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紅型のご紹介!染物体験もできる?沖縄の伝統工芸で着物や小物も人気!

紅型のご紹介!染物体験もできる?沖縄の伝統工芸で着物や小物も人気!
投稿日: 2017年6月6日最終更新日: 2020年10月7日

紅型は琉球文化を今に伝える、沖縄の伝統工芸品です。沖縄の太陽の光をあらわすような美しい色彩と柄は、やはり一度は体験してみたいところですね。今回は紅型の歴史や作り方、紅型を使った品物などについて調べてみました。ぜひその伝統工芸の美しさに触れてみてください。

紅型は沖縄の伝統工芸見出し

沖縄や琉球を舞台にしたドラマなどを見ると、女性が美しい柄の着物に身を包んで、踊りを踊るシーンが多く出てきます。鮮やかな色彩と美しい柄は、沖縄の明るい太陽の光を連想させますよね。あの着物の染めが紅型です。今回はその紅型について、その歴史や特徴を調べてみました。

そもそも紅型の意味は?見出し

そもそも紅型(びんがた)とはどういう意味なのか、ということなのですが、「紅」は赤だけではない、色一般を、「型」はさまざまな模様を意味する言葉だと言われています。沖縄ではひらがなで「びんがた」と表記することも多いようで、「琉球びんがた」は登録商標にもなっているとか。

この紅型は沖縄県無形文化財に指定されているほか、伝統的工芸品に指定されています。紅型という表記は1924年ころから出てきたといわれ、それ以前の資料には「形付」、「形附」と表記されていたようです。歴史については次で述べますが、古くから女性の礼装、神事の際の服装として使われていました。

紅型の歴史見出し

さて、伝統工芸とされる紅型の歴史についてですが、現在14世紀の紅型の裂が現存しています。ということは、この段階でその技術があるということになりますから、紅型の歴史はそれ以前にさかのぼることになります。主として琉球王府や首里、浦添などの地域で、「摺込み」と呼ばれる手法で染められたものがそのおこりとされています。

その後、琉球王国は中国や朝鮮、東南アジアなどと海外交易を行い、その交易によって独自の文化を築き上げます。この過程で中国の印花布の技術やインド、ジャワなどの染色技法が琉球に伝わりました。この技術が加わることで、紅型はさらに洗練されたものとなっていきます。

紅型は琉球王府によって保護を受け、東洋花布という名前で中国の福建市場などで交易品として高い評価を受けます。また薩摩藩の琉球侵攻の後は、殖産政策により、技術も向上し、日本本土との交易にも使われました。

しかし明治に入り、そういった保護がなくなると、紅型は衰退していきます。さらに第二次世界大戦で沖縄は大きな戦災を受け、紅型の型や道具などの多くを失いました。戦後になり、遺されていた型紙などを使い、琉球王朝の時代から染めを生業としていた家の人々により、紅型は復興し、現在にいたるのです。

紅型の特徴見出し

紅型は沖縄を代表する伝統工芸ですが、ルクジューの上で突き彫りされた型紙を布の上に置き、顔料を使って手で色を挿して作った染めもののことを言います。というと、ふつうの型染めの染めものかと思うかもしれません。

ところが、一般の型染めと大きく違う点があります。普通の型染めの場合は型の切り落とされている部分に色を付けていくのですが、紅型はその場所に防染糊を置くこと。つまり型の切り落とされた部分が白い状態で残ることなのです。そしてそのあとでその模様の部分に色を付けていく工法となります。これが大きな特徴です。

また、顔料は発色が美しく、太陽光などの耐光性に強いものの、一般の染料に比べて染まりにくい面があります。そのため後述するように、紅型は二度染めをされます。二度染めされた紅型は沖縄の強い太陽にも色があせにくく、その強い光のような美しさを保つことができるのです。

紅型の模様や色の意味見出し

さて、紅型といえば美しい着物が思い浮かびますが、あの模様や色にはきまりごとはあるのでしょうか。まず、紅型にはカラフルな色彩を使うものと、藍色一色で染めるものの2つの種類があり、藍色の濃淡などのみで染めるものを「藍型」と言います。こちらは高年者や下級士族向けの着物として流通しました。

まず模様についてですが、紅型の模様には本土からの影響とされる友禅模様もありますが、中国の吉祥文様が多く取り入れられています。「龍」や「鳳凰」の柄などがそれにあたります。文様には、その着物を着用する人を護るという意味があるのです。

また、沖縄は本土ほど四季の季節変化が大きくありません。そのため、季節による変化というものは比較的少ないと言われています。ただ、「雪輪」や「ハギ」のように、沖縄にはない季節感を表現する柄もあり、これらは本土との交流、もしくは薩摩の支配下にあった時代に入ってきたものと考えられています。また最近では海の魚などをあらわす模様も多く使われるようになりました。

