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秘境!絶景!イタリアの『青の洞窟』
世界の絶景の中でも知名度の高いイタリア・カプリ島の『青の洞窟』。チャンスがあれば一生のうちに1度は行ってみたい『青の洞窟』ですが、入場するにはいくつもの難関があります。こちらでは『青の洞窟』観光の注意点や情報などをご紹介していきます。
イタリア『青の洞窟』観光情報と注意点①:『青の洞窟』ってなに?
イタリア南部・カプリ島にある"海食洞"であり、観光名所です。"海食洞"とは海に面した陸地が波によって削られて崖となり地層の岩質の種類により一部がさらに波により浸食されて洞穴のような洞窟を作るものです。長い時間と歴史をかけて自然に作られた芸術作品です。
イタリア『青の洞窟』観光情報と注意点②:『青の洞窟』が青いワケ
カプリ島の『青の洞窟』といえば波打ち際の洞窟の中に幻想的に広がる"青い世界"で有名ですが、なぜ『青の洞窟』は洞窟の中なのに青いのかご説明しましょう。『青の洞窟』の内部、下(海底)部分は白い石灰岩で出来ています。洞窟の入り口から入る光が白い海底に反射することで、まるで夜にプールを下からライトアップした時の様に青い光が洞窟内部に広がります。
イタリアのカプリ島にある
— keisuke ikeda (@sYd4DXjf0eGMd0z) July 28, 2017
青の洞窟(^O^)
めっちゃきれいだわー!!pic.twitter.com/txpqrWVDff
洞窟には手漕ぎボートで入っていくのですが、その景色は言葉にできないほど美しく、洞窟の中の独特な潮の香りと幻想的な青い世界にいると、その神々しさに自然の偉大な力と地球という美しい星に生まれたことに感謝したくなるほどの絶景です。
イタリア『青の洞窟』観光情報と注意点③:『青の洞窟』の伝説
『青の洞窟』は紀元前後から、別荘地としてローマ皇帝に愛されていましたが、長い歴史の中で忘れられていました。『青の洞窟』が脚光を浴びることになったのは19世紀の前半にドイツの作家(August Kopisch)がこの洞窟の美しさを小説にしたがきっかけでした。
また、この洞窟内には、ポセイドンやトリトンなどの海の神の彫刻が見つかっており、ローマ皇帝たちが、プライベートで泳ぐために使用したり、入浴したりする目的で使用していた可能性があり、現在ではボートで行かなくてはいけない『青の洞窟』ですが、実は陸から洞窟までつながる地下道があったのではないかとも言われています。
イタリア『青の洞窟』観光情報と注意点④:ベストシーズン
『青の洞窟』の観光で一番注意しなければいけないのが"ベストシーズン"です。青の洞窟に入るためには様々な条件があります。まずは"天候"青の洞窟の入り口までは手漕ぎボートで行きますので、雨の場合はほとんどの確立で入場することができません。
ツアーのボートから船頭がいる手漕ぎボートに乗り換えて青の洞窟に13:50頃無事入れた:exclamation:️公式情報によると午後12〜2時が一番いいらしい。とてもきれいだった。それにしても入り口はほんとに小さいんだね。 #とらのナポリ旅行 #とら旅行 pic.twitter.com/PcxS0BHX4p
— とら(Steve) (@torachitech2) July 23, 2015
次に問題になるのは"波と風"です。洞窟は幅2メートル、高さ1メートルの小さい入口しか入れないので波が高いと すぐにその入り口が波でふさがってしまいます。風が強くても波が高くなるので、手漕ぎボートの操作が大変難しくなり、入場はできません。
では一番入場できる確率が高いベストシーズンはいつなのでしょうか?年間の「降水確率」を調べてみると、6月から8月が一番雨が降る確率が少ないようです。また、そのほかの条件がすべて揃って入場できたという確率はやはり6月から8月が80%以上という高確率です。
青の洞窟入ってきた!
