福井の方言一覧を徹底解剖！語尾やイントネーションの特徴からよく使う言葉まで◎

中部地方・北陸に位置している福井県は、越前ガニをはじめ美味しい海の幸を味わえる地域なのはもちろん、恐竜の化石が日本一みつかっている地域、冬にはとても雪の多い地域などとして知られています。

福井県ではこのエリア独特の方言が使われていて、特別な言葉がある他にも、語尾やイントネーションに特徴があるものとなっています。

「チア☆ダン」や「ちはやふる」などのテレビや映画で福井の方言を聞いたことある人もいるでしょう。とてもかわいいと話題になっています。

福井の方言について、その特徴やフレーズ・使い方など、いろいろな情報をピックアップして一覧として紹介します。

福井県で使われている方言には、多様な言葉があります。また、県内の越前地方である北方面の嶺北と、若狭や敦賀市などを含む南方面の嶺南では少しずつ違うものとなっています。

福井県の方言の種類や特徴について、地域によってどう違うのかということや、語尾やイントネーションなどの詳細事項を一覧として紹介します。

福井県の嶺北地方は、県庁所在地である福井市をはじめ、越前市・あわら市・鯖江市などの7つの市と、吉田郡・丹生郡などの4つの郡から成っています。

嶺北地方で話されている方言は、石川県や富山県などに近い場所にあるということもあって北陸方言に近いものがあるとされています。語尾が上下に揺れることが一番の特徴と言えます。

また、同じ意味合いの言葉でも例えば「塩辛い」を表す言葉が嶺北地方は「くどい」、嶺南地方は「からい」、などの違いもあります。

福井の嶺北地方は、さらに福井平野を中心としたを嶺北西部と、山側の嶺北東部に分けることができ、この2つの地域でもちょっぴり言葉が異なっています。

この2つのエリアの一番大きな違いはそれぞれの単語に対するアクセントであり、嶺北西部は比較的アクセントがない傾向があります。一方嶺北東部は明瞭なアクセントがある、とされています。

福井県の嶺南地方には、敦賀市・小浜市の2つの市と、三方郡・大飯郡・三方上中郡の3つの郡から成っていて、一般的に若狭と呼ばれるエリアに当たります。

嶺南でよく使われている方言は、京都府や滋賀県と接していることもあって京都弁や関西弁・大阪弁などに近いものとなっています。

関西にある地域と似た方言ですが、福井の方言の影響もあることから、嶺南地方で話される言葉のみを指して若狭弁と呼ばれることもあります。

福井の方言の特徴の第一として「語尾」が挙げられます。福井の方言では、語尾を伸ばしたり、語尾の部分を標準語より極端に上下に揺らしたりすることが多いです。

「やねぇ」「のぉ」などの文章の最後の部分である語尾を通常よりたくさん伸ばして上下に揺れさせることがあります。

また「蚊」「田」「目」などの短い単語の場合でも、「かぁ」「たぁ」「めぇ」などと一般的な言葉より語尾を長く伸ばして上下に揺れ動きます。

福井で話されている方言の特徴には「イントネーション」もあります。一般的に日本語にはイントネーションがあり、言葉が上に上がるのか、下に下がるのかによって意味が異なってきます。

例えば「あめ」という文字にするとおなじものであってもイントネーションによって「雨」や「飴」というふうに違う意味となります。同じように「はし」でも「箸」と「橋」もイントネーションで意味が異なります。

しかし、福井の方言では基本的にこのイントネーションがないので、音の高低や強弱がほとんどありません。最初から最後まで同じ高さで言葉が話されます。なので、一つの単語として話されても意味が分からないことが多々あります。

福井の方言で話すときには、前後の文章を読み取ってどの意味の言葉を話しているのか、解釈する必要があります。

福井の方言の面白い特徴として、「そ」が「ほ」に変化するというものがあります。例えば相槌を打つときに使われる「そうだね」は「ほだね」となります。

「そうそう」というときは二回「ほ」を繰り返して「ほやほや」となります。これは高齢の方はもちろん、若者や子どもでも良く使っている福井の方言です。

福井の方言の中でも、日常生活の中でよく使うフレーズについて、例文とともに一覧として紹介します。

福井旅などに行ったときに、地元の人の会話をよく聞いているとこれらの言葉はたびたび登場するので、ぜひ知っておくことをおすすめします。

福井の方言に「あかん」があります。これは「ダメ」とか「いけない」の意味です。「ほんなことしたらあかん」などと使われます。これは関西で話される言葉に近いので福井に住んでいなくてもなんとなく意味が分かる言葉の一つと言えるでしょう。

福井の方言には「だんね」もあります。これは「いいですよ」「OK」という意味で使われる言葉です。「返事はいつでもいいだんね」などと使われています。これも日常会話で簡単に使える言葉なので、初心者におすすめです。

福井の方言として「穴んぼ」があります。これは「穴」であり、このまま標準語としても比較的通じやすい言葉とも言えます。「障子に穴んぼが開いている」などと使います。この言葉を使うとちょっぴりかわいい文章になります。

