ブザンソンはどんなところ?
フランスのフランシュ・コンテ地区の中心的都市ブザンソンは、ジュラ山脈の麓に位置し、丘陵と川に囲まれた自然の要塞に守られています。スイス国境にも近く、古くから軍事的に重要な拠点とされてきました。毎年9月に開催されるブザンソン国際指揮者コンクールも有名です。魅力あふれるブランソンの観光スポットについて、ご紹介します。
ブザンソンの観光スポット①:城砦(シダデル)
ブザンソン観光の最大の見どころは、ヴォーバンの城砦(Citadelle)です。ヴォーバンは、ルイ14世時代の17世紀に活躍した軍事建築家で、生涯に150城砦の設計、53の城砦包囲攻撃を指揮したと言われています。ヴォーバンが築いた城砦の内、14の城砦が2008年に世界遺産に登録されており、ブザンソンの城砦は最高傑作と言われてます。
海抜100mの高台の約12ヘクタールを取り囲む城砦内には、レジスタンス・強制収容所博物館(Musée de la Resistance et la Patation)、コンテ民族博物館(Musée Comtois)、動物園(Zoo)、夜行性動物館(Noctrium)、水族館(Aquqrium)、昆虫館(Insectarium)、農園(Farm)、レストラン、ギフトショップなどがあります。
Quelle jolie vue sur la ville depuis la citadelle de #Besançon :grin:
— Montagnes du Jura (@montagnesdujura) August 28, 2017
:camera:tangimo pic.twitter.com/fLPSkSTeYD
城砦から見渡すブザンソンの旧市街やドゥー川の風景は、大変美しく見どころの1つです。城砦の開館時間は、10月末頃から3月末頃までは、10時から17時、3月末頃から6月末頃・8月末頃から10月末頃までは、9時から18時、6月末or7月から8月末頃までは、9時から19時になります。月末に見学するときは、開館時間にご注意ください。
城砦の入場料は、4月から12月末までは、大人10.60ユーロ、1月から3月末までは、8.50ユーロになり、学生・家族割引があります。英仏独語のガイドツアーも開催させてます。入場料には、城砦内にある博物館の入場料も含まれるので、観光の時間に合わせて博物館や動物園を観光する方がお得ですが、全部見学すると1日は必要になります。
住所:99 Rue des Fusillés de la Résistance, 25000 電話:3-81-87-83-33
ブザンソンの観光スポット②:ノワール門(黒の門)
石造りのブザンソンの街のメイン通り「グランド・リュ」を城砦方向へ向かうと、古代ローマ時代の劇場跡が残るスカタン広場があり、すぐ近くにノワール門(Porte Noire)があります。ノワール門と言っても黒い門ではなく、2世紀の古代ローマ時代の彫刻が見どころの古い凱旋門になります。
赤と黒 (上) (新潮文庫) スタンダール 小林 正
— マボロシ (@a_bay1209) July 12, 2017
製材小屋のせがれとして生れ、父や兄から絶えず虐待され、暗い日々を送るジュリヤン・ソレル。彼は華奢な体つきとデリケー... ★4.5 https://t.co/x2wYOpIWSn pic.twitter.com/uP30CQZrOY
ブザンソンは、19世紀のロマン主義の作家、スタンダールの長編小説「赤と黒」の舞台になったことでも有名です。主人公ジュリアンは、ブザンソンで神学校に通ったと書かれています。タイトルの「赤と黒」は、軍人の制服の赤と聖職者の衣の黒を表現していると言われ、フランス・王政復古時代の社会批判が表現されています。
ブザンソンの観光スポット③:サン・ジャン大聖堂
ノアール門を通り越すと、サン・ジャン大聖堂(Cathédrale Saint-Jean)があります。サン・ジャン大聖堂は聖ヨハネを祀っている教会で、3世紀頃から築かれ、9世紀や11世紀に大規模な増改築が行われました。そのため、外観は、ロマネスク、ゴシック、バロック様式が融合している大聖堂になっています。
La cathédrale de Saint Jean.
