台湾の気候の特徴や季節ごとの服装は？旅行のベストシーズンはいつ？

台湾の面積は、日本の九州の約90%の大きさです。しかし、台湾は南北に細長く中央を通る北回帰線（地球の北緯23.5度に位置する）より北が亜熱帯で南が熱帯です。よって、台北と高雄では年間を通して気候、気温及び降水量が違ってきます。地域別、季節ごとの気候を比べながら、服装の準備をして行きましょう。

常夏の台湾というイメージが強いのですが四季はあります。日本の四季のようにはっきりとしたものではないですが冷暖房設備が整っている日本の感覚で行くと台湾の冬は思った以上に寒く感じ、また夏は日本と比べて暑く感じます。台湾の四季は極端に言いますと夏と冬と言えます。2016年には強い寒気の影響で記録的な寒さに見舞われ台北では過去43年間で最も寒い4度を観測。台北市の陽明山では5センチの積雪となりました。

冒頭で台湾に雪が降ったことを話題にしましたが平地では、ほとんど降らないと思っていいでしょう。とにかく、台湾では、夏と冬の間に短い春と秋があります。しかし、春と秋は比較的に穏やかなので、夏と冬の時期に台湾旅行をされる方には服装対策が重要です。それでは、季節ごとの気候と服装対策についてご紹介しましょう。

台湾の春は日本と同様に温暖な気候で降水量も少なく観光旅行は快適です。まず、3地域の3月の平均気温は台北が18.5度、台中が19.6度、高雄が22.6度となっています。それが、4月になりますと台北が21.9度、台中が23.1度、高雄が25.4度となっています。しかし、日中は日本の春と同じ長袖で過ごせますが、湿度は日本より高いですので暑く感じた時はいつでも半袖に着替えられる準備をしておくことをおすすめします。

一方、この時期の降水量は3月から4月までの合計が、台北では、358.20mm、台中が248.40mm、高雄が108.60mmで台北の降水量が一番多いです。最近の異常気象で、この時期の最高気温が、晴れた日には突然30度近くまで上がったり最低気温が10度まで下がったりすることがありますので臨機応変に着たリ脱いだりできる軽い上着を用意することをおすすめします。

台湾の夏は長くて常夏のイメージがありますが年間の月別平均気温データに基いて5月から9月までの平均気温を調べて見ますと台北が30.8度、台中が31.8度、高雄が31.4度となっていて思ったほど高くないので驚きます。香港もそうですが、湿度が100%に近い状況下では、実際の温度よりも体感温度がずっと高くなるからでしょう。台湾の冷房はかなり強いので、外との温度差には注意して必ず上に羽織るものを準備しましょう。

5月から7月の台湾では、美味しい旬の安価な、それでいて美味しいマンゴーを食べたい人は、この時期は外せません。やはり、マンゴーの本場ならではの美味しい味が楽しめます。マンゴー狩り旅行はいかがでしょう。この時期には、世界一美味しいマンゴーを筆頭に、パパイヤ、ライチ、龍眼、ドラゴンフルーツ、梨、すもも、西瓜が思う存分食べられるフルーツ天国の時期を楽しむ旅行もいかがでしょうか。。

夏には、台風銀座と呼ばれるほど、台風がたくさん上陸します。5月から9月までの降水量につきましては、5ヵ月平均で言いますと、台北が298mm、台中が267.4mm、高雄が332.44mmとなっています。台風が襲来する7月から9月だけを捉えますと、月平均降水量は、台北が309mm、台中が258mm、高雄が350mmのようになっています。台風真っ只中での移動は大変危険です。外に出ないで屋内で過ごすのが安全です。

台湾の春と秋は短いので、あっという間に過ぎてしまいますが、10月と11月は、春と同じで降水量も少なく最高気温も下がり涼しくなって来ます。台北では最高気温が平均25度、台中で28.5度、高雄で28.5度と涼しくなり、観光には最適のシーズンです。降水量も2か月の月平均は台北が116mm、台中で207.5mm、高雄で30.7mmで雨の降る日はかなり少なくなります。

10月の後半になりますと、真夏の暑さはなくなりますが、時として急に気温が上がって30度近くになることがありますが、朝晩は18度から24度くらいで少し肌寒く感じます。この時期は、全台湾で天気が比較的安定している時期ですが、晴れの日は各地で冷房が強くなり半袖だけでは、その寒さに耐えられない時がありますので、必ず軽めの上着は携行されることをおすすめします。

日本人にとって台湾は常夏の国というイメージから冬でも暖かいという先入観が強いので、初めて冬の台湾を経験される旅行者は思いの外、寒いのにびっくりされます。特に冬の雨は特に冷たく感じます。12月から2月までの降水量は月平均が台北で109mm、台中で24mm、高雄で18mmとなっています。台北では中南部に比べて雨が多いの折りたたみの傘、軽いビニールの雨合羽など用意されることをおすすめします。

12月から2月までの平均気温についてご説明します。月平均の最低気温は台北が14度、台中が13度、高雄が16度となっていますが、まれに10度を切ることがあります。また最高気温は台北が19.6度、台中が22.5度、高雄が24度となっています。気温だけをみれば日本よりずっと暖かいですが天候の変わりやすい台湾では急激な気温の低下に耐えうる服装、たとえば軽量のダウンジャケットや薄めのセーターなどがおすすめです。

