ダルムシュタットの観光スポット！ドイツ旅行の選択肢に加えたい一覧紹介！

ドイツ中西部に位置するダルムシュタットという町は、ヨーロッパでは知る人ぞ知る人気の観光地です。ユーゲントシュティールと呼ばれるドイツの世紀末美術の中心となったことで知られ、そのため数多くの劇場を擁し芸術や文化活動が盛んな町として知られています。今回はそんなドイツのダルムシュタットという町について詳しくご紹介します。

フランクフルトから30キロほど離れたところにあるダルムシュタットは、ヘッセン州ではフランクフルトやマインツなどに次ぐ第4の都市として知られる一大都市。19世紀後半に芸術家村が築かれたことにより、芸術都市として国内外の観光客を惹き付けています。また3万人の学生を抱える大学都市であり、さらには“無煙産業”の誘致を行ってきたことから、多くの出版社やデザイン事務所を抱える町としても知られています。

ヘッセン州で第4の都市であると同時に芸術都市として知られるダルムシュタットにおける芸術発展の起源は1899年に遡ります。この年にエルンスト・ルートヴィヒ大公がダルムシュタットのマチルダの丘に芸術家村を建設。これにより、ダルムシュタットは当時のドイツにおいて隆盛だった世紀末芸術、“ユーゲントシュティール”の中心地となりました。

それ以降ダルムシュタットの町は芸術都市として発展。近年改装された州立劇場を筆頭に、数多くの劇場が今も存在し、現代美術にスポットを当てた国際的な展示会も年に数回開催されています。さらに数々の美術館や博物館、音楽団体が存在し、ダルムシュタットはドイツ観光で芸術を堪能したい際には外せない場となっています。

芸術都市であると同時に、ダルムシュタットは“無煙産業”の誘致を行ってきたため、数多くの出版社が存在することでも知られています。ドイツの世紀末芸術であるユーゲントシュティールの中心地となったマチルダの丘には、ドイツでもっとも名高い文学賞であるゲオルク・ビュヒナー賞を実施する「言語と文学のドイツ・アカデミー」が本部を構え、ダルムシュタットは文学領域でも発信力を持つ町として知られています。

現在では一大都市へと発展してきたダルムシュタットですが、その歴史は古く1330年には都市権を獲得し市場が開設されています。時を経て17世紀に起こった三十年戦争の影響で、ダルムシュタットの町は一たび荒廃するも、19世紀初代ヘッセン大公ルートヴィヒ1世の時代に町は急速に発展。最後のヘッセン大公エルンスト・ルートヴィヒはマチルダの丘に芸術家村を建設し、ダルムシュタットは芸術都市として発展してきました。

それではここからはダルムシュタットで訪れるべき人気の観光地をご紹介します。芸術都市として知られるダルムシュタットを訪れる際に、忘れてはいけないのがここ「マチルダの丘」です。最後のヘッセン大公であるエルンスト・ルートヴィヒにより、1899年に建設されたここマチルダの丘は、芸術都市ダルムシュタットの礎ともいえ、建設以来ダルムシュタットにおける芸術発展に貢献してきました。

芸術家村としてマチルダの丘が建設された当時のドイツでは、ユーゲントシュティールと呼ばれるドイツ世紀末文化が開花し始めていました。ここマチルダの丘はユーゲントシュティール文化の中心地としてダルムシュタットのみならず、ドイツ全土にその名を知らしめることとなりました。現在でもマチルダの丘にはユーゲントシュティール時代の建築様式の家などが数多く残されています。

ダルムシュタットにおける芸術の中心地であるマチルダの丘には、現在も様々な美しく芸術的な建築物が残されています。その中でも目を惹くものの一つがこの結婚記念塔。なんでもこの塔はマチルダの丘を建設したヘッセン大公エルンスト・ルートヴィヒが1905年に結婚した記念にダルムシュタット市民から寄贈されたものだといいます。

この結婚記念塔には現在では戸籍役場が入っており、ダルムシュタット市民はこの中で結婚式を挙げることが出来るため、こちらを訪れると度々結婚式と思われる集団を見かけることがあります。また結婚式で使用されていない際には、結婚式場として使用されている5Fの大公妃の間を見学することも出来ます。