一方、色のほうですが、ご存知の通り、カラフルで派手な色づかいが特徴です。その中で特に重要なのは「黄色」。黄色は王族のみが着用できる高貴な色とされていました。これは黄色を皇帝の色とする、中国の影響によるものと言われます。黄色はフクギという植物の色素を使うほか、コチニールで赤を出すなど、天然染料が多く使われます。

紅型の染め方見出し

伝統工芸である紅型は、現在でも多くの工程が手書きであり、さらに細かい作業も多いことから、非常に高い技術が要求されます。以下、紅型の染めについて、説明していきます。

型彫り

紅型の型は2種類あります。柄を残す「白地型」と模様の輪郭を残す「染地型」があります。型紙にする渋紙に図案を書く、もしくは図案を貼り付け、それをナイフで「突き彫り」という方法で掘っていきます。このとき下敷きにするのが「ルクジュー」。島豆腐を天日で乾かして乾燥させ、表面を平らにカンナで削ったものなのです。

細かく丁寧に型彫りができたら、それに紗を漆で貼りつけ、型を補強します。これを紗張りと言います。着物など、同じデザインの柄が繰り返し出てくる場合や、小物などで同じデザインのものを作るときにでも、この作業をすることで、何度も型を使うことかできるようになります。

型附け(型置き)

型ができたら、その型を布の上に置き、ヘラを使って上から防染糊を塗っていきます。糊がついた部分には色がつかないので、模様の部分だけが残ります。上から大豆で作った豆汁を塗る(豆引き)と、顔料が定着し、滲みにくくなります。

色差し

次に差し刷毛を使って、模様の部分に色をつけていきます。顔料に豆汁を混ぜたものが使われます。薄い色から濃い色、暖色系から寒色系へと順に色をつけます。この作業を二回繰り返し(刷り込み)、きちんと定着するようにします。

隈取り

模様に色がついたら、模様の上に模様よりも濃い色を置き、刷毛でこすってぼかしを入れます。これが「隈取り」と言い、紅型の特徴的な技法です。この作業をすることで柄が浮き上がるようになる効果があるため、くっきりし、遠近感や立体感を出すことができるのです。

地染と糊を落とす

柄ができあがり、乾いたら、防染糊や余分な染料などを水洗いして落とします。これを乾かすと、白地の紅型ができあがります。もし、色地のものにしたい場合は、洗った後で模様の上に防染糊をつけ、藍は藍甕で、他の色は幅広の刷毛を使って色をつけます。乾いたら水洗いし、乾燥させて完成となります。

なお、紅型にはここで紹介した型染めのほかに、型紙を使わず、手で書いた図柄に糊筒と呼ばれる糊を入れたホイップクリームの袋のようなものを使って糊をのせていく筒描きと呼ばれる技法があります。また、王朝時代の衣装などはほとんどが両面染めとなっていますが、両面染めの型置きにはより高度な技術が要求されます。

紅型といえば着物?見出し

近年、紅型は伝統工芸品ということもあって、着物が有名ですが、前述したように琉球王国のころは紅型の着物は王族や士族などの衣装として使われていました。そのため一般の庶民は袋物などの小物を使うことが多かったようです。

明治期になり、紅型の着物は一般の庶民にも着用できるものとなりました。現在では帯や振袖などにも使われ、種類も豊富になっています。また、琉球村などでは、琉装体験として、紅型の着物を着用する体験なども可能です。

紅型の小物はある?見出し

とはいえ、紅型の着物をお土産として購入するというのはやはり敷居が高いですよね。そういう方には紅型を使った小物がおすすめです。たとえばがま口やポーチ、風呂敷やバッグなどは気軽に伝統工芸品の紅型を手にすることができます。こういった商品は紅型の工房はもちろん、土産物を販売する店などでも多く販売されています。

紅型の染物体験は可能?見出し

最後に、紅型の染物体験について紹介します。紅型は伝統工芸ということもあって、いきなり初心者ですべてを行うというのはやはり無理があります。しかし、紅型の工房の中には色差しなどを体験させてくれるところがあります。

体験コースは工房などによって異なりますが、マットやエコバッグなどの小物やTシャツなどに好きな柄を選んで色差しをするというものが多いです。予約が必要な場合もありますので、もし体験するならば確認を。また柄の大きさや体験する小物にもよりますが、かかる時間も確認しておくといいですね。

紅型体験で琉球文化に触れる見出し

紅型は琉球文化を今に伝える伝統工芸品です。美しい着物を体験するのもいいですし、小物をお土産にするのもいいですね。時間があるようでしたら、小物の色差し体験などもおすすめです。紅型を体験することで琉球文化に触れるのもいい旅の思い出になるかもしれません。

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投稿日: 2017年6月6日最終更新日: 2020年10月7日

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