スクガラスの食べ方や販売場所は？沖縄ご当地珍味の詳細を調査！

スクガラスとは沖縄県のご当地グルメのひとつで、本州で言うところの『塩辛』のようなものです。最近ではいろいろなバリエーションのスクガラスが沖縄では販売されていますが、もっともポピュラーなのはアイゴと呼ばれる魚の稚魚を原料としたものです。非常にお酒にあう珍味として年配の人はもちろん、若い人にも人気があります。

沖縄旅行などに行った際、地元のスーパーなどで瓶のなかに隙間なく小魚がギューギューに詰め込まれている商品を見たことがあるのではないでしょうか。これこそが沖縄のご当地珍味『スクガラス』です。瓶のなかに規則正しくびっしりと並べられている様はインパクト十分で、一度目にしたら絶対に忘れないビジュアルと言えます。

スクガラスという名前は沖縄の方言が由来になっています。前半の『スク』は原料として用いられているアイゴの稚魚のことを指し、後半の『カラス』は塩辛のことを指します。沖縄の近海にはサンゴ礁がたくさん広がっており、そこに数えきれないほどのアイゴの稚魚たちが生息しています。これを活用して作られ始めたのがスクガラスです。

日本列島でサンゴ礁が見られるのは沖縄周辺だけであり、これこそがスクガラスが沖縄のご当地珍味である最大の理由とも言えます。このスクガラスは沖縄では伝統的に食べられてきた食材ですが、近頃は瓶詰めなどに加工されて販売されるケースも増えました。ですから最近では沖縄に行かなくとも本場のスクガラスを楽しめます。

ちなみに1個の瓶詰めのなかに詰め込まれているアイゴの稚魚はだいたい500匹から600匹前後と言われています。1回の食事で使うスクガラスは多くても10匹程度ですから非常にコストパフォーマンスの良い瓶詰めであると言えます。例えば、晩酌の肴くらいならスクガラスの瓶詰め1個で半年から1年近くは楽しめる計算になります。

スクガラスに使用するアイゴの稚魚はふ化をしてからだいたい1か月程度のものが良いとされています。これは生後間もない稚魚であれば骨がまだ柔らかいため食べた時の口当たりがよく、また臭みの原因となる藻をほとんど口にしていないことから食べた時に嫌な風味がしにくいからです。また体長が3cmほどと一口サイズなのも理由です。

まずはアイゴの稚魚を30%近い高濃度の食塩水でよく洗います。これはアイゴの身体から分泌される粘液等を取り除くためです。これをするかどうかで食べた時の風味が大きく変わります。洗うのは1回だけでもいいのですがより質の高いスクガラスに仕上げるためには少なくとも3回以上はアイゴを洗うのがいいと考えられています。

アイゴの稚魚の表面に付いている粘液などの汚れを取り除いたら今度は食塩をすり込んでいきます。この工程が終わったらあとは5度前後に保たれた冷蔵庫などで3か月ほど寝かせ、しっかりと熟成しきったらスクガラスの完成です。最初の1か月くらいまではまだアイゴの持つ銀色が残っていますが、それを過ぎたあたりから茶褐色へ変化します。

完成したスクガラスは瓶詰めにして保存をするのが一般的ですが、この時に漬け汁も一緒に瓶詰めするのがポイントです。また沖縄では昔から泡盛に漬け込んだトウガラシを一緒に瓶詰めにし、なかのスクガラスが痛んでしまうのを防ぎます。古くから沖縄のアイゴが使われてきましたが、最近は収穫量の安定しているフィリピン産も増えました。

使う食材や作り方が非常にシンプルであるため、一見すると自分自身でも簡単にスクガラスが作れそうにも思えます。ただ、販売されている瓶詰めのように規則正しくアイゴの稚魚を並べるのは想像以上に難しく、頑張って作っても用意したアイゴが瓶に入りきらなかったり漬け込み具合にムラができてしまったりと失敗しやすいのも事実です。

そのため気軽にスクガラスを楽しむのであれば市販されているスクガラスを使うのがおすすめです。さまざまな企業がスクガラスの瓶詰めを販売していますが、熟練のプロが作っているだけあってどれを選んでもまず失敗がありません。値段も安いものなら1000円もしないため、まずは市販のスクガラス瓶詰めから始めるのもありです。

