博物館明治村へ！情緒溢れるテーマパークを満喫！コスプレもある？

愛知県犬山市にある明治村は、明治時代の文化を肌で感じることのできる人気テーマパークです。愛知県民にとっては「遠足で行く場所の定番」のイメージが強いですが、国の重要文化財が見られたり、レトロなグルメが味わえたり、明治時代の服を試着できたりと、実はハイクオリティなテーマパーク。今回は、そんな明治村についてご紹介します。

博物館明治村は、1965年に谷口吉郎博士(博物館明治村初代館長)、土川元夫氏(元名古屋鉄道株式会社会長)の手によって創設されました。戦後の高度成長に伴って姿を消しつつあった、明治時代の建物を移築して保存するのが目的だったとのことです。その敷地面積は、全国のテーマパークで約3番目と、非常に広大です。

明治時代は、鎖国が終わり、我が国が西洋の文化を取り入れ始め、近代文化の礎が築かれた重要な時代。江戸時代から継承された木造建築の伝統を基礎にしながら、西洋の様式や技術、材料を取り入れることで、近代建築の素地が築かれました。つまり、日本の文化と西洋の文化の良いところをそれぞれ取り入れたのが、明治時代の建築物です。

明治村には、木造建築の温かみと西洋建築のおしゃれさを併せ持った、レトロで品のある建物が点在しています。中でも、重要文化財が11件、愛知県指定文化財が1件と、歴史的価値の高い建物もたくさん。中に入って細部まで見学できる建物も多いので、独特なレトロな雰囲気が肌で感じられます。建築マニアにはたまらないテーマパークです。

博物館明治村の敷地は広大なので、一通り見て回ろうと思うと相当の体力を消耗します。そこで利用したいのが、村内を走っている電車やバス。これを利用することで、村はずれの施設へのアクセスが格段に良くなります。どの乗り物も乗車時間は短めですが、明治時代の気分に浸りながらゆったりと乗ることができるので、とってもお得です。

京都市電は、品川燈台駅から、市電京都七条駅を経由して、市電名古屋駅までのおよそ800メートルを走行しています。路面電車としては日本最古の歴史を持つ、非常に貴重な電車です。車内に乗り込むと、車掌さんが村内の案内と明治村の歴史をアナウンスしてくれます。本数は1時間に2本から3本ほどで、料金は大人500円、子供300円です。

博物館明治村では、当時使用されていた本物の蒸気機関車が今でも現役で走っているんです。走っているのは、明治7年にイギリスから輸入された蒸気機関車2台。テーマパークに本物のSLが走っているなんて、とっても貴重。結構揺れるので、乗車時にはご注意ください。本数は1時間に1本から2本ほどで、料金は500円、子供300円です。

赤いレトロなフォルムの村営バスは、博物館明治村正門と、帝国ホテルを往復しています。聖ヨハネ教会堂や呉服座、三重県庁舎など、主要な建築物の前を経由してくれます。平日は15分間隔、土日は10分間隔で運行しているので、かなりの本数が走っていることになり、アクセスにとても便利です。利用料金は大人500円、子供300円で、1日中乗り放題です。

大正12年にアメリカ人の建築家フランク・ロイド・ライドによって建てられた帝国ホテルは、博物館明治村のシンボル的存在です。その壮大な外観や、細部まで施された彫刻は、まるで明治時代にタイムスリップしたかのような錯覚に陥るほどの美しさで、観光地であることを忘れてしまうほどです。メインロビーは吹き抜けで、開放感抜群です。

聖ヨハネ教会堂は、明治40年に京都市に建てられたプロテスタント派の教会で、国の重要文化財に指定されています。中世ヨーロッパのロマネスク様式を基本にした外観で、1階は煉瓦造り、2階は木造になっています。晴れた日にはステンドグラスから入り込む光が美しく、愛知県内にもファンの多い建物です。