— 高橋梓 (@Azusa_fr_2015) August 19, 2015
ブザンソンのサン=ジャン大聖堂。 pic.twitter.com/WN48LiU0MF
大聖堂の中には、4世紀に作られた「サン・ジャンのバラ」と呼ばれる円形の白い大理石の祭壇や、美しいステンドグラスの窓、イタリアの画家フラ・バルトロメオ作「聖人といる聖母」などの30枚あまりの絵画が飾られており、サン・ジャン大聖堂の見どころになっています。
住所:Rue de la Convention, 25000 電話:3-81-82-60-20
ブザンソンの観光スポット④:天文時計台
サン・ジャン大聖堂内の左側の階段を上がると19世紀に3000もの部品を使って作られた天文時計台(L’Horloge Astronomique)がある部屋に行けます。9時50分、10時50分、11時50分、14時50分、15時50分、16時50分、17時50分になると部屋の扉が開けられ、フランス語のガイドより、天文時計台について説明をしてくれます。
@fxverger nommé administrateur de l'horloge astronomique de la #cathédrale de #Besançon. @villedebesancon @leCMN pic.twitter.com/lx8bNNJp8W
— abbaye de Cluny (@AbbayeDeCluny) November 5, 2014
天文時計台には39個の時計盤があり、それぞれに何を示しているかの意味があります。定刻になると天文時計台が動き出し、上部からは5体のからくり人形が出てきます。休館日は毎週火曜日、10月から3月の水曜日、特定日です。見学料金は3ユーロになります。天文時計台は、時計の街ブザンソン観光の見どころの1つです。
ブザンソンの観光スポット⑤:グランド・リュ
グランド・リュ(Grande Rue)は、ドゥー川にかかるバタン橋を渡り、川沿いのヴォーバン通りを横切った付近から、ヴィクトル・ユーゴー通りまでのブザンソンのメイン・ストリートです。グランド・リュの一部は歩行者天国になっており、様々なショップが軒を連ねていますよ。
ブザンソンの観光スポット⑥:ヴィクトル・ユーゴーの家博物館
レ・ミゼラブルで有名なフランスの詩人であり小説家のヴィクトル・ユーゴーは、軍人の父親の赴任先であったブザンソンで誕生しました。生後6週間目には、一家はマルセイユへ引っ越してしまいますが、生家は博物館(Maison Natale de Victor Hugo)になっています。博物館の階段には年代別にユーゴーについての説明があります。
RT @villedebesancon & @arthurmdcr : Qui est qui ?#Besancon à la Maison Natale De Victor Hugo pic.twitter.com/BS0WDCE9Hk cc @leCMN via @dbelpois
— Aurélie DELAUNAY (@AurelieDelaunay) June 16, 2014
開館時間は4月から10月の水曜日から月曜日は10時30分から18時、11月から3月の月曜日・水曜日から金曜日は10時30分~17時30分、学校の休暇期間と週末は10時30分から18時、休館日は火曜日になります。入館料は大人2.5ユーロ、学生や団体などの割引料金で1.5ユーロになります。
住所:140 Grande Rue, 25000 電話:3-81-87-85-35
ブザンソンの観光スポット⑦:時の博物館(グランヴェル宮殿)
Une entrée gratuite pour le titulaire de la carte et un accompagnateur au Musée du Temps de Besançon :blush: - https://t.co/WE1SfQcxpY pic.twitter.com/ObZeJVhVQb
— Avantages Jeunes FC (@AvantagesJeunes) July 17, 2017
グランド・リュ沿いには、16世紀に建てられたルネッサンス様式のグランヴェル宮殿(Palais GRANVELLE)があり、2002年に宮殿の中に「時の博物館」が開設されました。グランヴェル宮殿の塔には高さ13.11メートル、直径4.5メートルのフーコーの振り子が設置されており、地球の自転を確認できる、見どころの1つです。
時の博物館(Musée du Temps)の1階は、時計や時の歴史について展示されており、2階は様々な技術によって作られた時計などが展示されています。天文時計から電波時計やクォーツ時計から原子時計まで、時計や時について、過去から最新技術まで、時計の街ブザンソンならではの見どころが詰まっている博物館ですよ。