スクガラスの最もポピュラーな食べ方は『スクガラス豆腐』でしょう。沖縄に行ったら必ずと言っていいほど目にするご当地メニューのひとつで、ひと口大の豆腐の上にスクガラスを1匹分乗せただけの非常にシンプルな料理です。普通の豆腐の上にスクガラスを乗せて食べても美味しいですが、沖縄の島豆腐に乗せるとさらに美味しくなります。

スクガラス豆腐は一見すると冷ややっこのようにも思えますが、醤油などの調味料はかけずにそのまま豪快にかぶりつくのがおすすめの食べ方です。なぜかというとスクガラスは大量の塩を使って付け込まれているため、すでにきちんと塩味があるからです。また、この食べ方であればスクガラス本来の持つ風味も殺さずに済みます。

スクガラスは細かく刻むとアンチョビのような風味になります。そのためパスタとの相性は抜群で、アンチョビと比べると少し和風テイストのパスタに仕上がります。作り方はとても簡単で包丁でみじん切りにしたスクガラスをフライパンでオリーブオイルやニンニクとよく炒め、そこに茹であがったパスタを投入して絡めるだけです。

スクガラスのパスタは非常に作り方がシンプルなため応用が利くのも嬉しいポイントです。スクガラスと一緒に炒める食材を変えれば和風パスタにもなりますし洋風パスタにもなります。冷蔵庫のなかにある残り物を使ってスクガラスパスタを作るのもいいでしょう。スクガラスが良いアクセントになって普通のパスタが簡単に美味しくなります。

スクガラスにはいろいろな食べ方があるのですが、どの食べ方を選ぶにしてもひとつだけ注意すべき点があります。それはスクガラスの原料に使われているアイゴの稚魚の身体には小さな棘がたくさんあるという点です。長時間漬け込んでそれなりに柔らかくなっているとはいえ、ものによっては普通に口の中に刺さるため注意しましょう。

そのためスクガラスはよく噛むのが基本的な食べ方となります。噛みきれないほど固い棘があることは考えづらいため、この食べ方であれば確実に口の中を傷つけずに済みます。またアンチョビのようなかたちでスクガラスを料理に使うのであれば細かくみじん切りにして料理のなかに入れるようにするのも効果的な食べ方のひとつでしょう。

包丁で細かく刻んでしまえば棘の存在を完全になくすことができるため小さいお子さんと一緒にスクガラスを食べる場合にはこのアプローチが最もおすすめの食べ方です。ちなみに細かく刻むことでスクガラスが持っている独特の風味がいい具合にマイルドになるため、魚があまり得意ではない人にもこの食べ方はおすすめできます。

東京のような都市部にある大型デパートであればスクガラスは比較的簡単に購入することができます。ただ、それ以外の地域だとスクガラスはあまり販売されていません。そのためどうしてもスクガラスを入手したい場合にはインターネット通販で販売されている瓶詰めのものを購入するのがおすすめです。

インターネット通販の最大の魅力は簡単に買うことができる点ですが、これ以外にも店頭販売にはない良さがあります。それはさまざまなメーカーのスクガラス瓶詰めを見比べた上で購入することができるところです。スクガラスは作り方によって味付けがかなり変わります。そのため自分好みの瓶詰めを見つけるにはこの方法が最適です。

またインターネット通販であれば瓶詰めのサイズも自由にチョイスできます。スクガラスはある程度保存が利くとはいえ、どれくらいの量を買いたいのかは人によって異なります。ひとり暮らしで晩酌の肴にしたい場合には少な目が、家族の食卓に並べたい場合には多めがいいでしょう。この点もインターネットの通信販売ならばっちりです。

沖縄のご当地珍味であるスクガラスは瓶詰めで販売されているという特性から簡単に手に入りますし、一年を通して好きな時に楽しむことができます。さらに最近ではインターネット通販の発達によりさまざまな種類のスクガラスが販売され始めています。例えば自分のお気に入りのスクガラス瓶詰めを探してみるのも面白いでしょう。