この記事の目次
そもそもグラフィティアートとは?
グラフィティアートは、街を歩いているとたまに見かけることができる壁に書かれた絵のことを言います。それは、見る人によって芸術と捉えられたり、落書きと捉えたり様々な意見があります。しかしグラフィティアートから生まれる本物のアーティストも沢山いるのです。では、今回は日本や海外の有名なグラフィティアートについてご紹介していきます!
グラフィティアートは芸術か落書きか?
グラフィティアートは、1960年代末頃からニューヨークの地下鉄や街の壁などに書かれだしたのが始まりと言われています。ギャング同士の縄張りとしてチーム名を書くといった意味合いもありますが、最近のグラフィティアートは、もっと芸術性の高いものが多いようです。大きな壁にスプレーで書かれた絵は、心を打たれるものも沢山あります。
しかし、見る人によってはどんなに素晴らしい作品であっても、芸術とはみなされず「落書き」としての烙印を押されてしまいます。芸術的に美しいグラフィティアートだとしても、イリーガルな場所に書かれているものも多いため、そういったモラルを重んじる人から見るとリーガルな場所に書かれたものも全て「落書き」と言われてしまうのです。
グラフィティアートは別名「ストリートアート」とも呼ばれています。読んで字のごとく、ストリートに書かれたアートなのでストリートアートと呼ばれます。壁にスプレーで描かれた作品は、素晴らしいものならばグラフィティアート、もしくはストリートアートと呼ばれ、どちらも同じ意味で使われています。
キースヘリングもグラフィティアートから有名になった!
キースヘリングの絵は、ストリートアートに興味がない方でも、一度は目にしたことがあるであろう有名で個性的な絵です。キースヘリングの記号化された人が踊る人たちの絵は、はじめはニューヨークの地下鉄の広告版に書かれました。今のストリートアートとは違い壁に直接描かれたのではなく、真っ黒い紙を広告版に貼り、その上にチョークで描かれました。
現代のストリートアートと決定的に違うというのはその手法でしょう。ゲリラ的に描くアート作品としては同じですがキースヘリングの場合は「黒い紙にチョークで書く」という手法だったので、同じ違法行為だとしても、すぐに剥がせてそこまで大掛かりではなかった、という点です。しかし、このキースヘリングがストリートアートの先駆者と言われています。
キースヘリングは、残念ながら31歳という若さでこの世を去ってしまいました。しかし後世に残した遺産はとても大きいものです。亡くなってから30年近く経とうとしている現代でも、彼の人気は衰える事がありません。地下鉄から始まった彼の作品は、今も社会的なメッセージを世に送り続けています。
グラフィティアートといえば「バンクシー」
そして、日本でもグラフィティアートに興味のある方なら、知らない人はいないほどの海外の有名アーティストといえば「バンクシー」でしょう。バンクシーは、政治的な皮肉などを盛り込んだグラフィティアートを描くことで有名です。そして、有名な絵を書くにもかかわらず、誰もその姿を見たことがない覆面アーティスととしても有名な人です。
現代のグラフィティアートを手がけるアーティストたちの多くは、バンクシーから多大な影響を受けています。海外にも日本にも多くのアーティストにその影響力を及ぼしていているバンクシーは、顔は愚か本名すら誰も知りません。どんな人が書いているのであれ、素晴らしい作品には違いなく、印象的な構図と強いメッセージが人々の心をつかんで離しません。
バンクシーのアートは、時に戦争への皮肉さを表現したり、時に移民受け入れ拒否への反対意見を表現したり、または映されている報道には裏があるといった内容をアートで表現したりと、様々な意見をアートでぶつけています。直接声に出すのも素晴らしいですが、アートを通して人々に知らせるといった手法が多くの人の心に、より共感を与えます。
神奈川県にある廃墟のグラフィティアートがすごい!