遠目から見ると一見質素に見える結婚記念塔ですが、当時の芸術の中心地に建てられたものだけあり、よく見ると芸術性に溢れています。塔の頂上の5本の指のように見える形状は結婚式での宣誓の際のヘッセン大公エルンスト・ルートヴィヒの手とされ、玄関ホールには美しい恋愛を想起させる華麗なモザイク画が施されています。また塔の頂上には上ることもでき、そこからダルムシュタットの町を一望することも出来ます。

ダルムシュタットの芸術の中心、マチルダの丘で結婚記念塔の真横に位置するのがこちらのロシア正教会です。小さいながらにいかにもロシア正教会という雰囲気たっぷりのこちらの教会は観光客には人気のスポット。玉ねぎ型をした金色の塔が3つもそびえるその姿は訪れる者にここがドイツであることを忘れさせてしまうほど存在感があります。また内部もロシア正教会ならではのイコンが飾られており、一見の価値ありです。

ダルムシュタットの市街でひと際目を惹く建物が「森の螺旋」。フンデルトヴァッサーというオーストリアの建築家により建築されたこちらは2000年に建てられ、集合住宅としてなっています。外側の部分は出入り自由なため、観光客も自由に見学することが出来ます。ちなみにジブリの宮崎駿監督はフンデルトヴァッサーのファンであったことで知られ、言われてみると「森の螺旋」もジブリアニメのような雰囲気があります。

結婚記念塔とロシア正教会同様、ダルムシュタットの芸術の中心地であるマチルダの丘に佇むのがこちらの芸術家コロニー美術館です。個人の邸宅を改装したものであるため、こじんまりとした作りとなっていますが、館内には主としてユーゲントシュティールによる工芸品が展示されています。小さいながらにユーゲントシュティール芸術に関心がある方ならぜひ訪れておきたい場所となっています。

ダルムシュタットの中心地にあるこちらヘッセン州立博物館は、名前こそ博物館となっているものの、博物館と美術館が合わさったような展示をしており観光客に人気となっています。博物館部分では恐竜の模型や動物の標本などが展示される一方、美術館部分では古典美術から現代アートまで幅広く展示されています。

ダルムシュタット旧市街の中心、マルクト広場に面するこちらダルムシュタット城博物館はヘッセン大公エルンスト・ルードヴィッヒによって建てられたお城。保存状態の良い城内ではヘッセン貴族の部屋や調度品などが展示され、当時の貴族の優雅な暮らしぶりを感じることが出来ます。

ダルムシュタットの町中、様々なショップが軒を連ねる通りを真っすぐ進んでいった先にあり、ルイーゼン広場に面するのがこちらの聖ルートヴィヒ教会です。ドイツの教会といえば尖塔があるゴシック様式のものが多いですが、こちらの教会はドイツのカトリック教会でありながら天井がドーム型になっており、ゴシック様式とは異なる姿で人気を博しています。

ダルムシュタット内で最も大きな広場であり、バスや路面電車の駅もあるこちらルイゼン広場もダルムシュタットの見どころの一つ。広場の中ほどにはヘッセン大公エルンスト・ルードヴィッヒを記念したルートヴィヒ記念碑が立っており、まれに塔の上まで登ることが出来ることもあるそうです。

ルートヴィヒ記念碑があるルイゼン広場からほど近いところにあるヴァイサー塔もダルムシュタット市内で目を惹く塔の一つです。緑色の屋根が愛らしいこちらの塔にもごくまれに登れることがあるようです。またヴァイサー塔の目の前にはデパートもあるため、市内観光に飽きたらそちらでお土産を探してみてもよさそうです。

欧州の町中には小さな公園があることが多いですが、ここダルムシュタットの町中にも美しい公園があります。それがヘレン庭園とプリンツ・ゲオグス庭園です。町の中心に位置しながら、広々と広がるヘレン庭園は市民の憩いの場ともなっており、日光浴を楽しむ人の姿も見受けられます。またヘレン庭園の隣にあるプリンツ・ゲオグス庭園はロココ様式の庭園で、花が咲き誇る春～夏にかけては多くの観光客が訪れています。

