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青の洞門は大分県の観光スポット!その洞門に纏わる歴史もあわせて紹介!

青の洞門は大分県の観光スポット!その洞門に纏わる歴史もあわせて紹介!
投稿日: 2017年10月29日最終更新日: 2020年10月8日

大分県中津市街に近い景勝地、耶馬渓の一角に青の洞門があります。一人の僧が村人のために人力で掘ったという、岩をくりぬいたトンネルです。その話は道徳の教科書にも載り、今でも多くの人の感動を誘っています。青の洞門やその周辺についてご案内します。

大分県の青の洞門は人の力の偉大さを感じる場所見出し

大分県の景勝地である耶馬渓の一角に「青の洞門」と呼ばれるトンネルがあります。一人の和尚が30年の年月をかけて手掘りで完成させたという歴史をもつ場所です。30年の間には勧進(費用集め)の苦労や地元の人との軋轢など、数々の困難がありました。今でも残るノミの跡を見ると人間の崇高さと偉大さを感じます。今回は青の洞門についてご紹介します。

青の洞門の歴史的背景見出し

青の洞門は耶馬渓(やばけい)の一角にあります。耶馬渓は大分県中津市にある山国川の流域に広がる、たくさんの奇岩が織りなす絶景が見られる広い渓谷です。青の洞門のある競秀峰は日本三大奇勝として知られ、日本新三景にも選定されています。約1キロにわたって岩がそそり立つ耶馬渓随一の景勝地である競秀峰のふもとに青の洞門は掘られています。

「青の洞門」と呼ばれる部分の全長は約342メートルで、そのうちトンネル部分は約144メートル、大分県の史跡に指定されています。このトンネルが掘られる以前、この辺りは鎖渡の難所といわれ、年にかなりの数の人馬が足を踏み外して命を落とす、通行の難所でした。

江戸時代の享保の頃、各地を旅していた僧の禅海がこの地にやって来て、危険な現状を見て衝撃をうけトンネルを掘ることを決意しました。勧進をして資金を集め、石工を雇い、自らもノミをふるい来る日も来る日も山を掘り続けました。何年もの間、暗い場所で同じ作業を繰り返していた禅海の目や足は弱っていきましたが、執念実り約30年の歳月をかけ洞門は完成しました。

寛延3(1750)年に第1期工事落成記念の大供養が行われました。それ以後は人は4文、牛馬は8文の通行料を取り、歴史上日本ではじめての有料道路になりました。現在の洞門は通行無料ですが、車の通行のため拡張工事をしたりして、当時からは大きく姿を変えています。なお、完成当時洞門は「樋田の刳抜(くりぬき)」と呼ばれており、正式に「青の洞門」になったのは昭和になってからです。

この禅海和尚の話は菊池寛の短編小説「恩讐の彼方に」のモデルとして一躍有名になりました。小説の中では主人公の名前が違っていますし、読み物として興味深くなるよう脚色されていて全てが史実ではありませんが、青の洞門の歴史的背景を知るには一読の価値があります。青の洞門の話は、小学校の道徳の教科書にも取り上げられています。

青の洞門へのアクセス見出し

青の洞門の近くに鉄道は通っていないので、車がない場合はJR中津駅前から大分交通バスを利用することになります。柿坂、守実温泉、豊後森駅行きで約25分です。しかしバスの本数や、耶馬渓の他の場所も観光することを考えるとやはり車があると便利でしょう。青の洞門は、大分自動車道の玖珠インターから31キロの距離になります。

青の洞門へは観光バスを利用するのも選択肢の一つです。大分交通が耶馬渓への定期観光バスを運行しています。大分駅、別府駅、中津駅から発着し、青の洞門をはじめ羅漢寺や深耶馬渓まで回る1日ツアーです。大人料金は大分駅から5750円、別府駅から5500円、中津駅から3450円(2017年11月現在)です。月によって運行の曜日が変わりますので注意が必要です。

青の洞門の様子見出し

現在の青の洞門は当時の姿からは大きく変わっているとはいえ、一部に禅海和尚が掘ったオリジナルの部分が保全されています。トンネル脇の階段を下りて行くと、手掘りのノミの跡が残る当時のトンネルの壁を見ることができます。無数のノミの跡に禅海和尚の強い意志と血のにじむような努力が感じられます。

当時のままに残されているエリアには、最初に開けられた明り取りの窓もあり、その窓から山国川の流れが目の前に見えます。穏やかに見える川も、治水技術が進んでなかった昔は雨が降った後などには大いに人々を悩ませたことでしょう。窓のそばには地蔵菩薩に加え、跪いてノミをふるう禅海和尚の石像もあり、このトンネルが掘られた歴史に思いを馳せることができます。

青の洞門の周囲見出し

現在、青の洞門は一大観光になっており、駐車場やレストハウスが整備されています。トンネル側の駐車場の一角には、トンネルの中と同じように跪いてノミをふるう禅海和尚の大きくて立派な銅像があります。川を挟んで向こう側がレストハウスですが、川を渡る橋は「青の禅海橋」と名付けられ、やはり禅海和尚がトンネルを掘っているレリーフがあります。

