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南仏を代表する港町マルセイユ
マルセイユは地中海沿いのフランス最大の港町で、パリに続くフランスで2番目に人口の多い都市です。また、温暖な気候のうえに海と山を持つこの地域には自然が豊富でグルメも充実しています。こちらでは南仏最大の港町マルセイユの魅力をご案内していきます。
南仏最大の港町「マルセイユ」観光情報①:マルセイユの歴史
地中海に臨む都市 マルセイユ
— ショウ (@Ira_Superbia7) January 30, 2015
地中海に臨む港湾都市マルセイユ。紀元前600年まで遡る長い歴史を通じて、多様な民族を受け入れてきた。85万人余りの人口のうち、およそ10万人は北アフリカやイタリア、トルコなどからの移民とその子孫だ。 pic.twitter.com/H5vMEXniYB
マルセイユは紀元前600年ごろのその端を発します。そのころから交易が盛んで、時を経て15世紀にフランスに併合されたのち、18世紀には港での交易が全盛を迎え、現在では110航路、120カ国の360以上の港と連絡しているランスおよび地中海で最大の玄関港になりました。
南仏最大の港町「マルセイユ」観光情報②:旧港
マルセイユの旧港(Le Vieux Port)は町の中心にあるので、自然と市民や観光客が集まります。紀元前に建設された港の両側にはサン・ニコラ要塞とサン・ジャン要塞があり地中海とつながっています。現在はヨットハーバーになっており、停泊する何艘もの船はマルセイユの風景としてとても有名な観光スポットです。
南仏最大の港町「マルセイユ」観光情報③:マルセイユ旧港の大観覧車
2013年からマルセイユの旧港にできた観覧車(Grande roue de Marseille)は旧港でもひときわ目立ちます。最大高度は42Mで、マルセイユの港が一望できます。1度乗ると4回転します。夜のライトアップも美しく、マルセイユの港をロマンティックに演出してくれる観覧車は観光客に人気があります。
南仏最大の港町「マルセイユ」観光情報④:ノートル ダム ド ラ ガルド寺院
マルセイユの丘にそびえたつノートルダム・ド・ラ・ガルド寺院(Basilique De Notre-Dame-De-La-Garde)はマルセイユのランドマークです。塔のてっぺんのマリア像はまるでマルセイユの街を見守っているようです。寺院の中の装飾も素晴らしく、芸術的な建物と美しい眺めに毎年150万人の人が訪れると言われています。
南仏最大の港町「マルセイユ」観光情報⑤:イフ城塞
南仏には沖合に島がいくつか存在し、それらは犯罪者などを幽閉するために使われることも多くありました。マルセイユの沖合約3キロのところにあるこちらのイフ城塞(Chateau D'if)も有名なフランス文学「モンテ・クリスト伯」の主人公が陰謀により幽閉されたとされる島です。イフ島までは船で行くことができます。
イフ城、せっかく来たのに「モンテクリスト伯」未読という残念な…いやいやそれでも胸踊りました。矢狭間から見える青い海!砦、のちに牢獄故の分厚い壁!ミラボーの独房! pic.twitter.com/keHBk5fuy5
— Cuvie (@yumenodragon) June 20, 2017
「モンテ・クリスト伯」のあらすじは「主人公ダンテスは陰謀により、イフ島の地下牢に14年間も閉じ込められていたが、その間に隣の牢の神父と親しくなり、教養を身に着け、更に財宝のありかを教えてもらう。その後脱走に成功したダンテスは、その財宝を手に入れ「モンテ・クリスト伯爵」として突如としてパリの社交界に現れ、復讐を始める。」というお話です。旅行に行く前に読むと一層気分が盛り上がります。
南仏最大の港町「マルセイユ」観光情報⑥: カランク
【フランスの風景:sunrise_over_mountains:】マルセイユの東20kmほどの港町カシからは、こんな絶景が見られるカランク(入り江)巡りができます! @otcassis @Tourisme_PACA pic.twitter.com/B5hLGA2YNX
— フランス大使館 (@ambafrancejp_jp) April 15, 2017
旧跡が多く残る南仏において商業都市であったマルセイユはあまりそのような建物が少ないのが特徴ですが、逆に自然が美しい観光スポットがたくさんあります。マルセイユからカシを結ぶ海岸線は、カランク(Les Calanques)という深く入り組んだ入り江になっていて、ゴツゴツした石灰岩の断崖絶壁に囲まれています。