海外では大きな作品をよく目にするストリートアートの作品ですが、日本ではあまり見ることができません。見かけることがあったとしても、すぐに消されてしまうことの方が多いのです。なぜなら違法な場所に書いてあるストリートアートは、どんなに素晴らしいものであっても、違法には違いなく、自治体などにより排除されてしまうからです。
しかし日本にもストリートアートが消されずに、残っている場所があります。違法な行為のためにあまり表には出てこないので、地元の人たちではないとわからない場所にあるものも沢山あります。しかし、神奈川県のとある廃墟は、日本のストリートアートを間近に見ることができるスポットとして、興味のある方におすすめの場所なのです。
このおすすめスポットはブロックアートと呼ばれていますが、別名を「焼肉要塞」とも呼ばれています。その理由は、建設当時バーベキュースポットとして建てられていたのですが、安全性の不具合により、最後まで建てられることなく未完のまま放置され、やがて廃墟になってしまったそうです。そのために焼肉要塞という不思議な名前がついたようです。
住所 | 神奈川県足柄下郡真鶴町真鶴1178 |
海外には誰でもグラフィティを書いていい場所がある?
通常、グラフィティアートは違法な行為の場合が多いため、壁にスプレーで絵を描くことは禁止されています。しかし、海外のとあるスポットには、観光客たちが集まり、誰でも書いていい壁があるのです。それはチェコの首都であるプラハにある「ジョンレノンの壁」と呼ばれるスポットです。名前からして平和な雰囲気が漂っています。
もし観光でプラハに訪れたら、是非こちらのストリートアートが体験できるスポットに立ち寄ってみてください。実際にスプレーで絵や文字を書く難しさや楽しさを味わってみると、今後ストリートアートを目にした時に、今までとは違った感情で見ることができるかもしれません。自分が体験するとしないとでは、者の見方に大きな違いが生まれます。
住所 | Velkoprevorske namesti | Mala Strana, Prague 11800, Czech Republic チェコ |
海外のグラフィティアートスポット1:メルボルン
グラフィティアートを堪能したい方におすすめのスポットをご紹介していきます。まずはオーストラリアのメルボルンにあるレーンと呼ばれる中心部に足を運ぶのがおすすめです。細い道が続くこのレーンは両側の壁一面にストリートアートが描かれていて、異世界へ迷い込んだような感覚になります。もしメルボルンへ行った際にはレーンへ寄ってみてください。
このレーンで見ることができる様々なジャンルのストリートアートはシンプソンズのような可愛い絵から、ヒップホップ感満載のクールなスタイルの絵まで多種多様な作品を見ることができます。両サイドの壁のみならず地面にも色々書いてあるので、どこを見回しても楽しむことができます。ここで写真をとってインスタなどにアップしたらインスタ映えします。
住所 | Hosier Ln, Melbourne VIC 3000 オーストラリア |
海外のグラフィティアートスポット2:グラナダ
続いてご紹介するグラフィティアートのおすすめ有名スポットは、スペインのグラナダです。スペインといえばフラメンコが有名な国ですが、フラメンコ同様情熱的なグラフィティアートが目立ちます。日本には無いようなスタイルの情熱あふれる色使いなどが印象的な絵が多く、街を歩いているとついついグラフィティアートに目を奪われてしまいます。
こちらのグラナダの有名スポットは、中心街から徒歩圏内にあるので観光ついでに見ることができます。もしスペインのグラナダにいくことがあったら是非街を散策しながらグラフィティアートを堪能してみてください。芸術的な作品の情熱を間近に感じて、日本には無い感性を吸収することができるでしょう。アートに興味がある方ならなおさらです。
住所 | Calle Vistillas de los Ángeles, 1, 18009 Granada, スペイン |
海外のグラフィティアートスポット3:ペナン
こちらはマレーシアのペナンにある有名なグラフィティアートです。こちらのグラフィティアートがある町は世界遺産に登録されているジョージタウンと言います。世界遺産の町の中に、グラフィティアートがあるというのは、歴史の重厚感と新しい物への理解力が入り混じっているようで、なんとも言えず感慨深い感情を抱きます。
