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見どころ満載のサンマルコ広場とその周辺
水の都といわれるイタリアベネチア。そのベネチア島にあるサンマルコ広場とその周辺には、多くの歴史的観光名所が点在しています。ここでは、そのすべてを紹介するのは不可能なぐらい見どころ満載ですので、世界遺産としてのサンマルコ広場とその周辺の観光名所を中心に紹介し、さらには有名なカフェやホテルなども併せて紹介していきます。
サンマルコ広場とベネチアの歴史
イタリアの世界遺産、ベネチアとその潟、に含まれるサンマルコ広場は、697年から1797年まで1000年以上もの長きに渡って繁栄したベネチア共和国の政治の中心となった広場です。サンマルコ大聖堂の前に広がり、ドゥカーレ宮殿、コッレール博物館、旧行政庁、新行政庁、サンマルコ図書館などに面し、横幅82m、縦幅157mの広大さを誇ります。
キリスト教由来の人物を守護聖人として選ぶため、聖マルコの遺骸をエジプトのアレクサンドリアから持ち帰り祀り宮殿に納めたのが828年のことです。その後国家として軍事面の強化を図ると同時に貿易面でも繁栄を続け一時は地中海の覇者となります。しかしペストの流行とオスマン帝国の侵略に続き、最後はナポレオンの前に降伏し1797年消滅します。
映画旅情の舞台となったサンマルコ広場
1955年製作公開のイギリスとアメリカの合作映画「旅情」は、原題をSummertimeといい、ベネチアを舞台にキャサリン・ヘプバーンが主演した映画で不朽の名作といわれます。主題歌「ベニスの夏の日」も大ヒットしました。全編を通してベネチアの運河や建物などを見ることができ、ストーリーもさることながらその美しい街並みに心奪われます。
サンタルチア駅は、最後の別れのシーンに使われたホームです。後ろ髪を引かれる思いで列車の窓からレナードを探すジェーン。人混みの中から駆け寄って来るレナードは、何かをジェーンへ渡そうとするけれど、列車は無常にも二人を引き裂いていきます。そしてレナードの手にはくちなしの花が。ジェーンはいつまでも手を振り続けます。
この不朽の名作「旅情」は、AmazonなどからDVDとして販売されているのでぜひとも一度ご覧になってください。1時間42分の作品ですが、あっという間に見てしまいます。サンマルコ広場へ行こうとされる方は、これを見るだけで旅行の楽しみが倍増します。そしてサンマルコ広場とその周辺を歩くだけで、映画の中のワンシーンが蘇って来ます。
世界遺産ベネチアとその潟
世界遺産の登録数が最も多いとされるイタリア。2018年7月現在、その登録数は54件あり、中でも1987年に「ベネチアとその潟」として世界遺産に登録されたベネチアは、5世紀にアドリア海の干潟に築かれ、118もの小島から成り、数多くの橋でつながっています。サンマルコ広場とその周辺の歴史的な建築物がその世界遺産の中心を構成しています。
サンマルコ広場周辺の名所その1:サンマルコ大聖堂
ビザンチン様式のサンマルコ大聖堂は、823年に聖マルコの遺骸を得て国の守護聖人とし祀るために建てられました。その後976年の暴動によって一旦消失しますが、1090年代に再建され、それが現在の聖堂の基礎となっています。その威容は、キリスト教の旗の下に航海する東方の建物と形容され、ベネチア共和国の当時の繁栄ぶりを今に伝えています。
レンガで建物全体は築かれ、十字の各辺と交差部に大きなドームが5つあります。基部の正四辺形は大地を表わし、円蓋は天を表わしています。装飾を仕上げるための工事は12世紀から14世紀をつうじて行われ、個性的な正面扉口や内部は黄金のモザイク画で覆いつくされています。正面ファサードにあるモザイク画は、栄光のキリストと最後の審判です。
サンマルコ大聖堂は、入場無料で朝から観光客で賑わい長者の列ができますが、事前にネット予約で2ユーロを支払えば待たずに入場できます。有料となっている箇所があり、博物館が5ユーロ、宝物庫が3ユーロ、そして見ごたえある金の背障、パラドーロは、2ユーロとなっていますが、金額以上の価値があり、どれも必見の世界遺産としての観光名所です。