「西郷従道邸」は、明治10年に東京都目黒区に建てられた洋館で、国の重要文化財に指定されています。その名の通り、西郷隆盛の弟「西郷従道」が接客用として自邸内に建てたもので、半円形に張り出たベランダが美しく、デザイン性と耐震性の高い構造となっています。館内には、当時使用されていた貴重な調度品の数々が展示されています。

破傷風の研究で有名な北里柴三郎博士が、大正4年に東京都港区に建てた研究所で、ドイツのバロック式の建物です。建物内には、当時の研究で使用されていた顕微鏡をはじめとした研究道具が展示されています。また、あの朝ドラ「花子とアン」のロケ地として利用されていたことでも有名で、朝ドラファンも多く訪れる観光名所です。

明治20年に東京都文京区に建てられた日本家屋で、もともとは医学博士の中島襄吉の新居でしたが、その後明治23年に森鴎外の借家、明治36年に夏目漱石が借家として住んでいたのだそうです。「我輩は猫である」の文中に、この建物を描写が出てくることで知られています。また、フジテレビドラマ「坊ちゃん」のロケ地としても知られています。

明治40年に金沢市に建てられた監獄です。建物内は広く、防音、断熱能は当時の最先端だったといえるでしょう。建物内のいたるところに受刑者の蝋人形があり、当時の生活を知ることができます。また、フォトスポットもあるので、記念撮影をしに訪れるインスタ女子に密かに人気を集めているテーマパークの施設です。

明治村には多数の飲食店があり、どれにしようか迷ってしまうほどですが、中でも人気は「浪漫亭」です。金沢監獄中央看守所の近くにあり、店内は白壁が美しい清潔感あふれる雰囲気です。おすすめメニューの「オムライス」は、ハンバーグとハッシュドポテトが添えられたボリューミーな一皿。

ふわふわとろとろの卵が、チキンライスにしっかり絡んで美味しいと評判です。こちらと一緒にいただきたいのが、明治村オリジナルのビール「明治村浪漫麦酒」です。明治時代の醸造方法を再現して製造された、上面発酵のビールで、現代のビールに比べると、ちょっと味は濃いめなんだそうです。

文明開化の象徴とも言える、すき焼きが食べられる人気店です。店内はお座敷席が多く、ゆったりとくつろげる雰囲気。こちらの建物も重要文化財というのだから驚きです。お店の方が鉄鍋に火を入れ、丁寧に焼いてくださいます。さっと焼いた飛騨牛の上に、ネギやみつば、椎茸などの具材を重ね、割り下を入れて一煮立ち。

適度に火の通ったお肉は柔らかく、テーマパーク内にあることを忘れてしまいそうなほどの本格的な味です。お値段は4100円からとちょっとお高めですが、明治時代の雰囲気が味わえる観光スポットとして、根強いファンのいるお店です。ラストオーダーが15時30分なので、早めの夕食もしくは昼食におすすめです。

市電京都七条駅の近くにあるアクセスのいいお店です。味噌カツやきしめんなど、テーマパークにいながら名古屋グルメが手軽に食べられるお食事処として、県外から訪れる人に好評です。おすすめは「味噌カツ丼」。甘くて濃い目の味噌ダレが、サクッと揚がったとんかつにたっぷりかかっています。シャキシャキのキャベツが良いアクセントです。

札幌電話交換局の近くにあるテイクアウト専門のお店です。こちらのお店では。明治時代のベストセラー小説「食道楽」で紹介されているレシピを再現したカレーの入ったカレーパンを販売しています。インド風カレーをベースにしており、鶏肉と砕いたピーナッツの入った、他ではなかなか食べられない、テーマパークならではの味です。

こちらも上記と同じ、小説「食道楽」で紹介されているレシピをもとに作った、ひき肉のコロッケを販売しているお店です。さらにコロッケだけでなく、「小倉ドッグ」も販売しているのが、愛知県の観光スポットらしいところ。たっぷりのホイップクリームと小倉がサンドされたパンは、小腹が空いた時にぴったりの品です。