— a m i (@1015_nakura) April 7, 2017
入れる確率はめっちゃ低くて今回も入れるか微妙やったらしい:scream:
入れてよかった:joy: pic.twitter.com/kml7cfhunH
ベストシーズンは6月から8月ということですが、やはりその間は観光客も多く集まるので、待ち時間が長くなってしまうことは覚悟しなくてはなりません。逆にベストシーズンではありませんが、11月から2月は入場確率が低い(0から20%程度の)分、条件がそろえば待ち時間は少なくて済みます。いずれにせよ100%の確立はだれも保証できませんので、結局は"運"ということになってしまいます。
イタリア『青の洞窟』観光情報と注意点⑤:『青の洞窟』観光ツアー
『青の洞窟』はカプリ島、つまり島にありますので、本土よりまず船に乗ってカプリ島を目指し、さらに船に乗って『青の洞窟』の入り口を目指し、さらにさらに手漕ぎボートに乗り換えて、というように、アクセスが容易ではありませんが"秘境"ですので仕方がないでしょう。
旅慣れている方やイタリア語が得意な方はツアーに参加せずとも自力で絶景にたどり着けるでしょうし、多少トラブルがありながらもそれを"旅だ"と楽しめる人はそれもまた旅の醍醐味なのかもしれませんが、旅慣れていない方や、言葉に自信がないという方にはツアーをおすすめします。
ツアーは大体ローマもしくはナポリ発のツアーです。ローマ発の場合は(日本語ガイド、食事付きで)200ユーロ前後で、ローマ市内で集合し、高速道路を使って車(バス)でナポリの港まで行きます。ナポリの港からカプリ島の港マリーナ・グランデまでは高速艇で45分。そのあとモーターボートで洞窟の入り口まで30分。入場までは最大2時間ほど待つこともあります。ナポリ発のツアーは150ユーロ前後です。
また、ツアーをおすすめするのにはもう一つ理由があります。先ほど説明したように、『青の洞窟』周辺の風は"きまぐれ"なので、ベストシーズンにせっかくツアーを予約しても100%の確立で入場できるとは限りません。もしも『青の洞窟』が入場できない場合にはすぐに『ポンペイ』観光などに行き先を変更してくれるので(ツアーによりますが)、貴重な観光の時間を無駄にすることがありません。
イタリア『青の洞窟』観光情報と注意点⑥:服装
ベストシーズンを狙っていくと当然季節は夏、気温は30度を超えることもあります。また海沿いは日差しも強いので日焼け止めや帽子(目が弱い人はサングラス等)も必須です。また、船を乗り換えたり、狭い洞窟の入り口では手漕ぎボート上で頭がぶつからないように寝そべるようにに言われたりするので、滑らない靴や女性ならパンツルックを強くおすすめします。
イタリア『青の洞窟』観光情報と注意点⑦:船酔い対策
カプリ島の『青の洞窟』にたどり着くまでには船を何回も乗り継ぎます。また、洞窟に入るまでの間、船の上で最大2時間も待たされる場合もあります。するとかなり高い確率で、"船酔い"を起こします。せっかくの絶景を目の前に吐き気や頭痛と戦うというのはつらいものがありますので、船酔い対策について少しご紹介します。
まず前日の大量のアルコールは控えましょう、時差があるので寝不足になりがちですが、前日はゆっくり睡眠をとりましょう。また、服装も余裕のある服にしましょう。腹部などが圧迫されて具合が悪くなるようなものは避けましょう。また船に乗る前に本当に軽く食事をとることもよいとされています。例えばおにぎり1個くらいのボリュームをイメージしましょう。
@moconeko7 同じ愛知県民なんて、なんか嬉しいです。よろしくお願いします。船酔いの件ですが、うちの旦那がひどくて毎回苦労しています。トラベルガムと言う乗り物酔い用のガムを食べたり、船のデッキに出て風に当たったりしています。 pic.twitter.com/EQhcPhSu
— Kylie (@angelokylie) April 8, 2012
それでも自信がなければ"酔い止め薬"を日本から持参しましょう。乗り物に乗る何分前に飲むとか処方がありますので、必ず説明書通りに服用しましょう。万が一薬を忘れてしまったら、イタリアで(カプリ島に行く前に)入手しましょう。イタリアの薬局で売っている"TRAVEL GUM"という酔い止め薬が入ったガムはおすすめです。船で気持ち悪くなってしまったら我慢せずに海に吐いても大丈夫です。
イタリア『青の洞窟』観光情報と注意点⑧:船頭さんへのチップ