パラドーロは、祭壇の後ろに飾られた金色の背障で、上下2つの部分からなります。下部分は、聖マルコの物語、ベネチア共和国元首の肖像、全能者キリストを描いたもの、などが祭壇の前飾りとして1102年に描かれ、上部分は、大天使ミカエルの絵などで、1204年の十字軍の際の略奪品とされ、2つを結合し1927個の宝石が埋められています。
サンマルコ広場周辺の名所その2:ドゥカーレ宮殿
ドゥカーレ宮殿は、ベネチア共和国の立法、行政、司法を司った総督邸兼政庁であった建造物です。8世紀に創建され、14世紀から16世紀にかけて現在の形に改修されました。内部のきらびやかな部屋は、当代きっての画家ヴェロネーゼやティントレットのフレスコ画で彩られ、最も高貴な国と呼ばれた当時の繁栄ぶりが伺える荘厳さが広がっています。
ベネチアの玄関口、サンマルコ広場のジュデッカ運河に面したところにあり、白とピンクの大理石で飾られた壁面とゴシック風のアーチが連続した外観は、イスラム建築の影響も見られ、細やかな装飾に豪奢な造りとなっています。ドゥカーレ宮殿のファサードと共に、通行する人も、キャンバスに描いている人も美しい風景として溶け込んでいます。
内部を彩る大広間のひとつ上院ホールは、ベネチアで最も古い公的機関のひとつ上院メンバーによって開催される会合の場でした。このホールには、ティントレットの作品やヤコボパルマの4枚の絵画が描かれています。ベネチアの歴史を語る豪華絢爛で見るものを圧倒する壮大な作品の数々に、しばし時が経つのも忘れてしまいます。
ドゥカーレ宮殿には、豪華絢爛な大広間などの部屋とは対照的にもうひとつの顔である表側からは見えない執務室や裁判所、牢獄が隠されています。その全容が見られるのはSecretItinerariesTourというイタリア語、英語、フランス語のガイドつきのおすすめのツアーです。現在、表の宮殿同様、写真撮影が可能となっています。
ドゥカーレ宮殿のナイトオープン企画2018が開催中!
ドゥカーレ宮殿では、2018年10月31日までの毎週金曜と土曜の週末、23時まで開館しています。最終入場は22時までとなっています。日中の観光客で賑わう時間を避けて、静かな夜に過去と現在を感じることのできるドゥカーレ宮殿のナイトオープン企画をぜひ体験してみてはいかがでしょうか。また違った雰囲気の観光名所を味わうことができます。
サンマルコ広場周辺のその3:カナルグランデの建築群
カナルグランデは、世界で最も美しい通りと称され、両岸に並ぶ建物の建築様式がロマネスク、ゴシック、バロック、ルネサンスなど、異なる様式でありながら、それぞれが見事に調和した美しい街並みを形成しています。世界遺産でもあるその名所は、ベネチアの街を2分割するようなS字形に流れる大運河に囲まれており、長さは3800mにも及びます。
車の乗り入れができないベネチアの通行の足は船です。市内の街を観光で巡るにはバポレットと呼ばれる水上バスが便利です。映画「旅情」の冒頭で、ベネチアを訪れたジェーンが乗るのがこのバポレット。運河をまるで一般道路のように走り、途中信号があったり、警察船がサイレンを鳴らしながら通っていったり市民の足として活用されています。
サンマルコ広場周辺の名所その4:リアルト橋
世界遺産に登録されているリアルト橋は、ベネチアを流れるカナルグランデに架かる橋のひとつで、別名白い巨像とも呼ばれています。長さが48m、幅22m、水面からの高さは7.5mあり、橋の下を船が通ることを念頭においた設計で単一のアーチ型の太鼓橋です。このリアルト橋から眺めるカナルグランデの眺めが素晴らしい美しさです。
この広いリアルト橋の上には、カフェや土産物店が数多く並んでおり、サンマルコ広場へ通じるメルチェリエ通りに続いています。特にベネチアングラスは有名でおすすめです。映画「旅情」の中で登場する、ジェーンのお相手役レナードが土産物屋の店主で、ジェーンがウインドウに飾ってあって一目ぼれしたのが赤いベネチアングラスでした。
サンマルコ広場周辺の名所その5:フランケッティ美術館
世界遺産として登録されているフランケッティ美術館は、15世紀初頭に建設された貴族コンタリーニの館で、19世紀末にフランケッティ男爵の所有となり、1922年に国に譲渡され、修復後にフランケッティ美術館として公開されています。1階が玄関ホール、2階と3階が客間と居住区になっており、商館と住宅を兼ねていました。