帝国ホテルの2階にある喫茶店です。帝国ホテル自体が少し小高いところに建っているので、村内の景色を眺めながら、気分良くお食事やお茶を楽しむことができます。メニューはコーヒーや紅茶などの飲み物のほかに、先ほど紹介した「明治村浪漫麦酒」やケーキがあります。ケーキはシンプルながらも季節を感じさせる一皿に仕上がっています。

博物館明治村では、なんとコスプレもできちゃうんです。明治時代を彷彿させるドレスや袴に着替えて、写真撮影や村内の散策をすることができます。レトロ感たっぷりの木造家屋の門をくぐると、色とりどりの着物や袴、ボリューミーなドレスが顔を覗かせます。料金は、「記念撮影コース」が800円、「散策コース」が3000円です。

女性用だけでなく男性用のフロックコートや書生服もありますので、カップルでチャレンジするのも良さそうです。衣装数に上限がありますので、利用してみたい方はお早めに訪れてみてはいかがでしょうか。「ハイカラ衣装館」の場所は、正面入り口を入ってすぐ、安田銀行会津支店の近くです。

明治村はテーマパークながら、なんと郵便局もあるんです。「はあとふるレター」は宇治山田郵便局内にある簡易郵便局で、投函した10年後の同じ月に手紙が届くサービスです。封筒や便せんは規定内であれば自由なものを使用して良く、料金は1通500円です。未来の自分に想いを馳せて、手紙を送ってみてはいかがですか。

明治時代は今ほど電気なども普及しておらず、夜は真っ暗。そんな暗闇を再現したのが「暗夜回廊」です。真っ暗で何も見えない迷路の壁を、手探りだけで進む観光スポット。筆者は実際に体験しましたが、お化け屋敷以上の恐怖を感じました。料金は1回200円です。

観光地に来た時に欠かせないのが、お土産です。御多分に洩れず、愛知県が誇る観光地「明治村」にも、自慢のお土産が沢山あります。おすすめは「レトロな恋人」。チョコレートとプレーン味のクッキーで、9こ入り430円と比較的リーズナブルなお値段が嬉しいです。その他、著名人が愛した珈琲や、観光地の定番土産バームクーヘンもあります。

明治村へのアクセスは主に3通りあります。1つ目のアクセス方法は、電車とバスを乗り継いで行く方法。名古屋駅から名鉄犬山線(急行以上がおすすめ)に乗り「名鉄犬山駅」で下車します。犬山駅の東口に、明治村行きのバス停がありますので、そのバスに乗って約20分です。バスは1時間に1本から2本ほど、料金は大人420円です。

2つ目のアクセス方法は、愛知県の名古屋駅もしくは栄から明治村まで直通の、近距離高速バスを利用する方法です。乗り場は、名古屋駅は「名鉄バスセンター」、栄は「オアシス21」のバス乗り場なので、迷うことは少ないでしょう。バスは朝と夕方それぞれ2本ずつで、料金は大人960円、所要時間はおおよそ1時間ほどです。

3つ目のアクセス方法は、車を利用する方法です。愛知県の中央自動車道「小牧東インターチェンジ」を降りて約3キロほどの所にあります。駐車料金は、普通自動車が3月から11月は800円、12月から2月は500円です。収容台数は900台と多めですので、駐車場が混雑してなかなか止められない、ということはなさそうです。

いかがでしたか?名古屋駅からのアクセス抜群、とは言い難いですが、一度電車に乗ってしまえば乗り換えに戸惑うことは少ないかと思います。名古屋城、オアシス21などの愛知県の定番観光スポットも良いですが、ちょっと足を伸ばしてテーマパーク、明治村へも訪れてみてはいかがでしょうか?レトロな気分に浸れること間違いなしです。