台北の年間平均気温は23度、平均最高気温が26.6度。平均最低気温は、20.4度。平均湿度は76.6%で、台中、高雄よりも高いです。台北市で、2013年には気温が39.3度を記録しました。中央気象局の話によりますと、この台北市の気象観測所は西暦1896年に設立されて以来、117年の歴史の中で過去最高の気温だそうです。平均気温は思ったより低いのですが、時として気温が40度近い高温になることがありますので要注意です。

特記すべきことは、ここ最近で中国の自動車販売が大幅に増えたり、冷房機器やその他電化製品の販売台数が増えたせいで、大気中へのCO2の放出も多くなっている為、この高温は中国大陸と関係がないとは言えない状況です。日本も同じく影響を受けています。台北市の気温で、ここ数年、高かった気温は2003年8月9日の38.8度で、いままで3回にわたり38.6度まで到達した記録があります。

台中は台湾人が最も住みたい都市のナンバー・ワンとして有名です。台中は台湾のほぼ中央にあって海と山に囲まれています。さすがに夏の天候は比較的涼しく台湾では年間を通して最も気候が温暖で住みやすい都市として人気があります。台中市の西側には台湾海峡があり東側には中央山脈があります。台風のシーズンでも比較的被害が少なく冬も温暖な気候です。

台中の年間の平均気温は23.3度で大変過ごしやすく最高気温が28.1度、最低気温は、19.8度。年間降水量は台北が2,405.1mmであるのに対して台中は1773mmで、雨も比較的少ないです。よって湿度も平均75.6%となっています。（ちなみに、台北は76.6%、高雄は75.9%）山あり、海あり、湖ありで、まことに風光明媚で温暖なところで人気の観光地が一杯あります。

台湾南部の大都市の高雄は一般的に夏は台湾で一番暑いとされています。高雄の年間ベースの平均気温は25.1度、平均最高気温28.8度、平均最低気温は22.1度、平均湿度は75.9%、年間降水量は1,884.9mmで台北よりは520mm少なくなっています。気温は台北よりも2度強高くなっています。2度の差は大変暑く感じます。高雄は、冬の一番寒い1月でも平均気温が19.3で日本の冬と比べれば、やはり常夏の楽園と言えます。

高雄は、夏の期間（5月から9月まで）の平均気温が28.4度で、ほとんど半袖で過ごせますが、ホテル、レストラン、電車、バスそれにタクシーの車内では、かなり冷房が効いていますので、カーディガンか薄手の上着は携行することをおすすめします。一方、冬の期間（12月から2月）は、1月でも平均気温が20度弱ですから、寒波が来ない限り、長袖に軽い上着があれば十分です。

台湾にも梅雨があります。一般的には日本より早く5月上旬ぐらいから始まって6月中旬までには終わるパターンですが丁度、日本のGWと重なって台湾に滞在中ずっと雨ということも有りえます。特に梅雨時には旅行に出発する前に台湾の天気情報を追っかけていくことをおすすめします。この梅雨時に旅行される場合には、折り畳みの傘と簡単なビニールの雨合羽それにフェイスタオルを忘れないようご注意ください。

台湾は太平洋側にあるため日本と同様に台風の影響が大きいです。日本の九州の90%の大きさにも関わらず台風の年間上陸回数は日本と変わらないのです。一般的には台湾での台風の時期は7月から9月くらいまでです。2011年から2016年までの6年間の台風の上陸回数は、総合計で21回。7月から9月に集中していて18回となっています。その内、2016年が最高で年間上陸回数は6回となっています。まさに、台風銀座です。

2004年には、年間上陸回数は10回となった年でした。台湾に台風が直撃する場合、台湾北部（台北など）をかすめるように通過することが最も多く、台湾中部を直撃することは少ないです。なぜなら台湾の中央部には日本の富士山より高い玉山（3952m）などの山脈が連なっているからです。いずれにせよ7月から9月に台湾に行かれる前は、天気予報を充分チェックしながら日程を組んでください。

夏場の天気がいい日に午前中は晴れ渡っているので安心して外へ出かけ午後になって急に天候が怪しくなって黒雲が出てくるやいなや雷鳴とともにまるでバケツをひっくり返したようなという表現がぴったりの豪雨になることがあります。一時間ほどで治まりますが、そのあともぐずついた天候が続きます。雨に降られてずぶ濡れになるのを避けるために、最低限でも折り畳みの雨傘（日傘兼用）を携行されることをおすすめします。

突然のスコールに服も靴もビショビショになることは避けたいものです。雨が降って気温が下がるので、風邪をひきやすくなります。折り畳みの傘以外に軽くて邪魔にならない透明のビニール合羽（透明なのでフードを被ったときでも景色が見通せます）、靴がビショビショにならないように、ビニールのシューズカバー、それに身体にかかった雨をふき取るフェースタオル（どれも軽い物ばかり）は台湾旅行には携行が必須です。

季節的な観点から言いますと一般的には気候が安定する4月、5月、それに9月から11月がベストシーズンですが、台湾旅行に行く目的によって変わってきます。台湾には色んなイベントがあります。例えば、この写真のように今一番人気の「天燈上げ」のイベントに合わせるとか、世界一美味しいマンゴーの旬の時期である5月から7月に合わせるとか、その目的と季節の両方で折り合いをつけるのがベストシーズンだと思います。

今回の情報は、お役に立ちましたでしょうか。台湾旅行に際して季節ごとの服装を選ぶのは大変なことですが旅行される地域の天候も考えねばなりません。台湾は特に天候の変化が激しいところです。記事にも書きましたように、その地域の天候の特徴と旅行される季節に合わせて服装を選んでください。では、楽しい台湾旅行をお楽しみください。