福井の方言として「わらかす」というものもあります。これは「笑わせる」という意味の言葉であり、多くの人が初めて聞いてもさっと理解しやすい福井の方言と言えます。「友達をわらかす」などと使い、子どもでも比較的使いやすいさまざまなシーンで活躍する言葉です。

福井の方言の一つに「のくてぇ」が挙げられます。この言葉は「どんくさい」や「馬鹿だ」や「愚かな」などと同じ意味です。「なにしてんの、のくてぇなぁ」などと使い、「何をしているの、どんくさいね」などの意味となります。今でも日常的によく使われている言葉です。

ただし、これを言われたことによって心に傷を受ける人もいるので、使う場面をしっかりと見極めて慣れない人はむやみに使わない方が良いでしょう。

福井の方言には「ジャミジャミ」もあります。これは、「テレビの映像が映らず、砂嵐のような状態になっている」ことを指します。「テレビがジャミジャミになっとる」などと使います。ただし、これはブラウン管時代のことで今のテレビではあまり使うシーンはないかもしれません。

福井の方言として今でも頻繁に使われているものに「ズック」があります。これは「靴」の意味であり、子どもがよく履いている運動靴のことを言います。

学校で「ズックを忘れないように」などと指示されます。また、上履きのことを「内ズック」、外履きのことを「外ズック」などと分けることもあります。

福井の方言として「ちびてぇ」があります。これは、「冷たい」であり、比較的初めて聞いても分かりやすい標準語とよく似た言葉でもあります。「このドリンクちびてぇ」などと使います。使いやすい福井の方言でもあるので、ぜひ積極的に使ってみて下さい。

福井の方言で間違う人も人も多い言葉に「ねんね」があります。これは「赤ちゃん」「小さな子ども」を指す言葉です。標準語でよく聞く「寝る」の意味の幼児語ではないので気を付けておくと良いです。「うちのねんねはまだ寝ている」などと使います。

福井でよく使われている方言の中でも、特にフレーズがかわいいもの・思わずにっこりしてしまうおしゃれさのものを厳選して例文とともに一覧で紹介します。

意味は分かりにくいものが多いかもしれませんが、聞いたときにかわいいと思えるフレーズのものばかりとなっているので、意味をしっかりと確認したうえで使ってみると良いです。

福井の方言でかわいいものの一つに「かんからかん」が挙げられます。これは「かちこちに固まっている硬い状態のもの」を指します。「氷がかんからかんになってる」などと使います。初めて聞いたときにはなかなか想像しづらい言葉の一つです。

福井の方言の中でも響きが大変かわいいことで評判なのが「ながたん」です。「包丁」を意味する言葉であり、他の地域の人ではなかなか知っている人はいない言葉でしょう。

「すいか食べるでながたん持ってきて」などと使うことがあります。響きが良いので、いつもの包丁をより身近に感じられそうです。

福井の方言のかわいいと話題になっている言葉に「あっちゃこっちゃ」が挙げられるでしょう。この言葉は「あちこち」という意味で使われています。使ったことがない人でも、聞いたらなんとなく意味の分かる方言の一つとも言えます。「あっちゃこっちゃの店を探した」などと使います。

福井のかわいい方言一つとして「あこ」があります。これは「あそこ」という意味で使われています。「あこ、行こか」などと使って人を特定の場所へ誘うための文章となります。「そ」を抜くだけですし、比較的誰でも分かりやすくて使いやすい言葉と言えるでしょう。

福井の方言の「おちょきん」もかわいいフレーズとして知られています。この言葉は「正座」を指しています。「おちょきんしねま」と使って「正座しなさい」となります。

正座を促すシーンで高齢の方がよく使いますが、現代では正座をする場面自体が少なく、あまり使うことがない言葉かもしれません。

福井の方言の中でもかわいいとされているのに「しな～っと」があります。これは「こっそり」「さりげなく」などという意味で使われています。テスト前に「しな～っと勉強したでしょ」などと使われます。

現在では、「ちゃっかり」や「いつの間にか」というニュアンスの言葉としても使っている人も多く、若者も比較的よく使う言葉です。

福井の方言でかわいいとされているものには「すまっこ」もあります。この言葉は「隅っこ」という意味です。「すまっこから詰めて座ってください」などとイベントなどで指示されます。とてもおしゃれでかわいらしい響きの言葉で思わず福井でなくても使いたくなってしまうことでしょう。

福井の方言でかわいいと言われているものに「チュンチュン」もあります。これは「熱い」という意味であり、高温になっている状態を指します。夏に「車がチュンチュン」などと使います。

なかなか意味は難しいですが、すずめが鳴いているようなかわいい音の響きで聞いたら誰もが笑顔になってしまうことでしょう。

福井の方言の中で「ほやほや」もかわいいとされています。これは「そうそう」という相槌の言葉であり、日常的な会話の中でよく使われます。「明日テストだね」「ほやほや」などと使います。なんだか心がほっこりとする言葉であり、会話もさらに弾むことでしょう。