開館時間は、火曜日から土曜日は、9時15分から12時・14時から18時、日曜日と祝日は10時から18時になります。休館日は毎週月曜日と特定日(1月1日、5月1日、11月1日、12月25日)です。入場料は大人5ユーロ、子供は無料になります。フランス語になりますが、毎週日曜日の15時・16時30分から無料のガイドツアーが開催されています。
住所:96 Grande Rue, 25000 電話:3-81-87-81-50
ブザンソンの観光スポット⑧:アルク・エ・スナンの王立製塩所
La Saline Royale d'Arc-et-Senans, à proximité de Besançon, est l'œuvre de Claude Nicolas Ledoux. Sa construction, … https://t.co/2iOJjCfaxs pic.twitter.com/7YlwZdBuUI
— VacancesRéunion (@VacanceReunion) May 14, 2017
ブザンソン近郊のアルク・エ・スナンに建つ王立製塩所(Saline Royale)は、フランス建築家クロード・二コラ・ルドゥによって設計され、1778年から1895年まで製塩所として稼働していました。1982年には世界遺産に登録され、2009年に登録名称が変更されています。
フランシュ・コンテ地方の地下には、岩塩の鉱脈があり、「白い金」と呼ばれていた製塩が盛んに行われていました。現在、王立製塩所は博物館になっており、旧製塩工場群と設計者のルドゥー記念館 の2つの展示館を見学することができます。敷地内には、ホテル、レストラン、ギフトショップが併設されています。
開館時間は、11月から3月は9時から12時・14時から17時、4月から5月と10月は9時から12時・14時から18時、6月と9月は9時から18時、7月と8月は9時から19時です。休館日は1月1日と12月25日になります。入場料は大人8.8ユーロ、16歳から25歳は6ユーロ、6歳から15歳は4.50ユーロ、6歳以下は無料になります。
英仏独語のツアーガイドやオーディオガイド代は2.20ユーロ、スマートフォン用のアプリガイド代は1.79ユーロ、日本語の小冊子は3ユーロでチケット売場で販売されています。ブザンソンから約35km離れているアルク・エ・スナンへの行き方は、ブザンソンのヴィオット駅(Viotte)から電車で約30分、ブザンソン市街から車で約40分です。
住所:Grande rue Arc-et-Senans, 25610 電話:3-81-54-45-00
ブザンソンへの行き方
パリからブザンソンへの行き方は、高速鉄道TGVを利用することになります。パリからブザンソンまでの所要時間は、最短で2時間13分から最長で4時間27分、平均で3時間12分になります。パリの発着駅はリヨン駅かベルシー駅になり、ブザンソンの到着駅はヴィオット駅(Viotte)かFranche-Comté TGV駅(Fcte Tgv)になります。
電車によっては、パリ・リヨン駅からTGVでディジョンへ行き、一度乗り換えて在来線でブザンソンのどちらかの駅へ向かいます。パリ・リヨン駅からディジョンまでは約1時間40分、ディジョンからブザンソンまでは約1時間10分程度です。Fcte Tgv駅からヴィオット駅への行き方は、在来線を利用し、所要時間は約15分になります。
パリのリヨン駅から満員で出発したTGVも、ディジョンやブザンソン等の停車駅でみんな降りちゃって、終点のミュルーズを前に私一人貸し切り状態。 pic.twitter.com/0DYNKnuUaQ
— mika (@leCours_mika) April 26, 2015
パリからブザンソンまでは、1日に27便、約26分間隔にTGVが運行されています。また、マルセイユ、リヨン、アヴィニョンなどのフランスの都市、スイスのバーゼル、ドイツのフランクフルトからもTGVでアクセスすることが出来ますが、一番おすすめな行き方は、パリ・リヨン駅からブザンソン・ヴィオット駅へのアクセスになりす。
ブザンソン観光をするには、ドゥー川の東側にあるMouiller駅を利用するのが観光スポットや旧市街に一番近く便利です。ヴィオット駅からMouiller駅への行き方は、在来線で約4分、徒歩で約20分になります。Fcte Tgv駅からMouiller駅への行き方は、在来線で約20分になります。
城砦と時計と緑の都市ブザンソン観光を満喫しよう!
日本では知名度の低いフランスの都市ブザンソンですが、パリから約3時間程度でアクセスができる都市です。城砦と時計で有名なブザンソンは、コンテチーズやヴァン・ジョーヌという黄色いワインの産地でもあります。フランスを訪れたら、是非ブザンソンまで足を延ばし観光を満喫してみてくださいね。
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