延三夜市で超ローカルなグルメを堪能しよう！おすすめ名店7選

延三夜市は台湾の夜市の最終到達点と言ってよいほど超ローカルな夜市ですが、ローカルなだけあって魯肉飯をはじめとする安くて美味しいB級グルメのお店がたくさんあります。こちらではそんな延三夜市歴史や数あるお店の中からおすすめの人気店を7店舗ご紹介します。

「延三夜市」(延三観光夜市)は台北の民権西路と民族西路間にある延平北路三段沿い(最寄りは台北メトロの中和新蘆線の大橋頭駅)にあります。もっと簡単に説明すると大橋頭駅の北側にあり、南側を降りていくと観光地としても有名な迪化街がありますので台北の中心部からそう離れてはいません。

ここには大小やく105軒ほどのお店や屋台が立ち並び、「台北大橋頭」の夜市と呼ばれることもありますが、とにかくとてもローカルな夜市なので、日本人はあまり見かけません。そしてこちらの夜市がローカルな理由はその成り立ちにありました。

かつて台湾の中南部から台北に仕事を求めてきた人たちが日雇い労働者となり、仕事を探しながら集まっていたのがこの大橋頭のあたりでした。台湾人はグルメですから人が集まると自然と食べ物を提供する屋台ができます。また舌の肥えた中南部の人を満足させるために、自然とB級グルメの激戦区となります。そんな中で生き残った最強の屋台ばかりが並んでいるのがこの延三夜市なのです。

こちらの筒仔米糕は円柱状に蒸しあげられたおこわです。具には豚肉の脂が多い部分である肥肉（フェイロウ）か、脂が少なめの部分の肉である痩肉（ソウロウ）を選ぶことができますが一口サイズですので両方を食べ比べてみるのもおすすめです。いずれも1つ30元です。

どちらの肉もとても柔らかく、脂の多い肥肉もちもちとしたもち米に肉汁が染みわたっていて大変美味しいですし、脂すくなめの痩肉には煮卵が入っていて食べ応え抜群です。テーブルの上には、日本のソースとケチャップを混ぜたような味のオレンジ色のソースといかにも辛そうな唐辛子のソースがありますのでお好みでどうぞ。

そして御飯ものにはやはりスープが欲しくなります。そんな時にぜひおすすめしたいのは蚵仔豬血湯(牡蠣と豚の血のスープ)です。豚の血といっても豚の血をお豆腐のように固めたもので、臭みはありません。豚の血は自分の悪い血を外に出し滋養強壮にも効果的です。

こちらのお店は延三夜市の中でも1,2を争う人気店ですので、お昼時になるとグルメな台湾ローカルでごった返していますが、すぐに順番が来ますのでまずは並びましょう。場所は延平北路三段の入り口を200mほど北に行ったところです。

こちらは「雞捲」、つまりチキンロールの人気店で、延三夜市でお店を35年間も続けてきた老舗中の老舗です。2代目の夫婦が作る「雞捲」を目当てに多くのお客さんが絶え間なくやってきては持ち帰っていきます。台北橋に近いお店ほど人気と言われている延三夜市のなかでもこのお店は台北橋の近くにあります。

そして面白いのが「雞捲」(チキンロール)と称していながら、実はお肉は豚肉であるところです。作り方は豚肉に玉ねぎを巻き、湯葉で包んであげるだけのシンプル料理ですが、注文を受けてから手際よく作ってあげるので、外はぱりぱりで中はジューシーなのが人気の秘密です。こんがりと揚がったものを輪切りにし甘口のソースをかけていただきます。

鶏肉じゃないのに「鶏」の理由は台湾語の発音にあります。この料理はもともと余ったものを巻いて作った「余り物巻き」でしたが、それでは聞こえが悪いので同じ発音の「鶏」を使って「鶏捲」と書かれるようになったそうです。

魯肉飯と言えば台湾の名物グルメですが、たまにがっかりするほどお肉が小さくて、魯肉飯は「そぼろ丼」のことだと思っている方も少なくないようですが、こちらの魯肉飯は初めて見た方は、びっくりしてしまうほど豪華な魯肉飯です。

おすすめは魯肉飯+幼肉(細切り肉)です。御飯の上には御飯が隠れてしまうほどの大きな厚切りの豚の角煮がどんと乗っています。豚の角煮はトロトロに煮込まれており箸で切れるほどに柔らかくジューシーです。さらに豚の角煮をめくるとその下には魯肉の贅沢な細切りと高菜が隠れています。これで60元とはやはりローカル夜市ならではの価格です。