福井の方言でかわいいと言われているものの最後にピックアップしたのは「まんまんちゃん」です。これは「仏様」を指す言葉であり、「仏壇」のことを言うこともあります。

「まんまんちゃんに手を合わせて」などと使います。仏様やご先祖様がさらに近い存在なったように感じられる言葉と言えます。

福井の方言の中でもなかなか理解しづらくて難解だけれど、面白いと感じられるフレーズについて、一覧として例文とあわせて紹介します。

一度聞いただけでは分からないほど難しいけれど、語感が面白いものばかりとなっています。ぜひ、楽しんで見てみてください。

福井の方言は多様性に富んでいて、ここで一覧として表したもの以外にも難解なものがたくさんあるので、探してみるのも楽しいでしょう。

福井の方言で難解だけれど面白いものに「ありめ」があります。これは地面にいる「アリ」のことです。「ありめの行列」などと使われます。アリの他にも犬であれば「いぬめ」、猫であれば「ねこめ」となり、それらの生き物をより親しみを込めて呼んでいるように感じられます。

福井の方言で難解だけれど面白いと感じられるものに「かたい」が挙げられます。これは「元気」「健康」という意味です。「久しぶりやの、かたいけの」などと使われています。もちろん、意味は「久しぶりですね、元気ですか」となります。

初めて聞いた人は、ものががっちりとした「硬い」または「固い」と聞き間違えてしまって、返答に困ることがあるかもしれません。

福井の方言で難しいけれど面白ものとして「ざいご」もあります。こちらの言葉は「田舎」を指しています。「ざいごのもん」で「田舎者」という意味で使われます。また、田舎から転じたと言われていて実家を指す場合もあるので、しっかりと注意して意味を理解するようにしましょう。

福井の方言で難解でありながらも面白いものに「あやまち」があります。これは「けが」のことを指していて、くじきや寝違いなどでも使われます。「昨日あやまちした」などと使われます。

初めはなかなか分かりづらく、同じ発音で一般的に使われる「過ち」とは違った意味の使い方をする面白い言葉の一つです。

福井の方言の中でも難しいけれど面白い言葉に「あばば」があります。これは「溺れている様」を表す言葉であり、この言葉を聞いたら緊急事態です。川や海・プールなどで「子どもがあばばしてる」などと使われます。これを聞いたらすぐに手を貸しに行きましょう。

福井の方言でも難解で面白いものとして「イラチカ」もあります。こちらの言葉は「ゴム紐」のことを指します。「ズボンのイラチカ、変えて」などと使われています。「イラチカ」も初めて聞いた人にはさっぱり分からない言葉の一つであり、意味を聞いても驚きを隠せないでしょう。

福井の方言で難しいけれど面白いものに「きのどくな」も挙げられるでしょう。「ありがとう」や「すみません」などの意味であり、「お土産こんなにぎょうさん、きのどくな」などと使われます。気を使わせたことによる「気に毒」から転じた言葉ではないか、と考えられています。

感謝の気持ちがこもった大切な言葉ですが、他地方の人には「気の毒」と聞こえてしまって最初はびっくりするかもしれません。

福井の方言にある中でも難しくて面白いものとして「つるつるいっぱい」も挙げられるでしょう。コップやお椀に「並々と液体が注がれている様子」を表す言葉です。「お酒をつるつるいっぱい注いで」などと使われます。

初めて聞いた人には「いっぱい」は分かっても「つるつる」って何だろう、と頭をかしげたくなる人もいるかもしれません。しかし、コップにたっぷりと注いだお酒や水の一番上は「つるつる」しているようにも見えます。

福井の方言でも難しいけれど面白いと感じる人が多い言葉に「かぜねつ」があります。これは「口内炎」のことです。「かぜねつが痛い」などと使われています。

風邪で熱があるわけではないですが、口内炎ができるということは体調があまり良くないことでもあるので、相手を気遣う優しさが大切でしょう。

福井の方言で難しくてなかなか理解できないけれど面白いものに「はよしね」があります。これは「早くしなさい」という意味の言葉です。「しね」とはこの地方の言葉では命令を表しています。「準備はよしね」などと保護者が子どもに言ったりします。

ただし、標準語では違う意味に取られてしまうので、慣れない人はあまり使わない方がベターな言葉でもあります。

福井の方言にあるものの中で難解でも面白ものの最後に挙げるのは「めめんじゃこ」です。こちらの言葉は「めだか」のことです。「めめじゃんこにエサをやる」などと使います。

他地方の人には分かりづらい福井ならではの独特な言葉と言えます。身近にめだかがたくさんいたからこそ愛着を持ってこのように呼ぶようになったのでしょう。

福井の方言は、語尾やイントネーションが特徴的です。また、難解な言葉もあるので、なかなか使うのはハードルが高いかもしれません。しかし、ここで一覧として挙げた言葉を知っていれば福井に旅行に行ったときに、地元の人とも会話が弾むかもしれないので、ぜひ覚えてみましょう。