また海底には、現存する先史時代の最古の壁画がいくつもある洞窟も発見されていますがあり、3万年近く前の壁画もあるとのこと。また、カランクが素晴らしいのはその水の透明度!少し山を登り入り江を眺めると、海底まで透き通って見えます。圧巻の海の美しさは言葉にすることができません。
南仏最大の港町「マルセイユ」観光情報⑦: 旧施療院 (地中海考古学博物館)
旧施療院(Centre De La Vieille Charite)は恵まれない人々を保護するために17世紀に建てられました。神殿のような造りの礼拝堂はとても美しく、神秘的で穏やかな心持ちになります。現在では地中考古博物館などの複数の美術館が入っています。
南仏最大の港町「マルセイユ」観光情報⑧:カヌビエール通り
「マルセイユのシャンゼリゼ通り」と称されるこのカヌビエール通り(La Canebiere)はマルセイユの中心部を通るメインストリートでいつでも観光客でにぎわっています。トラム(路上電車)が走っていますので、ここを中心に観光地に向かうのもよいでしょう。とてもおしゃれな場所なのでカフェやショッピングがおすすめです。
南仏最大の港町「マルセイユ」観光情報⑨:サント マリー マジョール大聖堂
サント マリー マジョール大聖堂(La Cathedrale Sainte-Marie-Majeure)は、マルセイユ旧港の側に建つ、ローマカトリック教会の大聖堂です。マルセイユの人気観光地の一つで、2色の大理石を使用して建てられたこの建物は長さ142メートル、高さ70メートルもあり、フランスでも最大級の規模の国家指定史跡です。
南仏最大の港町「マルセイユ」観光情報⑩:パニエ地区
マルセイユ旧港の北側に位置するパニエ地区は、かつて漁師たち居住地区でした。細い裏路地は雰囲気があり、オープンテラスのカフェでくつろぐ人もいます。またマルセイユでも最も古いといわれる建物も存在し、また若者のアート作品のような壁画もあります。小さな雑貨屋さんも多いので、お土産探しにもおすすめです。
南仏最大の港町「マルセイユ」観光情報⑪:パレロンシャン
#marseille #palaislongchamp pic.twitter.com/SZHKDB5x1d
— Alain Rimeymeille (@Le_Sniper_13) June 3, 2017
パレロンシャン(Palais Longchamp)は、マルセイユの旧市街東部の高台に位置する宮殿です。左右対象に作られた建物は右側は自洗博物館左側が美術館になっており、もともと給水所としてしようされていたので、水を贅沢に使った真ん中の噴水は大きな女神の彫刻とともにとても豪華です。建物の裏側は公園になっており、市民の憩いの場になっています。
南仏最大の港町「マルセイユ」観光情報⑫:スタッド・ヴェロドローム
Stade Vélodrome #RT
— FADA_OM13 (@FADA_OM13J) July 16, 2017
Parc des princes FAV #TeamOM
:large_blue_circle::white_circle:️ pic.twitter.com/IItDg0QI3Q
スタッド・ヴェロドローム(Stade Vélodrome)は現在オレンジ・ヴェロドロームに変えていますが、約6万人を収容できるフランス第二の大きさのスタジアムです。もともとは自転車競技用に建てられたものですが、現在自転車競技は行われていません。また、このスタジアムはフランスのサッカーのリーグ・アンのオリンピック・マルセイユの本拠地です。
南仏最大の港町「マルセイユ」観光情報⑬:マルセイユ石鹸工場
地中化沿いの国へ旅行に行くと、どこに行ってもマルセイユ製の石鹸がお土産屋さんに置いているほど、マルセイユの石鹸は有名です。南仏にはオリーブオイルやカマルグ産の塩、炭酸ソーダといった石鹸の材料が豊富にあったため、16世紀から石鹸づくりが盛んになりました。
マルセイユではマルセイユ石鹸の品質保持のために老舗4社が組合を作り「オリーブオイルなどの植物性オイルを72%配合」「防腐剤や添加物、香料不使用」「形はキューブ状、直方体、楕円形、フレーク状」「緑色またはベージュ」さらに5つの工程から成る石鹸作りの製法を定めました。
そんなマルセイユ石鹸の老舗のなかでもcours Julienにある「ラ・リコルヌ」(Savonnerie Marseillaise de la Licorne)というお店は毎日同時刻の11時・15時・16時に製作現場を見学することができます。お店の石鹸はどれも良い香りで種類が豊富、更に日本で買うよりずっとお得なので、どれにしようかなかなか決まらないかも知れませんね。
南仏最大の港町「マルセイユ」観光情報⑭:ミラマール(ブイヤベース)
