイクリング愛好家から注目が高まっています。自転車をレンタルしてのサイクリングも可能で、サイクリング初心者の方も利用可能です。美しい景色を眺めながらのサイクリングはもちろん、多くの観光スポットもありますので、ぜひ立ち寄ってみてください。

とびしま海道へは、広島県呉市方面あるいは愛媛県今治市方面からアクセスします。呉方面からのアクセスは、車の場合呉ICから安芸灘大橋を渡って、本州方面最初の島である下蒲刈地区まで約30分です。バスの場合はJR新広駅から「とびしまライナー」が出ており、同様に下蒲刈地区まで約27分となっています。

一方、今治市方面からのアクセスは、フェリーを使用します。今治港からフェリー「第二せきぜん」が出ており、四国側最初の島岡村島まで約1時間20分です。また、今治港から旅客船「とびしま」もあり、約1時間で岡村島までアクセスできます。「とびしま」は10台までの自転車積載ですので注意が必要です。今治でレンタルしていく場合には、主にこれらのフェリーを利用することになります。

また岡村島へは、しまなみ海道の途中にある大三島からアクセスすることも可能です。今治からしまなみ海道で大三島まで行き、フェリーで岡村島へ渡ったのち、とびしま海道を通って呉までというサイクリングルートも可能です。大三島宗方港から岡村島へは、フェリーで約25分です。とびしま海道をサイクリングして今治へ戻る場合、初心者の方は発着時刻に十分注意してください。

広島県尾道市から愛媛県今治市を結ぶ約70kmの海道です。日本初の海峡を横断できる自転車道「サイクリングロード」があり、現在では世界各地からしまなみ海道でのサイクリングや観光にに訪れます。レンタルサイクルのターミナルも充実し、各地区のターミナルへ乗り捨ても自由となっており、サイクリング初心者の方も安心してご利用になれます。

さざなみ海道は、広島県呉市から三原市までの瀬戸内海海岸沿いを結ぶ、全長約70kmの海道です。しまなみ海道やとびしま海道に比べると、やや整備は遅れていますが、サイクリングしやすい環境も徐々に進んでおり、今後さらに整備が進むことが期待されます。

はまかぜ海道は、しまなみ海道の起終点である今治市と、松山市を結ぶ約52kmの海道で、横目に海を眺めながら、主に国道196号線を走ります。しまなみ海道のレンタルサイクルは、はまかぜ海道で乗り捨てはできません。また、比較的路肩が狭く、大型車両が通ることも多いため、初心者の方には向かないかもしれません。

とびしま海道のサイクリングは、7つの島と7つの橋を渡る約30kmのルートになります。非常に海の近くを走っていることが特徴で、今治から岡村島へ渡り呉まで走り、1日で往復して帰ってくることも可能です。

岡村島から呉までサイクリングして、瀬戸内の海を堪能した後で、呉市を観光するというプランもおすすめです。東洋一の軍港であった呉市を訪れ、大和ミュージアムで戦艦大和やゼロ戦を観光してみてはいかがでしょうか。

とびしま海道のレンタル自転車は、下蒲刈島に1日（9時から17時まで）500円であります。あるいは、しまなみ海道でレンタルしたのち、今治港から岡村島へ渡る方法があります。しまなみ海道経由の場合はフェリーを使用しますので、島から島を観光しながらゆっくりサイクリングするには、自分の自転車を持ち込むのがおすすめです。

大崎下島にある御手洗街並み保存地区は、江戸時代の17世紀中ごろに、瀬戸内海交通の中継港として発展しました。当時は潮待ち港として、北前船や廻船が多く寄港していたそうです。1994年（平成6年）には、重要伝統的建造物群保存地区として選ばれています。（全国38番目）

江戸時代に発展していく中で、元々土地が少ないため、埋め立てを繰り返しながら拡大していきました。商屋、茶屋、船宿や、網の目に張り巡らされた道が特徴的です。また、大波止、石橋、高燈籠、雁木等、当時の港町としての繁栄が想像される建造物が、そのまま残されているところもあります。

御手洗地区のすぐそばには、しまなみ海道や四国の山々まで見渡す事ができる歴史の見える丘公園があります。とびしま海道をサイクリングするうえで、外せない絶景スポットです。またここからは、太平洋戦争時に戦艦大和や長門などが建造された旧ドックを観ることもできます。

下蒲刈島には、美しい庭園と瀬戸内海文化を味わえる展示館がある、松濤園があります。 下蒲刈島もまた古くから瀬戸内海交通の重要な拠点として栄えてきました。歴史ある建物はもちろん、日本各地の陶磁器や、世界中のめずらしいランプが展示されている「あかり館」などがあります。

また中には朝鮮通信使資料館もあります。江戸時代朝鮮から使者が訪れると、 下蒲刈島が玄関口して迎えたそうです。お迎えする時には、全国各地から集められた食材を使って豪華な食事を用意したことから、この島が「安芸蒲刈御馳走一番」を呼ばれました。

白雪楼は下蒲刈島の江戸時代に建てられたお屋敷です。沼隈(現在の広島県福山市)出身の豪農、公共事業家である山路機谷が、祖父が京都で営んだ奇好亭を移築し、漢学研究の場としたもので、たくさんの漢学者がこの建物を訪れたといわれています。さまざまな趣向を凝らした建物が特徴的であり、建物の材料に細かく位置を示した墨書や、可動壁である「どんでん返し」があります。

1階では抹茶とお菓子をいただけ、2階からは瀬戸内海の美しい景色を眺めることができます。瀬戸内海からの心地よい海風が吹き抜け、畳の上に寝そべって、そのまま昼寝したくなるほどです。

であいの館は、上蒲刈島にある観光総合案内所で、地元の特産物やお土産、喫茶コーナーなども常設された、道の駅のような施設です。眺めもよく、トイレもあるため、サイクリングの休憩にはぴったりです。

こちらでは、色々なオリジナル商品が販売されています。色々なジャムや藻塩を使った麺やアイス、乾燥ひじきなど、ここでしか味わえないものが取り揃えれられています。お土産や旅の記念に一品いかがでしょうか。

色々なオリジナル商品のうち、藻塩アイスはおすすめです。瀬戸内海では、温暖な気候を使用して平安時代から塩田を利用した製塩が盛んに行われていました。上蒲刈島は、平安時代よりもはるか昔、古墳時代から「藻塩焼き」と呼ばれる日本の塩づくりの原点の製塩法が行われていたそうです。その製塩にちなんだアイスクリーム、興味をそそりますね。

豊島には、地元のテレビでも紹介されている「豊島ラーメン」があります。豊島で一本釣りした太刀魚の骨から出汁をとったスープが特徴です。シンプルな醤油ベースの細麺ですが、魚特有の臭みもなく上品なスープを味わえます。とびしま海道グルメとしては、外せないスポットです。初心者の方もまずスケジュールに入れておきたいですね。

いかがでしたでしょうか。とびしま海道には美しい景色や魅力ある観光地がたくさんあり、サイクリングとして訪れるには、おすすめのスポットです。しまなみ海道を経由してのレンタル自転車も可能であり、初心者の方にも安心して訪れることができます。瀬戸内の島々の美しい景色とサイクリングをぜひご堪能してみてください。