レストハウス「洞門」からは、青の洞門の上にそびえる競秀峰の絶景が一望できます。レストハウスには干し柿を藁で巻いた耶馬渓名物「巻柿」や「からし椎茸」「柚子胡椒」などの名産品が売られています。レストランもあり、耶馬渓特産の錦雲豚のメニュ―などが揃っていますので、観光の折に立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

住所:大分県中津市本耶馬渓町曽木1848-1 電話番号:0979-52-2432

青の洞門と福沢諭吉見出し

青の洞門のある競秀峰は、一万円札の肖像にもなっている福沢諭吉ととても深い関係があります。福沢諭吉は中津藩の出身ですが、1894年に20年ぶりに帰郷し、競秀峰の山々が売却されそうだということを耳にしました。心無い人の手に渡り、この美しさが損なわれてはと思い、この一帯の土地を自分で買い取る決心をしたのです。

3年がかりで少しずつ競秀峰の土地を買った諭吉の行動は、ナショナルトラストの先駆けと言われています。諭吉の決意がなければ、現在の美しい競秀峰の景色は守られていなかったかもしれません。そのような歴史も頭に入れて青の洞門の観光をすると、見えている絶景がまた違ったものに感じられることでしょう。

青の洞門の紅葉見出し

青の洞門は紅葉の名所です。毎年11月中旬が見頃で、上記の大分交通の定期観光バスも11月だけは毎日運行されます。競秀峰のそそり立つ岩山と岩に生えた木々が赤や黄色に色づく様子は、色付きの山水画のように迫力と趣があります。が、中でも有名なのは青の洞門の入口にある大きなイチョウの木です。

青の洞門のトンネル入口には一本の大きなイチョウの木があり、紅葉の季節にはまっ黄色に染まります。周辺ではモミジ、ナナカマド、ブナなどの紅葉も楽しむことができます。が、やはり紅葉狩りの時期は観光客も多く混み合いますので、時間をずらして訪問するなどの工夫が必要かもしれません。

耶馬渓の紅葉情報!見頃やライトアップ・おすすめスポットなど紹介! | 旅行ガイドTravelNote[トラベルノート]のイメージ
耶馬渓の紅葉情報!見頃やライトアップ・おすすめスポットなど紹介! | 旅行ガイドTravelNote[トラベルノート]
大分県の耶馬溪は、日本三大紅葉として知られています。紅葉のシーズンには、たくさんの観光客が耶馬溪に訪れて賑わっています。例年11月初旬から色づき始め、11月中旬が見頃になります。耶馬溪の紅葉の見頃のシーズンや、おすすめのスポット情報をまとめました。

青の洞門をサイクリング見出し

JR中津駅から耶馬渓の山国までの約36キロメートルは「メイプル耶馬サイクリングロード」となっています。特に青の洞門のある本耶馬と言われるエリアから山国までは自転車専用道路が整備されて、快適にサイクリングを楽しむことができます。レンタル料金も大人フリータイム500円ととてもリーズナブルです。乗り捨てシステムもあり、その場合は料金は1000円になります(2017年10月)。

自転車を借りられる場所は3か所あり、そのうち1か所は青の洞門の近くの「青の洞門サイクリングセンター風水園」です。また、青の洞門の周辺だけの利用なら「お食事処青の郷」でも借りられます。自転車なら渋滞も気にせず、川に沿って耶馬渓の絶景を見ながら、観光スポットを回ったり立ち寄り湯に寄ったり、自分のペースで楽しむことができます。

青の洞門と羅漢寺見出し

青の洞門から約3キロメートル離れた山の中腹に羅漢寺という寺院がありますが、寺に行くリフトの登り口に禅海堂というお堂があり、禅海和尚の遺品を見ることができます。青の洞門を掘った時に使ったノミやツチ、遺品などが展示されており、和尚の歴史的偉業をしのぶことができます。

また、羅漢寺自体も日本三大五百羅漢に数えられる歴史ある寺で、国の重要文化財に指定されています。様々な表情をしたたくさんの羅漢像もさることながら、山肌の岩の中に埋め込まれたような山門や本堂も一種異様な雰囲気で、寺自体が絶景と言っても過言ではありません。古びた建築物の木肌にも歴史を感じます。

羅漢寺は山の中腹に位置していますが、リフトが設置されており3分で上っていくことができます。寺院内は撮影禁止ですが、境内から見える周囲の景色もなかなかの絶景です。観光スポットとして大きく取り上げられることのない場所ですが、青の洞門を訪れたら是非一緒に訪問して欲しいとっておきの場所です。

住所:大分県中津市本耶馬渓町跡田1519 電話番号:0979ー52ー2538

青の洞門の周辺観光1:耶馬渓橋見出し

青の洞門だけの観光なら、さほど広い場所ではないので小1時間もあれば見終わってしまうでしょう。せっかく耶馬渓にきたのですから、周辺の観光もしたいものです。青の洞門から約1キロメートルのところにある耶馬渓橋は、100年近い歴史をもつ日本で唯一8連アーチの石橋です。長さは116メートルあり、石造りの橋としては全国一です。