こちらのグラフィティアートの面白いところは、壁に書かれた二次元の世界と、実際に絵の前に置かれた自転車の三次元のコラボレーションが楽しめるということです。他には無い感覚のグラフィティアートですので、是非実際にみてみるのがおすすめです。ペナンの観光スポットとして検索するとすぐに出てくる有名なアートですのでペナンに行ったら必見です。
住所 | 316, Beach St, Georgetown, 10300 George Town, Penang, マレーシア |
海外のグラフィティアートスポット4:ニューヨーク
グラフィティアート発祥の地といえば、やはりニューヨークです。ニューヨークの街にはいたるところにグラフィティアートが点在しているので、日本では味わえない本場の作品を肌で感じたい方におすすめの場所です。さすが発祥の地だけあって、描かれている数が違います。街全体が作品のキャンパスのようで、どこを歩いても目に飛び込んできます。
その中でも特におすすめのスポットは、ブルックリンのウィリアムズバーグエリアです。こちらのグラフィティアートはハイセンスなものが多く、沢山のクリエイターが集まる場所だそうです。そのため、壁に描かれているアートもアーティスティックな作品が多いので、あまりグラフィティアートに興味が無い方でも素直に壁画を楽しめる場所になっています。
住所 | アメリカ合衆国 ニューヨーク州 ブルックリン ウィリアムズバーグ |
海外のグラフィティアートスポット5:ベルリン
ドイツのベルリンといえば、ベルリンの壁が一番初めに頭をよぎる方が多いのでは無いでしょうか。そんな悲しい歴史のあるベルリンの壁ですが、その壁の一部はこうしてアートスペースとして一般開放されているのです。日本ではこういった文化的な意味合いが深いものにアートを落とし込むというのは中々みられるものでは無いので貴重な場所と言えます。
このホーネッカーとブレジネフが熱いキスを交わす政治的に意味深いグラフィティアートは、これだけの大きさで、これだけのリアルさがあるにもかかわらず、作者は不明のままなのだそうです。こんなにも大きな作品を仕上げるには相当時間を要したはずですが、誰にも作者がわからないというのはなんともミステリアスな感じを受けざるおえません。
住所 | Mühlenstraße, 10243 Berlin |
グラフィティアートにも決まりがある?
グラフィティアートは、一見無秩序な感じを抱く方も多いかもしれませんが、意外にも暗黙のルールが存在するのだそうです。よく、他人が書いたグラフィティアートの上から、違うアーティストが上塗りをするような光景を目にします。しかし、それができるのは「初めに書いた人よりも上手い人」のみなのだそうです。相当自分に自信が無いと出来ない事です。
グラフィティアートから誕生するアーティストも沢山いる!
グラフィティアートはただの落書きと貶す人も少なからずいるものですが、このグラフィティアートから生まれる有名なアーティストも沢山いるのです。もちろんそれは日本にもいるのですが、違法な行為のイメージが先行してしまう日本では、あまり公になっていないのも事実です。しかし実際にここから誕生したアーティストが世間で活躍しています。
グラフィティアートと治安は関係ある?
グラフィティアートは、アートの一面ももちろんありますが、ギャング達の縄張り争いのための落書きも存在します。そのため、あまりアートらしく無いグラフィティアートが沢山街の壁に書かれている場所を一人で歩いたりするのはおすすめしません。グラフィティアートを楽しみたい方は、観光名所になっているような所へいくのが安全でおすすめです。
観光に行って、宿泊する場所の周りに、万が一ギャングのグラフィティアートが沢山あるような場合は注意が必要です。そこに滞在している人はギャングとの関わりを疑われてしまうので、できればそういった場所に宿泊しない方が無難です。
グラフィティアートをじっくり見てみよう!
今回は、グラフィティアートを楽しむ事ができるおすすめスポットをご紹介しました。世界各国に沢山のグラフィティアートが存在します。自分好みの絵があるスポットに足を運んでみて、どのように描かれているのがじっくり観察するのもおすすめです。写真やパソコン上では伝わってこないリアルな空気を目の前で味わってみてください!
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