マルセイユのグルメを語るうえで絶対に忘れてはいけないのが、世界三大スープと言われるマルセイユの"ブイヤベース"です。ブイヤベースという言葉は日本でもテレビCMや番組などで聞いたことはあるかと思いますが、ただの"魚介のスープ"だと思っていませんか?本場のブイヤベースにはきちんとした作り方と食べ方があるのです。
マルセイユの旧港のさかな市場。新鮮とれたての魚たち。すぐ横で漁師さんは片付け。 #マルセイユ @franceiine @CHOOSEMARSEILLE pic.twitter.com/YH4EXyq5R5
— とのまりこ (@tonomariko) February 18, 2017
もともと港町のマルセイユでは漁師たちが、商品として売ることができないような魚を消費するために魚を塩ゆでしただけの料理でしtたが、17世紀のトマトの伝来と19世紀のマルセイユの観光地化に伴い、地元の名物料理としてグルメを唸らせてきました。
本物のブイヤベースは「地中海沿岸で獲れたての魚を4種類以上用いて作る」「サフランを用いる」といった決まりごとがあり、「rascasse(カサ))」「ホウボウ(rouget grondin)」「fielas (西洋アナゴ)」といったように、魚の種類も特定されています。小魚でとった出汁で、魚とジャガイモや玉ねぎ、トマトなどを煮込み、サフランで香り付けをします。
本場では、スープと魚が別々のお皿に盛られていますので。まずはスープを味わってから、魚を食べます。そしてニンニクマヨネーズソース「アイオリ」にカイエンヌペッパーを加えた、「ルイユ」をバゲットに塗って、スープに浮かべて食べるのが通だそうです。また現在では伝統的なレシピにのっとった材料が手に入りづらいというような理由からお値段が少々はる場合もありますのでご注意ください。
南フランスと言えばブイヤベース。どこが美味しかったか訊いてきたのはカルメンさんと私の母だけ。本場マルセイユではLe Miramar。ニースの近くの漁村にあるLa Mere Germaineも好き。あまりの美味しさに2回おかわりした。 pic.twitter.com/D65zRyYg1O
— 諸岡浩太郎 (@memento_moreau) April 1, 2016
ご紹介したい本場のブイヤベースのお店ミラマール(Le Miramar)では2人分のブイヤベースで126ユーロほどの料金です。やはりリーズナブルとはいいがたいですが、ランチだともっとリーズナブルに提供しているお店もありますので、せっかくマルセイユまで来たのですから、一度は本場のブイヤベースを味わってみてください。
南仏最大の港町「マルセイユ」観光情報⑮:フール・デ・ナヴェット
グルメの街マルセイユにはブイヤベースだけでなく、マルセイユ発祥のお菓子がたくさんあります。中でも特に有名なのがこちらのナヴェット(Four des Navettes)です。オリーブオイルとオレンジフラワーウォーターを練りこんだ伝統の焼き菓子です。
朝食に プロヴァンスの焼菓子 Navette (ナヴェット) があったので 初体験#マルセイユ #Marseille pic.twitter.com/EJTjBFO2wa
— Kuny3298 (@Kuny3298) October 10, 2016
"Navettes"とは、フランス語で「小船」という意味で、棒状の生地の中央に切れ目を入れ船のような形に焼きあげます。これはマルセイユに木製の像が乗った小舟が打ち上げられそれが聖母マリアに見えたので、この伝説を継承するために作ったのが始まりだそうですが、漁師たちが食料兼お守りとして持って行ったともいわれており、保存食なので、コーヒーなどにつけていただくと良いでしょう。
南仏最大の港町「マルセイユ」観光情報⑯:旅行中に気を付けること
マルセイユは地中海の温暖な街ですが、冬はミストラルと呼ばれる冷たい地方風が吹き荒れとても寒いことがありますので冬に訪れる際にはご注意ください。また、マルセイユは移民が多く異国情緒が楽しめる一方で日本のように治安が良くはありません。もちろん、女性の夜の一人歩きは危険ですし、乗り物で寝てもいけません。昼間でも身の回りには注意を払う事を忘れないで下さい。紫外線対策もお忘れなく。
マルセイユで港町の雰囲気とグルメを楽しもう
地中海沿岸にはカンヌ、ニース、モナコといったようなセレブが集まるリゾート地がいくつか存在しますが、マルセイユはもう少し下町の雰囲気を持っています。また、異国情緒あふれる街並みや、グルメはフランス最大の港町ならではのものでしょう。みなさんも是非この雰囲気とグルメを楽しんでください。
もっとマルセイユ周辺の情報を知りたいアナタへ!
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