耶馬渓橋の石の積み方は長崎の石橋によく見られるので、別名「オランダ橋」とも言われ、大分県の指定有形文化財になっています。青の洞門からは歩いても15分ほどの距離なので、是非セットで見に行ってください。また、やはり青の洞門から徒歩で行ける羅漢寺橋も趣ある石橋です。

住所:大分県中津市耶馬渓町曽木

青の洞門の周辺観光2:渓石園見出し

青の洞門から11キロメートルのところにある渓石園は、耶馬溪ダムの完成記念に造られた広さ2万平方メートルの日本庭園です。ダムの水を引いて耶馬渓の渓流を再現しています。また、3万本以上の木に数万個の石を使い、池や滝なども造られ、四季折々に美しい公園です。園内にある「幸田の巨石」と言われる石は高さ6メートル、重さ45トンで一際目立つ存在です。

渓石園の見学は自由、敷地内には茶屋もあり地元の食材を使った料理を食べることができるので休憩にはもってこいです。また、バーベキューの設備もあるので家族連れにも楽しめます。公園内及び周辺は紅葉の名所なので、是非ダムの方まで出かけて紅葉狩りを楽しんでください。桜の時期は高台から公園を見下ろすのがおすすめです。川沿いの桜並木も含めた絶景が広がります。

住所:大分県中津市耶馬渓町大島2286-1

青の洞門の周辺観光3:耶馬渓アクアパーク見出し

耶馬渓アクアパークは青の洞門から12.6キロメートル、耶馬溪ダム湖を使って各種の水上スポーツが楽しめます。メニューは水上スキー、ウェイクボード、バナナボート、湖面遊覧などで、子どもや初心者でも教えてもらいながら楽しく活動できます。バナナボートは6人乗りと10人乗りがあるので、家族やグループで一緒に乗ることができます。

耶馬渓アクアパークは全国で唯一の公営水上スキー場でもあるそうです。ダム湖なので波もなく、暑い時期などは爽快に1日中遊べます。アクアパークは1年中オープンしており、涼しい時期でもボートで湖を遊覧できます。渓石園からは1.5キロメートルの距離と近いので、2か所をセットにして観光計画を立てると良いでしょう。

住所:大分県中津市耶馬渓町山移2704 電話番号:0979-54-3000

青の洞門の周辺観光4:深耶馬渓(一目八景)見出し

深耶馬渓は青の洞門から約22キロメートル、青の洞門のある競秀峰と並ぶ人気景勝地です。一目で8つの奇岩を見られるということから「一目八景」とも呼ばれています。ぐるりと四方が見回せる展望台からは群猿山、鳶ノ巣山、仙人岩、烏帽子岩などと名付けられた独特の岩山の絶景が目の前に広がります。

一目八景は四季それぞれに美しいのですが、岩山の麓が真っ赤に彩られる紅葉の時期は格別です。ここの紅葉の絶景を見に全国から大勢の観光客がやって来ます。展望台近くには土産物店なども軒を並べて大層にぎやかです。渓流に沿って遊歩道もあるので、時間のある人はせせらぎを聞きながらの紅葉狩りもおすすめです。

住所:大分県中津市耶馬渓町深耶馬

青の洞門の周辺観光5:猿飛千壺峡見出し

猿飛千壺峡は青の洞門から約27キロメートルのところにある峡谷です。猿が岩から岩へと飛び渡っていたことからこの名が付けられました。ここは約2キロメートルにわたって川底に無数の甌穴があることで有名です。甌穴とはくぼみに入った石などが川の流れで回転し、そのくぼみが円形になったものをいいます。猿飛千壺峡の甌穴は国の天然記念物です。

猿飛千壺峡の下流には、やはり甌穴が連続する魔林峡や念仏橋と言われる観光スポットがあります。猿飛千壺峡と魔林峡の一帯は紅葉の名所で、秋は美しい絶景が広がります。これらの場所は遊歩道で結ばれているので、徒歩で紅葉狩りを堪能することができます。

住所:大分県中津市山国町草本

大分に行ったら青の洞門を訪ねよう見出し

青の洞門は、禅海和尚の崇高な精神と想像を絶する努力が結実した歴史的な地であり、耶馬渓随一の絶景の地でもあります。まだ青の洞門を訪問したことがない方は是非行ってみてください。また、耶馬渓は他にも絶景の地が散在しており、時間をかけて何か所も訪問したいエリアです。たっぷりと時間を取って美しい景色を堪能してください。

耶馬渓の観光スポット紹介!絶景や温泉にランチと楽しみだらけ! | 旅行ガイドTravelNote[トラベルノート]のイメージ
耶馬渓の観光スポット紹介!絶景や温泉にランチと楽しみだらけ! | 旅行ガイドTravelNote[トラベルノート]
大分県の中津を中心に広がる景勝地「耶馬渓」。奇岩が連なり、見事な自然の絶景を楽しむことができます。温泉や名所である青の洞門をはじめとし、さまざまな楽しみ方ができます。耶馬渓の美しさは日本三大奇勝の1つとして人気があり、1年中沢山の人々を癒し続けています。
投稿日: 2017年10月29日最終更新日: 2020年10月8日

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