丸池様へのアクセスは？パワースポットとも言われる神秘の泉！

豊かな自然残る山形県に、まるで異世界にいるかのような感覚をおぼえる丸池様という泉があります。手つかずの原生林の中に現れる神秘的なエメラルドグリーンの泉は、つい引き込まれて時間を忘れてしまうほどの美しさ。パワースポットとしても知られる丸池様の秘密と伝説に迫ります。

日本海に面し、豊かな自然が多く残る山形県。地元の人々に母なる川と呼ばれて親しまれている最上川や県内の85%を占める山々の恵みは、美味しいお米、さくらんぼや梨などのフルーツ、温泉、木を使った工芸品など多くの特産品を山形県にもたらしてくれています。

たくさんの魅力にあふれた山形県は毎年4500万人余りの観光客が訪れる、大変人気の高い観光スポットです。その中でも特に注目したいのが手付かずでそのままの姿をとどめた自然風景や、パワースポットと呼ばれる自然エネルギーにあふれた神秘的な場所が数多く存在しているという点です。

巨大な岩の上に切り立ち絶景を楽しむことのできるお寺や、古くから人々の信仰を集めていた由緒ある神社、かつて修業の場として用いられてきた滝など山形県内に数あるパワースポット。その中でも特にお勧めしたいのが神秘的なエメラルドグリーンに輝く泉、丸池様(まるいけさま)です。

古くより人々の信仰を集め、敬われてきた丸池様。まるで違う世界足を踏み入れたかのような感覚に陥る神秘的な泉を、丸池様に伝わる伝説や見どころ、アクセス方法などを交えてご紹介いたします。自然が創り出した芸術をどうぞ心ゆくまでご堪能ください。

知る人ぞ知るという存在の丸池様は、まさに秘境と呼ぶにふさわしい鳥海山の麓にひっそりとたたずんでいます。地元山形県民でも存在を知らないということが多くあり、実際にその姿を見たとき感嘆のあまりに言葉を失ってしまうほどです。

清浄な空気に満たされた静かな原生林を通り抜けた先に、唐突に現れてくるエメラルドグリーンに輝く丸池様。見る者の心を惹き付ける神秘的な泉は、時を忘れて見入ってしまうほど美しくパワースポットにふさわしい自然エネルギーを湛えています。

この神秘的にエメラルドグリーンに輝く丸池様にはとある伝説が残されており、古くから人々の信仰の対象として大切に祀られていました。丸池様に伝わる伝説や、鮮やかに輝く丸池様の見どころを項目に分けて詳しくご紹介いたします。

丸池様に伝わる伝説は平安時代末期である1083年から1087年に奥羽地方、現在の東北地方で行われた後三年の役(ごさんねんのえき)という合戦に基づいています。清原家(後の藤原家)と源氏の間で行われた合戦で、源氏側の武人に鎌倉景政(かまくらかげまさ)という16歳の若者がいました。

あるとき清原氏側の攻撃によって右目を射ぬかれてしまった景政が、三日三晩もの間敵を探し続け見事討ち取りました。そしてその合戦の後傷つけられてしまった右目を丸池で洗い、池に住んでいる魚たちは景政に敬意を表して片目になったという伝説です。

その後丸池は神社が建てられ、泉そのものが御神体となって丸池様と呼ばれるようになりました。目を洗ったという伝説から目の神様とされることもあり、泉の水で目を洗うと目が良くなるといった逸話も残されています。

丸池様を一目見たときまず心惹かれるのが、神秘的に輝く鮮やかな泉の色です。直径20メートルにわたる丸い泉に満たされたエメラルドグリーンは、まるで異空間に居るかのような神々しささえ感じさせてくれます。

泉の色は基本的には鮮やかなエメラルドグリーンですが、透き通った水が太陽の光を反射して見る度に微妙に異なる表情で私たちを楽しませてくれます。泉を見る角度を少し変えるだけでも、グリーンからブルーへと変化するなど何度訪れても新鮮な驚きがあります。

良く晴れた日の美しいエメラルドグリーンや吸いこまれそうなほどに深いブルーもお勧めですが、薄く靄がかかった中に浮かび上がる丸池様は大変幻想的であり、時が止まったかのような不思議な感覚を味わうことができます。どのような色をしているかは当日の天候状況に左右されますので、ぜひ何度も足を運んでみてはいかがでしょうか。

丸池様を見るうえでもう一つ驚くことは、泉の透明度の高さです。周囲およそ20メートル、深さおよそ5メートルの丸池様はすぐそばを流れている牛渡川(うしわたりがわ)の伏流、すなわち湧水のみで創られた100%天然水の泉です。