ダルムシュタット旧市街の中心にあるのがこちらマルクト広場です。ダルムシュタット城博物館や旧市庁舎が面するこちらマルクト広場の周りには多くのレストランやカフェが立ち並び、観光に疲れた際に一休みするのにはもってこいです。また昼間は小さな屋台が出ており、屋台のドイツ料理に挑戦してみるのもおすすめです。

ダルムシュタット旧市街のマルクト広場裏側にあるこちらの市教会は、ダルムシュタットにおけるプロテスタントの中心的役割を担う教会で、煉瓦造りの質素な外観はいかにもプロテスタントの教会という雰囲気です。また周囲には小さな雑貨屋さんやお土産屋さんもあるので、そちらと併せて覗いてみるのもおすすめです。

芸術都市ダルムシュタットを訪れるのであれば、劇場に足を運び芸術に酔いしれるのもまた一興です。ダルムシュタット市内に数ある劇場の中でも最も有名とされるのがこちらのダルムシュタット州立劇場で、近年改装オープンされオペラなどが連日上演されています。また劇場前の広場には踏むと音が出る板など、様々な仕掛けが施されています。

ダルムシュタット州立劇場からも近いダルムシュタット町中にあるこちらのモラー劇場も人気の劇場の一つです。ダルムシュタット州立劇場でオペラなどが上演されているのに対し、こちらの劇場では演劇やショーといったカジュアルな劇を楽しむことが出来、クラシック音楽等には関心がない方でも気軽に訪れることが出来る場所となっています。

ダルムシュタットで市内観光に疲れたらこちら「Darmstadter Ratskeller Hausbrauerei」を訪れてみてはいかがでしょうか？こちらのお店はダルムシュタットの旧市街、マルクト広場に面した旧市庁舎の1階にあり、連日多くの人で賑わっています。館内で醸造されているというビールは評判がよく、一度飲んでみられてもよいのではないでしょうか。

ダルムシュタットの町の中心から離れた森の中にあるこちら「Zum alten Forsthaus Kalkofen」は時間がある際にはぜひ訪れていただきたいおすすめの場所です。ドイツの田園風景が広がる田舎にぽつんとあるこちらはビアガーデンとなっており、ビールを片手にドイツ料理を楽しむことが出来ます。またビアガーデン内には噴水があり孔雀が歩き回っており、ドイツの美しい田舎の雰囲気を楽しむことが出来ます。

ダルムシュタットでは年間を通して様々なイベントが行われていますが、その中でも最も盛り上がるのが「ハイナーフェスト」。毎年6月末～7月の頭に5日間のみの限定で行われ、この期間は町中に屋台や遊具が立ち並び、町全体がお祭りの雰囲気に包まれます。町中で行われるものとしてはドイツ内でも最大級のものということなので、この季節にドイツを訪れるのであればぜひこちらにも立ち寄っていただきたいところです。

ダルムシュタットの町でも11月末～クリスマスまではもちろんクリスマスマーケットが開催されています。旧市街のマルクト広場を中心に様々な出店が立ち並び、夜もライトアップされて普段とは違った顔を見せてくれます。近隣ではフランクフルトのクリスマスマーケットが最も有名ですが、そちらと併せて訪れてみてはいかがでしょうか。

気になるダルムシュタットへのアクセスについてです。同じくヘッセン州に位置し空港を擁するフランクフルトからは鉄道RBもしくはREで約20分となっており、またICでは約15分で着くことが出来ます。フランクフルトからダルムシュタットまでの電車は1時間に2本程度となっていますので、乗り遅れにはくれぐれも気を付けましょう。

芸術都市として知られ、多くの人気観光地や劇場が存在するダルムシュタットは、日本ではメジャーな観光地ではないものの、フランクフルトからも近く、交通の便も良好です。ドイツ旅行の際にフランクフルトを観光するのであれば、お近くのダルムシュタットも忘れずに訪れてみてはいかがでしょうか。