青の洞窟の入り口はとっても狭いので4〜6人乗りの手漕ぎのボートで入ります。船頭さんの技術はやっぱりすごい! pic.twitter.com/ctzbeI1ONh
— 座高 (@zakoizumi) September 12, 2014
『青の洞窟』へ訪れた方々はみなさんその美しさに圧倒されて帰ってくるのですが、たまに「手漕ぎボート」の船頭さんと揉めたという方がいらっしゃいます。「手漕ぎボート」の船頭さんは洞窟の中に入るとイタリアの民謡であるカンツォーネを歌ってくれます。
カプリ島 青の洞窟行けました:sparkles:
— Hana (@Hana61321360) March 31, 2016
モーターボートに手漕ぎボートがロープで何艘も繋がれ1番乗りでした:two_hearts:何て綺麗な青か感動です。
静寂の中船頭さんのカンツォーネが洞窟に響き渡り 真っ暗の中の青 神秘的な体験でした:heart_eyes: pic.twitter.com/aBfyp7trCD
ご存知の方も多い"オー・ソレ・ミオ"(私の太陽)はカプリ島にほど近いナポリの民謡ですので、幻想的な洞窟の中で地元の歌を聴けるのは格別です。が、イタリアは"チップ"がある国です。ホテルやレストランで心地よいサービスを受けたらチップを渡すのが通例です。
雨パラついてまぁまぁ濡れたけどなんとか見られた!青の洞窟!船頭にチップ1人10ユーロとか吹っかけられて半額にしたけどそれでもまだふっかけだよね。 pic.twitter.com/XLvbbdIE
— yuichi nakasone (@sonechiko) October 1, 2012
もちろん、『青の洞窟』の中でも船頭さんのサービスに感動したらチップを渡しましょう。このチップはツアーの場合でも料金に含まれていないことがほとんどです。通常は一人頭2から3ユーロも渡せば十分ですが、たまに1人10ユーロ以上請求してくる"悪徳船頭"がいます。日本人だからといって少々甘く見られているのかもしれません。絶対に必要以上のチップを渡さないようにしましょう。
イタリア『青の洞窟』観光情報と注意点⑨:カプリ島の観光
【カプリ島】イタリア
— 行ってみたい世界のリゾート地 (@impolitercneo4) July 27, 2017
カプリ島は、イタリア南部のティレニア海にある島。約10km2程度の小さな島だが、風光明媚な土地として知られ、イタリアにおける観光地の1つとなっている。 pic.twitter.com/izKLzOItpx
万が一、天候により『青の洞窟』に入れなかった時はカプリ島の島内を観光しましょう。カプリ島は面積が10キロ平方メートルほどの小さな島なのですが、『青の洞窟』をはじめとする美しい景観で観光客に人気の島で、島の中心部であるカプリにはプラダやグッチなどといったイタリアの高級ブランドやフランスの高級ブランド店も軒を連ねます。
島の玄関口である「マリーナ・グランデ」からカプリの町にはケーブルカーで上がります。また、カプリの町は白壁の建物がずらりとならび、優雅にウィンドウショッピングができます。また、ところどころに公園などもあり、コバルトブルーの海を下に眺めることができます。
カプリの街の次は"アナカプリ"の町を散策してみましょう。洗練されたカプリに比べてアナカプリは昔ながらのカプリの面影を残す町です。カプリの町からバスに乗ります。所要時間は15分ほどです。バスで素晴らしい景色の断崖絶壁のカーブを走っていく様子は映画のワンシーンのようです。
また、カプリ島は「レモン島」とも言われるほどのレモンの名産地でイタリア発祥のリキュール"リモンチェッロ"の名産地でもありますのでお土産にもおすすめです。また、日本でもおなじみのスライスしたトマトにモッツァレッラチーズ、バジリコなどを添えたサラダ"(インサラータ)カプレーゼ"は"カプリ島風のサラダ"という意味です。
"今だけ"の世界遺産『青の洞窟』へ行こう!
憧れの『青の洞窟』ですが、船をいくつも乗り継がなくてはならないし、ベストシーズンを狙わないといけないのにこれほど人気がある理由は、この自然が作り出した絶景が、人間のせいで(地球の温暖化により)水面が上がり、いずれはなくなってしまうという貴重なものであるからです。"今だけ"の世界遺産は私たちに自然の美しさと自然環境の大切さを教えてくれます。ぜひ"今こそ"『青の洞窟』へ行きましょう。
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