またこちらも台湾名物である排骨飯+幼肉70元もしっかりと味がしみ込んでいておいしいです。排骨は骨がありますので噛むときに注意しましょう。付け合わせにアヒルの卵の煮卵などもあります。こちらも八角の香りが台湾らしいおすすめの一品です。

こちらは創業40年の香腸の人気店です。台湾の香腸といえば甘みの強いサラミのような少し硬めのソーセージですが、このお店で是非おすすめしたいのは大腸煎です。大腸煎とはもち米を豚の腸に詰めて油で揚げた料理です。

コチラは老舗の伝統を守りながら昔ながらの作り方をしています。仕込みは毎朝7時から行います。もち米、ネギ、海老、乾燥海老などを一緒に炒めたらきれいに処理をした豚の腸にそれを丁寧に詰めていきます。その後それを蒸して低温の油であげれば出来上がりです。

もちもちのもち米に干し海老の香りが香ばしく、日本のケチャップとソースを混ぜたような海山醤ソースと醤油膏ソースという少し甘い醤油でいただきます。こちらの大腸煎は持ち帰って少し冷めてしまっても柔らかくて美味しいのでお土産にもおすすめです。

台湾はグルメの国なので、ついついいろいろ食べ過ぎて胃が少し疲れているなどという時には、こちらの湯圓はいかがでしょうか？湯圓とは団子入りスープのことで、こちらの施家鮮肉湯圓は台湾ローカルにも人気のお店です。

看板メニューの鮮肉湯圓(肉団子スープ)は45元で湯圓の皮は米粉でできた団子になっています。もちもちしたお団子は口の中でふわっと溶けてのど越しは柔らかいうどんのようです。中に入ったお肉はプリプリで濃いめの味付けなので、薄味のスープと良く合い、なんだかほっとした気持ちにさせてくれます。

こちらではほかに榨醤乾麺(ジャージャー麺)や香菇肉飯(椎茸入り魯肉飯)や紅油抄手(ラー油ワンタン)がおすすめです。延三夜市は魯肉飯の激戦区ですので、どちらの魯肉飯も美味しいです。またつるつるのワンタンの食感とラー油の香りが楽しめる紅油抄手はこれから他の店や屋台に食べ歩きに行く前には丁度よい小吃(軽食)です。

こちらも創業40年の歴史を持つ御粥屋さんです。こちらは屋台ではなく店舗で、地元の新聞に掲載されるほどの人気店です。店の中にはジャッキーチェンなどの有名人の写真なども飾ってあります。こちらのおすすめは香菇肉粥(キノコとお肉のおかゆ)1杯20元です。

薄切りのキノコの香りと肉のうまみが溶け出したおかゆを食べ進めると牡蠣まで入っているという具沢山の大満足のおかゆです。おかゆだけではお腹が満たされないという方は、こちらの魯肉飯もお肉がゴロゴロ入っていてとてもおすすめです。紅燒肉(豚肉の揚げ物)もおすすめです。屋台でなく店舗なのでメニューが豊富なのも嬉しいです。

こちらは地元の人にも大人気の豚足のお店ですが、日本人にも大変おすすめです。こちらの名物はトロトロに煮込まれたコラーゲンたっぷりの豚足です。お店は創業20年。毎日4時間以上の時間をかけてコトコト煮込まれた豚足は、日本では簡単には出会えない味です。

日本人に人気なのは腿庫肉という骨がない部分ですが腳蹄なども日本人にはおすすめです。このトロトロの豚足を煮汁とともに御飯に乗せたものが豬腳飯です。とろとろぷりぷりの豚足と甘い煮汁にご飯をかきこむ箸が止まらなくなります。お昼時に行列ができる人気の理由が解ります。

またサイドメニューはこの豚足の汁で煮込んだ卵や豆腐を注文しましょう。どちらも味がしみ込んでいて絶品です。また、ご飯と一緒に味噌汁なども頼むことができますので、ご飯と一緒にいただけばしっかりとした食事ができます。地方から来た肉体労働者を支えてきたB級グルメは安くて美味しい大満足の物ばかりです。

いかがでしたでしょうか。日本人の観光客があふれる台北市内でも大橋頭駅近くにはこんなローカルな場所がまだ残っています。グルメな台湾ローカルが認める本物の台湾B級グルメを食べるなら是非延三夜市をおすすめします。きっと新しい台湾グルメの魅力を発見することができるでしょう。