泉の表面をよく観察していると、ポコポコと底から水が沸き上がってきている様子がわかります。泉の中はとても冷たく常に循環しているために倒木が朽ち果てず、まるで泉の底に竜が潜んでいるかのような風景を楽しむことができます。

また大変泉の水がきれいであるために、泉の中には今や絶滅危惧種(レッドリスト)に登録されている魚が多く生息しているといわれています。丸池様周辺の原生林をはじめとして生息している魚も保護対象となっていますので絶対に捕獲をしないようにお願いいたします。

山形の秘境丸池様は、山形県飽海郡遊佐町直世字箕輪地区(やまがたけんあくみぐんゆざまちすぐせあざみのわちく)という場所にあります。長い地名の上住所検索をしてもなかなかたどり着くことができないため、丸池様へのアクセスはやや難しいといえます。可能であれば丸池様へのアクセス方法に明るい知人などに頼ることをお勧めします。

地元住民ですら知らない可能性がある丸池様ですが、いくつかあるアクセスのコツをご紹介いたします。丸池様へのアクセスのポイントとなってくるのが、箕輪鮭ふ化場です。ふ化場への案内看板に沿って車を走らせるとやがて丸池様及び牛渡川への方向を示す鮭の形の看板が登場します。

車はふ化場周辺に停めることとなりますので、ルールとマナーを遵守し迷惑とならないよう気を付けてください。泉までへの方向は鮭の看板が指示してくれるので、徒歩で川沿いの遊歩道を歩いていきます。やがて原生林が出迎えてくれ、いよいよ泉との対面を果たすことができます。

それではここで神秘的な泉を有する鳥海山(ちょうかいさん)のことについてご紹介をいたします。雪を被った姿が富士山に似ていることから出羽富士(でわふじ)とも呼ばれ、地元住民の誇りとして広く親しまれています。

標高2236メートルの霊峰がもたらす恵みは多く、雪融け水が豊かな沢を造り出して田畑や植物を潤してきました。地元の人々にとって鳥海山は、生活する上で欠かすことの出来ない大切な守り神でもあるのです。

日本百名山にも選ばれている鳥海山は登山家にも人気が高く、多くの人が訪れています。とても海に近い場所にそびえているために山頂からは雄大な日本海を一望することができます。エネルギー溢れるパワースポットとしてもお勧めですので、機会がありましたら是非登頂チャレンジをしてみてはいかがでしょうか。

丸池様のすぐそばを流れる牛渡川も、丸池様に負けないほどの驚くべき透明度を誇っている川です。川に生息している魚たちは、丸池様と同じくレッドリストに登録されている珍しいものがたくさんいます。また川に生えている水生植物のバイカモは、清流にしか生えないとされている大変貴重な植物です。

牛渡川には多くの鮭が遡上してくることでも知られています。丸池様の近くにある箕輪鮭ふ化場では牛渡川の綺麗な水を使って鮭の飼育を行っています。美味しい鮭加工食品やイクラを扱っていますので丸池様を訪れた際にはぜひ箕輪鮭ふ化場にも足を延ばしてみてはいかがでしょうか。

丸池様を囲んでいる原生林も大変貴重なもので、町の文化財として保護対象となっています。人間の手を加えることなく自然のままに育った原生林のことを社叢(しゃそう)といい、鳥海山麓の見どころの一つとなっています。

通常まっすぐと育成するように調整されている木々がうねるように伸び、ほかの木にまとわりつくようにして生えている様子を見ることができます。丸池様の雰囲気と相まってより一層幻想的な風景を見ることができますので、ゆっくり自然のパワーを体感してみてはいかがでしょうか。

まるで別世界に迷い込んだかのように神秘的に輝く丸池様。伝説が作られ、古くから人々の信仰の対象となっていたのもうなずけます。人々の心をひきつけるこの神秘的なエメラルドグリーンの泉が、これからも永く楽しめるようルールとマナーを守った訪問を心がけましょう。

御神体となっている丸池様をはじめとして、生息している魚や植物、丸池様を囲む原生林は環境保護対象となっています。生息している魚の捕獲や伐採などは絶対に行わないようお願いいたします。また車で訪問する際駐車場は有りませんので、迷惑とならないようご配慮ください。

いかがでしたでしょうか。リフレッシュしたくなったときや、少し疲れてしまった時にはぜひ丸池様を訪れてみてください。手付かずの自然が生み出した神秘的な原生林と、美しいエメラルドグリーンの泉がきっと心を癒してくれることと思います｡