館内には、北イタリアルネサンスを代表するマンテーニャの「聖セバスティアーノ」やパルメッザーノの「2人の天使の憐れみ」などの有名な作品が多く収蔵されています。ファサードはベネチア風花模様がデザインされたやわらかな曲線が印象的でベネチアゴシック様式の傑作といわれています。2階バルコニーの装飾も美しく、ここからの眺めも抜群です。
サンマルコ広場にある歴史的カフェ
サンマルコ広場にあるベネチア最古のカフェ、カフェフローリアは、テラス席でもカフェとクラシックの生演奏などが楽しめます。映画「旅情」のワンシーンで幾度となくジェーンとレナードがしばしの逢瀬を過ごしたカフェです。ストーリーと共にベネチアの美しい街並みそのものが物語の一部となって見るものの感動を誘います。
不朽の名作映画「旅情」の中で、キャサリンヘップバーン扮するジェーンがレナードと出会うシーンがこの場所でした。映画の中では、サンマルコ広場をはじめサンマルコ大聖堂、ドゥカーレ宮殿、カナルグランデの建物、そして運河が存分に出てきます。1955年制作のこの映画を見て思うのは、今現在と変わらないベネチアがそこにあります。
カフェフローリアは、カフェに来ているというよりは、カフェフローリアというブランド店に来ている雰囲気です。1800年代の装飾がそのまま残り、キラキラと眩いばかりの黄金壁には絵画がズラリと飾られ、美術館のような内装が優雅な時間を提供してくれます。値段はカフェイン抜きの大麦デカフェが6.5ユーロから。日本円にして約860円です。
住所:PiazzaSanMarco57Venezia30124ITALY
電話番号:39-041-5205641
サンマルコ広場を埋め尽くすアックアアルタ
水の都ベネチアにはアックアアルタという独特の現象があります。高潮と吹き荒れる風によってベネチアの街の内部まで浸水してしまう異常潮位現象のことで、秋から春にかけてに主に発生します。アックアアルタが発生すると水の都ベネチアは水没の都に大変身してしまいます。商店街の土産物屋で長ビニール靴カバーが売っていて便利です。
浸水した街中に欠かせないのが、歩行者が水に濡れずに通行できるように設置される、鉄の支柱と木製の厚い板で作られたギャングウェイという即席の通路です。水が引いてしまうと、このギャングウェイが歩き疲れた観光客の長椅子代わりにもなっています。アックアアルタ現象もそれはそれで珍しい体験として旅の思い出になります。
サンマルコ広場周辺の宿泊施設
AlbergoCavalletto&DogeOrseolo
1308年創業のアルベルゴカバレットは、ベネチア最古のホテルのひとつです。サンマルコ広場すぐ後ろにあり、エレガントな客室と専用の桟橋があります。客室はすべてクラシカルなベネチア風で、オルセオロ運河に浮かぶ美しい景色を望む客室もあります。バーと朝食ルームからも運河が見え、種類豊富なビュッフェ式朝食が用意されています。
住所:PiazzaSanMarco1107Venezia30142ITALY
電話番号:39-041-5200955
イタリアベネチアへのアクセス方法
成田からベネチアマルコポーロ空港までの飛行時間は平均14時間55分です。2014年4月から成田からベネチアへのアリタリア航空直行便が運行しています。アリタリア航空の公式サイトで見ると、10月下旬の日曜、月曜出発で7日間往復、燃油サーチャージ、税金などすべて込みで114180円となっています。詳しくは、アリタリア航空へお問合せください。
空港からサンマルコ広場へのアクセス
ベネチア空港はベネチア本島ではなく、イタリア本土側に位置しています。空港から市内へのアクセス方法は、車で行く陸路と船で行く水路の2通りがあります。水上バスは、ベネチア本島の中心部にあるサン・マルコ広場までダイレクトに行けます。サン・マルコ広場周辺のホテルに宿泊する方は、地上バスではなくこちらがおすすめです。
人気の名所サンマルコ広場を訪れよう
イタリアアドリア海の干潟に人工的に造られた街、ベネチア。その中心に造られたサンマルコ広場は、ベネチア共和国の中核を成す広場として、今もその歴史を伝えています。この美しい水の都、ベネチアの歴史を司るサンマルコ広場とその周辺をぜひ一度訪れて見てはいかがでしょうか。一生の思い出として残ること間違いなしです。
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